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管理人は、アメリカ南部・ルイジアナ住人、伊勢平次郎(79)です。
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02/26
連載小説 「垂直の壁」 その2


九月九日、隅田公園で菊の品評会があった。ピクニックの季節である。一歩が銀杏の木の下で楽しそうに重箱を開けている四人の親子を見ていた。母親が小学生の息子の口に稲荷寿司を入れるのを見た。そのとき、ふと、自分にも精神病があるんじゃないか?と思った。家へ帰って、精神内科医をグーグルで探した。どうも心療内科医と言うらしい。

「石川君は、自殺したくなったことがあるの?」
医師が一歩の心の中を読むかのように眼を見つめた。一歩が俯いた。数秒が経った。
「何度もあります。何とも言えないほど気力が落ちて、何日も寝られないんです。ようやく眠ったと思うと、古井戸に落ちて行く自分を夢に見るんです。目が覚めると汗をびっしょり、かいているんです」
「日本ではね、一年に三万人もの自殺者が出る。日本は自殺大国なんだよ。高齢者の自殺の多くは病苦が原因なんだが、若者の自殺の原因は、自分のアイデンティティが分からないことなんだ。精神医学会では、アイデンティティ・クライシスという」
一歩は、自分にもその傾向があると思った。
「ちょっと、説明しよう。若い警察官がピストル自殺したというニュースが流れた。顔写真を見てやっぱりと思った。自殺する人の多くは世間の評価を気にする人なんです。――自分は誰にも愛されていない、、職場でも、家庭でも自分は嫌われている、、社会の評価がアイデンティティーというわけです。しかし、人間、すべての人から良い評価を得ることは不可能です。この警察官が追い詰められたのも、やはり世間体ではないかな?それなら、世間体さえ捨てれば、いいんです。つまり、世間の評価で自分の価値を決めることをやめれば、自殺しなくてもよかったのではないだろうか?世間体で生きるということは、「他人の山」を登る生き方です。「他人の山」で人生が終わってしまうのは寂しいことです。君に忠告を上げよう。自分の価値を何を基準に決めているのか。本当の価値はどこからくるのかということを考えて欲しい」
一歩が母親が自殺したことを話した。
「そうなの?でもね、お母さんの自殺は君には関係ない。結びつけてはいけない。人は親子でもね、夫々なんだよ」

医師が一歩に精神安定剤をくれた。抗うつ剤ともいう睡眠薬である。一歩が睡眠薬の瓶を手に握った。そして、相談に来てよかったと思った。だが問題が残った。一体、自分が生まれてきた価値って何なのか?一歩は、自分は、結局、負の力に負けるんじゃないかと恐れた。そこで、学校に心療内科医の診断書を提出して休学することにした。つまり、石川一歩は大学進学を断念したのである。

             続く
02/25
連載小説 「垂直の壁」 その1
垂直の壁


「先生、おはようございます」
生徒が立ち上がって教師に挨拶をした。
「はい、おはよう。今年も重陽の節句がやって来る。中国では、この日は古くから山に登って菊花酒を飲む習慣がある。杜甫の詩、登高のテーマになっている。石川君、読んでくれないか?」
石川一歩は、東京都立戸山高校の三年生である。夏休みが終わって二学期が始った。戸山高校は大学進学校である。漢文の授業に出る学生は、文科系の大学を目指す学生で授業を受ける学生の数はまばらだった。石川一歩もその一人であった。一歩は立ち上がると四方に頭を下げた。一歩は黒縁の丸い眼鏡をかけ長髪を後ろで束ねて結んでいた。一見、ガーリッシュに見えるのだが、日焼けしており、よく見ると理知的な風貌である。

風急に天高くして 猿嘯(えんせう)哀し
渚清く 沙(すな)白くして 鳥飛び廻(めぐ)る
無辺の落木は蕭蕭(せうせう)として下り
不尽(ふじん)の長江は袞袞(こんこん)として来たる
万里悲秋 常に客と作り
百年多病 独り台に登る
艱難(かんなん)苦(はなは)だ恨む繁霜の鬢(びん)
潦倒(ろうとう)新たに停む濁酒の杯

「うん、石川君は漢詩の成績が抜群だ。詩の心を持つということは、感性が高いということだ。それを一生、大事にして欲しい。君は教育大学を志望しているんだね?良い教員になると思う」

だが、石川一歩は悩んでいたのである。一歩は受験勉強をほとんどやっていなかった。ヘルマンヘッセの長編である「車輪の下」を昼夜を分かたず読み耽った。一歩は周りに誰も支えてくれる人がいない神学生のハンスに自分を見た。ハンスを圧し潰した車輪が人間の社会であると共感していた。一歩は鬱病を持っていた。鬱に対抗するために山に登った。三枚重ねの登山服を着て、底のごつい登山靴を履き、リュックを背負って家を出た。父親は、一歩が母親に似て陰気な性格なので、「山に行く」と言って玄関を出て行くとほっとした。そういうわけで、一歩は、夏休みを、ほとんど山歩きとヘッセを読むことに使ってしまった。南アルプスを八日間で縦走し、「人食い山」と言われる谷川岳にも単独で挑戦した。一歩は、滑落事故で死ぬなら、それでもいいと思っていた。だが、死ななかった。今度は、冬の北アルプスを縦走してみようと考えていた。厳冬登山なら、登攀具、食糧、炊事・露営用具をすべて自分で担ぐわけだから、かなりの体力が必要である。一歩は、成育しきっていない自分の体力では確実に死ぬだろうと思っていた。一歩はそういう死に方を望んでいたのである。

一歩には孤独癖があった。あまりしゃべる性格ではなく、ジャズを聞いたり、西欧の文学書を読む青年だった。小学生だった一歩は母親に虐待を受けた。少年には、その理由が分からなかった。母親は自分の性格に似た一歩を嫌ったのである。一歩の母親はキリスト教系と思われる天国の門というカルトに入っていた。その母親が、一歩が中学一年生のときに自殺した。常磐線の駅のプラットホームから線路に身を投げて、入って来た電車に轢かれたのである。母親は精神科に通っていたと父親が言った。父親は、トランペット奏者なのだが、数人の仲間と路上でジャズを演奏して小銭を稼いで生活していた。まあまあの生活が出来たのは、母親の祖父が残した小さな遺産であった。
「それで、お前、大学へは行くんか?」
「わからない」
「行きたいのか?」
「あんまり」
「アホ、高卒じゃ高級取りにはなれん。お前、どうやってメシ食うんや?」
「東京は大都会、路上でトランペットを吹いても食える」
「一歩、俺みたいなグウタラになったらいかん。絶対、いかんぞ!」

続く

みなさん、隼速報はアメリカ事情のブログなんですが、撤退します。読者の方がそれなら小説を連載してくれと。伊勢が書いた短編を連載します。コピーはしないでね。伊勢
02/24
おごりが身を亡ぼす、、


意識はあると。3年前にも薬物服用で逮捕されて執行猶予一年だった。今回も検査されているが発表はまだない。ウッズは45歳。伊勢は16歳で運転免許証を取得。今年80歳。事故なし、違反なし。南アフリカ、イタリア、ドイツ、フランス、スペインをドライブした。日本でも事故なし。このプロゴルファーは何か問題を持っている。伊勢

隼速報を閉鎖する考えです、、

いつ閉鎖するかは決めていない。プライベイト・ライフに専心したいからです。日本人は核保有にネガテイブです。それも民意なら構う理由はない。伊勢
02/23
ピストル 終章
終章

天竜組の若頭、白神辰治は天竜軍を組織した。まず、与座牛一に密使を送った。次に、江戸川誠一に密使を送った。この二人のドンの参軍は必須なのだ。だが、二人から返事はなかった。

一方の武田平之助は天竜組の計画を読み抜いていた。水嶋が、与座牛一、トミー河岡、斉藤万歳山の三人を呼んだ。平之助は天竜組の大軍と戦えば武田一家は惨敗すると知っていた。だが、平之助は京子を取り戻す決心をしていた。
「水嶋若頭、たった五人では。ミナゴロシになるだけです。天竜川の縄張りを放棄することは出来ないんかな?」と与座が言った。
「出来ないよ」と水嶋が答えて与座を睨み据えた。改めて沖縄人は日本人ではないと思った。
「言うて置きますが、ウチナーグチは勝負の雲行きで寝返るんです」
――何を白々しいと平之助が思った。
「来たくなければ来んでも良い」と水嶋が引導を渡した。勿論、この場で殺されることを与座は知っていた。だが、絣の着物姿を着た与座は平然としていた。

夕闇が迫っていた。平之助と水嶋とトミーがトヨペットクラウンに乗り込んだ。与座と斉藤がやはりトヨペットに乗って続いた。その後ろに、浜本ら三人が乗ったトヨペットが続いた。
一時間後、平之助、水島、与座、トミーと斎藤の五人が吉田旅館に着いた。浜本が秋野刑事が部下六人と張っているのを見た。浜本は五人が殺されたら吉田旅館に火を着ける考えであった。
「まず、京子に合わせてください」と平之助が荒山大鉄に言った。京子がふすまを開けて出てきたが匕首を手に持った姐さん二人が付き添っていた。ハジキを持った二人の男が出てきた。江戸川誠一と雷魚だ。平之助は驚かなかった。
「平之助さん、簡単に血判を押してはダメよ」
「黙れ」と白神が怒鳴った。
「お坊ちゃん、天竜川をうちの組によこせ」と荒山が言った。ノ―を言わせない口調である。
「わかった。京子の命と引き換えです」
まず、荒山と白神が血判を押した。平之助と水嶋が血判を押した。白神が目配せすると姐さんが京子を開放した。平之助が京子の手を握った。そのとき、斉藤が匕首を抜いて軍鶏のように飛びこんで来た。動顛した江戸川誠一が引き金を引いたが当たらなかった。修羅場の拳銃に慣れていないのだ。白神辰治が腹を抑えて畳に転がった。子分が抜刀して出てきた。刀を振り上げて平之助を斬ろうとした。
「待て。そこを動くな」という声がした。トミーと与座が手榴弾を手に持っていた。荒山大鉄の背筋が凍った。平之助と水嶋と京子が後ろのふすまを開けて下がった。
「バーン」と凄い音がした。雷魚がコルト45スペシャルを撃ったのだ。銃弾は与座の絣の右袖を貫通した。だが与座が倒れない。雷魚が与座の右腕がないことに気が着いた。トミーが手榴弾のピンを抜いた。刀を持った子分らが悲鳴を上げて逃げた。荒山大鉄と腹を抑えた白神辰治、江戸川誠一と雷魚の四人が残った。硫黄島生き残りの与座牛一が左手で手榴弾を投げた。与座も左ギッチョなのだ。この二発の手榴弾が天竜組を滅ぼした。
「名古屋に戻ろう」とすべてを悟った秋野満月刑事が部下に言った。

「山中先生、復学させてください」
平之助と京子が山中教授の職員室にいた。
「武田君、暴力団の皇帝はいけない」と山中教授が平之助の目をじっと見た。
「先生、ご周知のように天竜組の組員は続々と投降して武田組が吸収しました。天竜組は暴力団でした。ボクは、甲斐グループを合法的な株式会社にしたいのです」
「それには年月がかかるよ。ヤクザが素直に社会人になるのか私には未知の世界なんだ。改革には流血も起きる。君の命も危険に曝されるだろう」
「それは覚悟しています。甲斐組を会社にすることが京子との結婚の条件ですから」

「お坊ちゃんが遠州浜松のドンになられた」と水嶋が親分衆に言った。遠州のドンとは甲斐組の首領と言うことである。正座していた直参の旗本たちが畳に手をついて平之助に深々と頭を下げた。そして顔を上げると平之助のことばを待った。
「親分衆のみなさま、遠路遥々、浜松まで足を運んでくださって、お礼のことばもない」と平之助が畳に手をついて礼を述べた。
「いえ、お手をお上げくだされ」と高知の大河内親分が言った。
「ご一同さん、ボクは武田一家を出ます」
親分衆がどよめいた。
「みなさん、ご心配は要りません。この水嶋が武田組の組長になります。ボクは甲斐組の顧問弁護士および取り締まり役になる。これからの時代は暴力団では生き残らない。親分衆を株主とする株式会社にする考えです」
親分衆はその理由がわかっていた。時代が変わったのだ。虎造親分を想って手で瞼を拭く者がいた。

「トミー、お前には武田組を出てもらう。お坊ちゃんには特攻上がりの浜本を付けた。だが、お前が武田組にいるのは好ましくない。何しろ米軍の手榴弾を投げたんだからね」
水嶋がトミーに熨斗の掛かった分厚いお祝儀袋を渡した。退職金である。トミーが頭を下げた。
「ごくろうだった。カネに困ったら俺に言え」

イクコがソニーのトランジスタラジオから流れるアロハオエに合わせて歌っていた。そこへトミーが戻ってきて一部始終をイクコに話した。
「トミー、クビになったの?」
「イクコ、クビになったんじゃなくて、武田一家から開放されたんだよ」
「仕事どうなるん?」と妊娠一か月と診断されたらイクコが心配顔になっていた。
「この浜松を出て遠くに行かないと平和に暮らせない」
「トミー、ハワイへ移民出来ない?」
「出来るよ、ボクが米国籍だから」
「アタイ、何でもするよ。でも、トミー、仕事どうする?」
「ワカバヤシさんのホテルで働くよ。水嶋さんに聞いてみる」

「今朝は清々しいなあ」と斉藤が妻に言った。斉藤万歳山、妻、娘の三人が癌センターに向かって歩いていた。西方に浜松城の天守閣が見えた。

看護婦が主治医の執務室に案内した。ドクターがニコニコと三人を迎えた。斉藤が首を傾げた。
「斉藤さん、不思議なことが起きている。癌が消えているんです」とレントゲン写真を手に持った主治医が驚くべきことを言った。妻と娘が声を出して泣き出した。人斬りが拳で瞼を拭った。

             完

皆さんの正直なご感想をください。伊勢
02/22
ピストル 第十六章
第十六章

五人が羽田に帰って来た。トミーは寒風の中でまだアロハシャツを着ていた。
「トミー、もういいよ。ふたりは浜松に帰りなさい。ボクらは横浜で一泊する。斉藤さんだけ付き合ってくれないか?」
トミーとイクコの夫婦と羽田で別れた。残った三人が横浜へ出た。横浜へ来た理由は四川料理である。三人が中華街の門をくぐった。珍珍楼という看板が見えた。
「まあ、面白い名前ね」
「ニイハオ、お坊ちゃん、ずいぶん日焼けしてお元気ネ」と辮髪の社長が出迎えた。平之助と面識があったのだ。理由は単純である。浜名湖のウナギを買ってくれるからである。
京子が、点心、鱶鰭の吸い物、チンゲン菜の油炒め、中華風伊勢海老を頼んだ。社長が紹興酒を持ってきた。平之助が斉藤の盃に注いだ。
社長が取ってくれた海岸通りのホテルに泊まった。平之助が京子を抱いた。
「ねえ、私が恋しい平之助さん、何とか甲斐組を離れることは出来ないの?」
「今は出来ない。でも、君と結婚したら個人に戻る」
京子が電話を取って父親に無事に帰ったと報告した。京子は、幼少のときに母親を失ってパパに育てられた。そのパパは、自分のたったひとりの娘が甲斐組の武田平之助と結ばれることを憂いていた。
平之助が若頭の水嶋に電話を掛けた。水嶋は、五人のハワイの行動を逐一知っていた。その秘密はワカバヤシだろう。
「お坊ちゃん、ご無事で何より。明日、来られる親分衆は旗本です。夕刻までにお帰りください」

平之助と斉藤が京子と別れて浜松で汽車を降りた。日の丸が目に飛び込んできた。門松が家々の門に飾られている。商家の旦那が平之助に挨拶した。平之助はすっかり武田組の組長に戻っていた。

与座牛一がトミーを伴って武田一家の玄関をくぐった。関西以南の親分衆に新年の挨拶をした。旗本は四人だった。平之助が江戸川誠一と倅の雷魚を見て驚いた。
――水嶋はどうして関東を取り仕切るこの親子を招いたのだろうか?トミーが歌舞伎の女形のような雷魚を見ていた。
お屠蘇に始まり手締めで宴会が終わった。親分衆は翌朝立った。江戸川親子も潮来へ帰って行った。
「若頭、なぜ江戸川を呼んだの?」
「与座と江戸川の反応を観察したかったのです」
「それで?」
「わからんです。トミーにお返し役を頼みました」
お返しとは親分衆が寄進した上納金へのお返しなのである。
トミーが潮来へ行った。江戸川誠一に鼻の短いコルト45スペシャルをお返しの品に持ってきた。
「ワシ、これが欲しかった」と江戸川が笑った。そして雷魚に耳打ちした。
「これを武田のお坊ちゃんに差し上げる」
ビロードの布を広げていると銃口が縦二連のデリンジャーである。 22口径である。

正月が終わった六日の朝、名古屋市警の秋野満月刑事から電話があった。秋野が、長谷川京子が誘拐されたと言った。平之助が最も恐れることが起きた。
「武田さん、浚ったのは天竜組だとほぼ確実です。ただ、京子さんの居場所が判らない。踏み込むことも出来ないのです」
「いや、踏み込まないでください。京子の命が危ないからです」
「必ず、天竜組からコンタクトがある。それを待ちましょう」
正月の九日、そのコンタクトがきた。
――俺は三島という者だ。白神若頭の補佐だ。お前、ひとりで来い。住所はここだ。警察に知らせれば京子を輪姦すると天竜市の料亭の名前が書いてあった。
平之助は水嶋に話した。一人で出かけた。秋野刑事と新米の刑事が尾行した。与座と兵隊が尾行した。トミーが尾行した、、斉藤が続いた、、
料亭では三島一人が待っていた。
「天竜組の荒山組長は手打ちを望んでいる。天竜組は亀沼一家の亀沼鉄二が斉藤万歳山に切られた。大番頭と小番頭が誰かに撃たれた。これ以上の被害を出すことは出来ない」
「和平の条件は何だ?」
平之助の語調が荒くなっていた。
「抗争以前の天竜川のシラス漁の縄張りに戻る。それだけだ」
「条件がある。シラス掬いの組員は同数。獲った稚魚は一つの桶に入れる。それを半分に割る」と平之助がカウンターオファーした。
「それは不可能だ」
「ま、そう言うだろうと思っていた」
「和平同意書に血判を押すなら京子を返す」
「京子の身が安全なのか彼女に電話をかけさせろ」
「わかった」
五分後、電話が鳴った。
「平之助さん、入れ墨入れた姐さん二人に監視されているけど私は大丈夫よ」
「京子さん、もう二、三日我慢してください。ボクが必ず、迎えに行きます」
それで日本橋の会談は終わった。二日後、伝令がやって来た。
――署名、血判を荒山大鉄組長本人と白神若頭が行う。武田組はお前と水嶋若頭が来い。場所は掛川市大井川の吉田旅館だ。日時、正月十一日、夜の十二時である。

             次回は終章です。伊勢
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