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管理人は、アメリカ南部・ルイジアナ住人、伊勢平次郎(81)です。
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08/31
男は、兵になる心を持て!
恋人であり~夫であり~父親ならば、恋人や家族を守る義務がある。つまり、「男は、兵になる心」を持たねばならない。九条の会や、なかにし礼は安全地帯におり~自らを罪人として~自らを武装解除する馬鹿者たちである。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」

表紙憲兵大尉の娘_convert_20150830145240


(22)

そのハイラルへ出発する朝、起床ラッパが鳴った。憲兵将校が準備するものなど何もない。ただ、トランクは憲兵隊に預けた。それから、背嚢と小銃を貰った。靴も乗馬用のブラウンの長靴に履き替えた。「これ楽チンだな」と飛鳥が笑った。

騎兵たちは忙しかった。厩舎から馬を引き出して営舎内を歩かせた。これは長い汽車の旅に弱い馬にはたいへん重要なことなのだ。騎兵は夫々の愛馬を牽いて無蓋車に乗せた。そして砂糖をくれて鼻を撫ぜた。戦車を積んだ長い貨車が3台列車の真ん中にあった。砲兵が九十五式野砲一機と15センチ榴弾砲を積んだ。飛鳥がそれを凝視していた。


97 chiha 1937

九十七式中戦車チハ


長谷川と飛鳥は連隊長の客室に招かれた。給仕が着いており紅茶の匂いがした。

「紅茶は好きですか?」と川崎少佐と名乗った連隊長が飛鳥に訊いた。

「はっ、女房の次に好きであります」と言うと、連隊長が「わはは」と笑った。憲兵将校には見えない飛鳥の顔が好きになったのである。

しばらく談笑して個室を出た。兵隊の客車に混じった。飛鳥が地図を広げていた。

chichiharu map 1

大興安嶺西麓の低山丘陵とホロンバイル高原の間にあり、ハイラル河の上流で青い草原が広がる、、

「海拉爾(ハイラル)まで七百キロはあるね」と飛鳥が軍曹に聞いた。

「途中で石炭と水を積みますので、16時間はかかります」と体格の良い軍曹が言った。騎兵はみな体格が良い。22歳から26歳の若者たちであった。「兵隊になるなら騎兵がいいな」と長谷川が想った。

「海拉爾ですが、これまた難しい字体ですね?甲骨文字が起源と大学で習いました」

「蒙古語だろう。遊牧民が漢字を当てたのだろう」

「大尉殿、その蒙古ですが、日本の敵なんですか?」

「1922年12月にソヴィエト社会主義共和国連邦が成立してから2年後の1924年、世界で2番目の社会主義国家であるモンゴル人民共和国が成立した。例の張作霖がモンゴルに舌なめずりをしていたが、ソ連を恐れてモンゴルには手を出さなかった。つまり蒙古はソ連の衛星国なのだよ」と飛鳥の知識の高さに長谷川が驚いていた。

「どうして、海拉爾が日本軍にとって重要なんですか?」

「うむ、この地勢を見たまえ。ソ連軍はすでにアムールの南岸に基地を造っている。モンゴルは群雄割拠の歴史である。ハイラルの軍閥は反モンゴルであったが、ソ連には手向かわなかった。この地帯は国境が定かではない。それが原因で日本軍とソ連軍の国境紛争が頻発している。日本軍は、数の上でもソ連軍の戦車部隊に勝てないのだ。三菱重工が中型戦車を造ったと聞いたが積んでる戦車かも知れない。いずれにせよ、日本軍は戦車師団をハイラルへ配備するだろう」

長谷川は科学者の本能で嫌な予感がしていた。このハイラル高原の戦(いくさ)がたった一つの日ソ紛争なのである。筆者は言う。「日ソ戦争」などというものは歴史にはなかったのである。ノモンハン事件を除いて、、

                           *

青い草原のまっただ中で列車が停まった。鉄の馬は7時間走った。騎兵たちが馬を貨車から降ろして草を食わせた。手綱を離しても逃げない。騎兵も弁当を開けて食った。炊事兵が薬缶を持って白湯を配った。その間、機関士たちが石炭を積み込み、水をボイラーに満タンに詰めていた。のどかな昼さがりで、男たちは戦争を一時忘れた。そのとき、爆音が聞こえた。九十七式陸攻が2機並んで翼を上下に振った。騎兵たちが立ち上がって歓声を上げた。

騎兵たちが手綱を持って愛馬を歩かせた。あちこちに小川がある。愛馬に水を飲ました。馬が長い小便を垂れた。軍曹が出発を知らせに走ってきた。鉄の馬が悲鳴に聞こえる汽笛を鳴らすと、煙突からモウモウと黒煙を吐いた。動輪が滑った。九十七式中戦車チハが重いからだ。やがて、ゴトンと動き出した。1937年9月27日の午後4時であった。


(23)

機関車~石炭用無蓋車1台~機銃兵用有蓋車一台~客車三台~戦車用無蓋車3台~馬用無蓋車8台~車掌車が最後尾、、合計で18車の列車が緩やかな坂を登って行った。長谷川の耳に機関車が喘いでいるように聞こえた。そのとき、「戦車が重いからなあ」と言う声が聞こえた。

「後戻りせんやろか?」と兵隊が心配になっていた。

「いや、戻らんよ。砂を動輪に吹きつけてるから」と車掌。

「この辺には蒙古兵はおらん?」

「おるよ。この音じゃ、もう知ってるだろう」

「機銃隊はどうしとる?」

「屋根に乗っとる。心配するな。だが、サンパチに弾を込めておけ」

「曹長、機銃隊をみても良いかな?」と飛鳥が訊いていた。曹長が機銃隊の貨車に案内をした。貨車の真ん中に階段が付いている。飛鳥がサンパチと銃弾の入った箱を持って登って行った。

「飛鳥大尉をタノンマス」と曹長が機銃隊長に言った。

「憲兵大尉さん、ここは戦場です。小銃を撃ったことはありますか?」とタバコをくわえてニヤニヤ笑っていた。飛鳥が兵隊には見えないからだ。飛鳥は返事をしなかった。落語家は屋根を囲んだ鉄の欄干に寄りかかって水筒の水をごくりと飲んだ。

機関士が汽笛を鳴らした。丘陵の中腹に毛皮の帽子が数個見えた。「蒙古兵だよ」と機銃隊長が機関銃の安全装置をガチャリと外した。太原で見たあの九十式機関銃2機が据えてある。

「2000メートルです。まだ安全です」と双眼鏡の兵隊が言った。機関車がぐんと速度を落とした。カーブなのである。カーブを曲がると平たい草原に出た。そのとき、丘陵からポ~ンという音が聞こえた。ポ~ン、ポ~ン、パチパチと客車や馬の無蓋車に当たった。機関士が速度を上げた。

「撃て!」と機銃隊長が言った。タタタと独特の発射音である。当たる距離ではないが、蒙古兵が隠れた。

「あいつら、鉄帽も被っていないよ」と機銃手が笑った。そのとき、草原の西1600メートルに騎馬が現れた。30騎ほどだ。だが、三角形に散開している。

「あれが突厥の扇戦法である。侮るな」と連隊長がガナッタ。

「蒙古騎兵の距離は?」と軍曹が叫んだ。

「あと20分でわれわれに追い着く。汽車を停めて騎兵戦を用意しろ!」と川崎大佐。

「はっ、わが騎兵らは知っております」と曹長が出て行った。騎兵たちは馬を降ろして跨ると散開した。それを見た蒙古騎兵が馬を停止して丘陵へ引き返した。敵も味方も撃ち合わなかった。

「馬を貨車に載せるとまた出てくるよ。野砲を降ろせ」と川崎連隊長が曹長に言った。1931年の冬、この川崎少佐は嫩江で戦った。馬占山軍は敗走した。その後、馬占山はソ連に身を隠した。

「関東軍と馬占山軍は1931年11月上旬、嫩江鉄橋よりも北側に位置する大興駅付近で衝突した。極寒の中、関東軍が馬占山軍に対し、―チチハル(斉斉哈爾)以北へ撤退するよう求めた.だが馬占山はこれを拒絶したので、関東軍は騎兵師団を出した」と地面に降りた飛鳥が長谷川を教育した。

夕闇が迫っている。逆光だ。砲兵の一人が双眼鏡で丘陵の距離とスポットを計算してそれを読んだ。横の砲兵が鉛筆で手帳に書き込んだ。

「距離2600メートル、、発射角度12度、、当たらなかったら1度下げよ」

「15センチ榴弾砲は照準が正確でなくても殺傷力が高い。近くに落ちれば、一発で30人は、あの世へ行く」と飛鳥が長谷川に言った。飛鳥は長谷川の一つ歳上なのだが古年次兵であった。戦場では古兵がモノをいう。宇都宮騎兵連隊も古兵の集まりである。ほとんど命令を必要としないほどに練熟している。

                                  *

騎兵も連隊長も砲兵のすばやい動作を見ていた。コンベイヤーに載せられた榴弾砲、、それを一人の屈強な砲兵が腕に抱える、、装填する、、横の砲兵が砲栓を閉める、、装填完了の合図、、ドカ~ンと一発撃った。砲口から火を噴いて15センチ榴弾は飛び出した。以外に遅い速度なので砲丸投げを想い起こす。だが、3秒で標的に落ちた。丘陵の一角に煙が見えた。弾薬に当たったのだろうか。

「蒙古兵は壊滅したな」と双眼鏡の砲兵が双眼鏡を曹長に渡した。曹長の目が左右に動いた。

「砲兵、100点合格」と言った。

「馬を載せろ」と連隊長がガナッタ。騎兵が馬を貨車に載せた。だが、蒙古の騎兵は現れなかった。

機関士が汽笛を3回鳴らした。軍曹が兵隊を点呼した。「全員着席」と怒鳴った。砲兵が最後に車輪のある野砲を押して貨車に載せた。列車が動いた。「夜明けに着く」と飛鳥が初年兵の長谷川に言った。

                            ~続く~







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*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢


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隼速報の伊勢です。1941年、新京で生まれました。一家七人は終戦一年前に日本へ帰りましたが、兄三人は学徒出陣と予科練へ行きました。みな生還しました。「満州を掴んだ男」が現在集英社の手にあります。出版はわかりません。応援してください。ブログで「憲兵大尉の娘」を連載中です。是非、ご覧ください。

08/30
潘基文は中共のスパイである
潘 基文

「過去を鑑かんがみ、私たちが学んだ教訓に基づいて、どのように明るい未来に向けて進めるかを見つめることが重要」などと出席の理由を説明した。潘事務総長の式典出席については、日本の国連代表部が27日に国連事務局に「中立性を損なう行動」などとする懸念を伝えており、コメントは、日本の対応に関する報道各社の取材に報道官室が答えたものだ。

さあ、みなさん、この潘基文の思想をどう思いますか?伊勢は、この男は中共の工作員だと信じている。これが、国連総長に選ばれたのだ。いかなる韓国人も信じてはならない。


chinese blue water navy asia

南シナ海に展開する中国共産党海軍だ。潘基文が、この中共の挑発行動に抗議したと聞いたことがない。したのかも知れない。だが、それでは蝙蝠ではないのか? 伊勢平次郎 ルイジアナ







おしらせ

連載小説「憲兵大尉の娘」は、日曜日の真夜中に乗せます。伊勢
08/29
中国が天皇陛下に謝れと言い出した
chinese spokeswoman 2

記事でご周知と思う。天皇陛下に謝れと言ったのは韓国のイミョンバクガ最初だ。。日本人は完全に韓国および韓国人を嫌うようになった。今度は中国だと。国営オンライン新聞に指示を出したのはCCPつまり習近平なのである。経済悪化から国民の目を日本に向けようとしている。みなさん、中国と仲良くなれますか?

ところで上海SSEは持ち直した。だが、間もなく「株売り」は再開するとバンク・オブ・アメリカ。さらに、イエレンの利上げがまた煙を上げている。


自民党内の国賊

fukuda etekou

2008年6月6日に、天皇陛下が胡錦濤のホテルへ僥倖された。お膳立てしたのは福田康夫というエテ公である。


お知らせ

連載小説「憲兵大尉の娘」は月曜日まで休刊です。伊勢平次郎 ルイジアナ




08/28
小僧は寝返ったのか?
hashishita kozo yatou

維新の党所属議員に対しては、「与党に対し、しっかりした野党がないのは日本の危機的状況でもあるので、野党再編をしっかりやってもらう」と述べ、野党再編への期待を示した。 2015年08月27日 19時31分 読売新聞

伊勢爺には、この小僧が何を考えているのかさっぱりわからん。いわゆる「下克上」ではないのか?アメリカ人が日本人を信用しない最大が日本人の持つ「裏切る」性質である。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(20)

chichiharu map 1


(20)

長谷川がハルビンからチチハルへの鉄道地図を見ていた。アムール河はさらに北にあった。ハルビンが、最果ての宗谷岬のある稚内と同じ緯度であると気が着いた。九月中旬の気温は平均16度と快適なのだ。それを飛鳥に話した。今日の二人は、憲兵士官の正装である。

「最果ての宗谷岬か。ははは、、だがね、10月に入ると気温はぐんと下がる。外套が必要になる。11月には雪が降る。4月まで春は来ない」


manchuria migration

ふたりは、チチハル行きの汽車の中にいた。客車の壁に「行け満洲へ!」とポスターが貼ってあった。美しい絵である。車内は空いていた。横になって昼寝を決め込む者がいた。飛鳥がくれた鉄道ブックには、――ハルビンから黒河へ行くには、五百四十キロ西のチチハル(斉斉哈爾)で北へ行く汽車に乗り換える。乗り換えせず、そのまま西へ行けば興安嶺の麓の満州里に至る。満州里は地の果てである。チチハルには日本人は四百人ほどが入植しただけである。理由は気候が寒いことであった。「星さえ凍る夜だった」という歌が流行ったと説明があった。

「杉原領事が“ジャポチンスキーに会え”と仰ったが、どこで会うのですか?」

「わからん。向こうから近寄って来る」

「チチハルでは何をするんですか?」

「二・二六事件の叛乱部隊を訪問する」

そのとき、小太りの中年の男が大きなトランクを荷棚に上げて前の席に座った。飛鳥がじっと見ていると男が会釈した。

「ここへ座ってもよろしいでしょうか?」

「当たり前だよ。あなたは満蒙開拓団ですか?」

「いいえ、板前ですわ」と大阪弁なのだ。

「ほう、日本料理屋がある?」

「いいえありません」

「どこで働くのか?」

「歩兵第三連隊です」

「うむ、俺は飛鳥という。こちらは長谷川少尉だ。あなたの料理を食べさせて貰う」と笑った。

「憲兵将校さんですね。何か問題が?」

「チチハル部隊に問題はない。表敬訪問だ」

長谷川は、前年の2月に起きた二・二六叛乱事件をよく知っていた。だが、新聞記事や陸軍省の説明文と大きく違う話しを1500名の叛乱兵から聞いたのである。

「大尉殿、馬占山ですが、黒河へ行けば居場所が判るんではないですか?」

「満州国建国会議まで、馬を殲滅するのか降伏させるのか関東軍は決められなかった。だが、一ヶ月で寝返ったのだ。今は殲滅するしかない。ところで、宇都宮連隊が、100名乗っているな。あれは騎馬連隊だろう」

「第一連隊、第三連隊には、騎馬兵はいないと?」

「歩兵だよ」

「何かあるのですか?」

「いや、ここんところ第五連隊が山西省へ行ってるからだろう。少尉、去年の大晦日、チチハル陸軍監獄で、115名の八路軍のスパイが集団脱獄した。脱獄者のうち20名は途中で射殺され,約90名が再逮捕された。再逮捕者は今年1月4日,チチハル市北大営草原で銃殺された」

「はあ?その調査もあると?」

「ま、そうだが、最前線では憲兵の力には限界がある」

「二・二六の連隊は初年兵が多いと聞きましたが?」

「いや、事件以来この2連隊は極寒の中で強くなっている。不気味な存在なのだ」

汽車が鉄橋を渡った。「カンカン」と鳴る信号機のあるところで速度を落とした。やがてチチハル駅にすべり込んだ。玉村と名乗ったコックがトランクを荷棚から降ろした。そして飛鳥に向かって頭を下げた。二人もトランクを持って降りた。後ろの2台の客車から宇都宮騎兵連隊が降りていた。駅を出ると、下士官が待っていた。三人は、黒塗りのダットサンに乗り込んだ。1935年製ダットサン16型セダンである。日本で最初のベルトコンベアーによる工場で大量生産されたダットサンは一世を風靡していた。

駅を出て草原の道路に出た。丹頂鶴が舞っている。チチハルは高原なのだ。なだらかな山がある。支那大陸は年取った大地なのだ。

「興安嶺は見えるか?」

「いえ、見えません。800キロ西にあります」

「璦琿(アイグン)へ行ったことがあるか?」

「現在、アムール川岸の黒河に基地を建設中なのです。自分は工兵であります。先月行きました」

長谷川はその璦琿(アイグン)に行くと直感した。一体、どういったところなのだろうと興奮していた。

                       ~続く~







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08/27
泣きながら抵抗しよう
https://youtu.be/SBSxENND8E8

なかにし礼は、五歳のときの自分の体験を基に非戦平和主義を宣伝している。「日本の為に逝け」と言いたい。伊勢平次郎 ルイジアナ




08/27
なかにし礼さんの「赤い月」
red moon nakanishi rei

10年前に、なかにし礼さんが書かれた。なかにし礼さんも、牡丹江の生まれで、現在76歳。なかにし礼さんは、引揚者を書いたから、団塊と同じ反戦論者だと思う。それ自然ですけど、上官の命令に背けない兵隊と士官はもっと犠牲が出たわけです。シベリアに連行されて、森林伐採や岩石を割る苦役に使われた。ほとんどが餓死した。逃避行がどんなに悲惨であっても、生きて日本の土を踏んだ民間人は兵隊を悪者にするべきじゃないのです。兵隊にも家族がいたんだからね。戦争責任を論じるほどばかげたことはない。ぼくは、反戦小説は書かない。「戦争と人間」を書いている。目的は非戦平和ではなくて~戦争を回避する心です。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(19)




「あれが松花江だ」と飛鳥がハルビン市を指さしていた。長い鉄橋が架かっている。

「関東軍の統治下ですか?」

「1931年9月18日の柳条湖事変の後、1932年に日本軍がハルピンを武装占拠した」飛鳥大尉の講義はこうであった、、

――日露戦争で戦勝して4年後の1909年、初代総理大臣となった伊藤博文伯爵は日韓併合に奔走した。だが、ロシア統治時代のハルピン駅頭で朝鮮民族主義者の安重根の銃弾に倒れた。この暗殺事件後、日本は韓国の併合実行を急いだ。1910年8月22日に日韓併合条約に調印し朝鮮総督府を置いた、、

「馬賊の馬占山軍を追っ払った関東軍はハルビンに最大の兵姑基地を建設した。ハルビン(哈爾浜)は満州最大の戦略要点なのだ。北満州の中心にあり、鉄道の十字路だからね。日本軍にとって、戦略上、最も重要な位置にある」

「その馬占山は今、何処におるんですか?」

「それが問題なんだよ。太原の国民革命軍は蒋介石が総統なんだが、上海危うしと重慶か南京に逃亡したはずだ。そこで、山西省の支那軍を馬占山が率いているという噂がある」

「その噂はどこで聞かれたのですか?」と長谷川が聞くと、飛鳥が驚くことを言った。

「天津租界だよ。馬は天津に潜伏していたとJTチュウが言ったんだ」

「すると、われわれは馬には会えない?」

「多分会えないね」

「それでは何をするんですか?」

「ハルビンからチチハルへ行く」

                            *

「われわれは松花江の川べりの哈爾浜館に泊まる。関東軍指令部には用がない」

「斉斉哈爾(チチハル)って支那語じゃないですね?」

「金とか五金という遊牧民の女真族の言葉なんだよ」

「ジョルチン?遊牧民?」

「満人って何なのですか?」

「漢族も、蒙古も混ざっている。満州に住んでいた連中さ」

輸送機が旋回すると、着陸態勢に入った。滑走路が幾重にも造られている。九十七式陸攻~一時代前の一式九十七式陸攻~九十七式重爆撃機も並んでいた。200機はあった。

「なるほど、大きな航空隊基地ですね」

「あれでも足りない。守備範囲が広いからね」

ふたりは司令部に挨拶に行った。司令官と飛鳥大尉は旧知の仲だった。

「飛鳥君、今度の任務は何なのかね?」

「密偵です。普段着に、ここで着替えます」

「長谷川少尉のことは聞いた」と言った。飛鳥が会釈をした。太原に行ったのは、9月1日。今日は9月の15日。太原の夜襲から二週間が経っていた。長谷川は髭を剃らなかった。飛鳥が「髭を伸ばせ」と言ったからである。

飛鳥が満人服に着替えていた。女真族の格好なのだ。その丸い眉毛の下がった温和な顔は、満人でも日本人とは見抜けないだろう。長谷川はロシア平民の服を着た。

「少尉、これをトランクに入れろ」と飛鳥がロシア士官の服と帽子そしてトカレフを渡した。

「撃ったことがないんです」

「射撃場で教える。トカレフは、トルスキー・トカレバ、略してTT-30/33とも呼ばれる。本来必須な筈の安全装置すら省略した徹底単純化設計で、生産性向上と撃発能力確保に徹した拳銃であり~過酷な環境でも耐久性が高く~かつシングルアクション、4条右回り、装弾8発で弾丸の貫通力に優れる。南部大型自動拳銃と同じ8ミリ口径だ」と飛鳥が解説した。

ふたりは奉天の中国人が経営する哈爾浜館のロビーに入って行った。フロントは、「ドブラエ・ウートラ(おはよう)」と言った長谷川を疑わなかった。極東のロシア人というわけだ。憲兵司令部が作った身分証明書を見せた。

「明日、日本総領事館の杉原さんに会う。杉原さんは、三等書記官であられた頃、哈爾外語学校のロシア語の優等生だった。ロシアが建設した東清鉄道の補償金を払う交渉をされたがスターリンは拒絶した」

「鉄橋の向こうはソ連領ですか?」

「いや、黒竜江省だ。ソ連領はアムールの向こう岸からだ」

部屋に入ると、飛鳥が室内を見て回った。盗聴器やカメラはなかったようだ。関東軍の憲兵が抜き打ち検査をするからだろう。だが、ふたりはロシア語と満語で話した。大事なことは紙に書いて話した。

長谷川が青森の家族に絵葉書を書いた。無事であることを知らせるためである。

                          ~続く~







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08/26
万死に値する面々
kono murayama

村山富市が抗日戦勝記念日に出掛けた。となりの男も国賊である。


hatoyama crimea 3.12.15

こいつは、世界を土下座して回っている、、万死に値する。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(18)



1937年の満州国国軍飛行隊。前年の1936年に初飛行した九十七式陸攻が後ろに見える。

(18)

天津から大連の周水子陸軍航空基地までは、360キロなのだ。ちょうど、葫蘆島北駅へ汽車で戻る距離である。九七式輸送機キ34輸送機が再び飛び立った。快晴である。飛び立ってすぐ渤海湾が眼下に見えた。波のない静かな海である。輸送機はあまり高度を上げなかった。海上を3000メートルで飛んだ。遼東半島の南端が見えた。203高地と旅順港が右手に見えた。周水子には、40分の飛行だった。

「降ろす貨物はない。乗客が入れ替わる。郵便を積んだら新京へ出発する」とクルーが言った。海軍士官が4人乗り込んだ。憲兵士官を見て敬礼をした。

「満州国空軍基地まで、700キロメートル。天気晴朗。約1時間50分で着く」とアナウンスがあった。今度は高度を上げている。遼東半島は小高い山が連なる。大陸に入ると土埃の荒野なのだ。

(歴史)1937年2月、満州国軍内に飛行隊が発足した。基地は新京の満州航空の飛行場を共同使用する形で設けられ、主な配備機種としては九七式戦闘機、一式戦闘機などがあった。その後、奉天やハルビンにも飛行隊が相次いで設置された。1940年に、航空機操縦士を養成する「陸軍飛行学校」が開校した。太平洋戦争末期には「蘭花特別攻撃隊」という特別攻撃隊が編成され、B-29に向けて体当たり攻撃を行った。

輸送機は満鉄線に沿って北上した。新京駅が眼下に見えた。市街は街路が広くポプラ並木が美しい。南北に流れる川が見えた。
「伊通川って言うんだ」と飛鳥が大声で行った。爆音が大きく海軍士官も大声で話していた。高度を下げた。着陸姿勢にはいり、「ドカン」と着地した。操縦士が、輸送機をユーターすると、駐機場で機関を止めた。飛鳥がクルーに礼を言った。クルーが敬礼した。海軍士官もそれそれ敬礼をしていた。

30分後、飛鳥と長谷川が憲兵司令部に入った。少佐に会って、一部始終を報告した。

「JTチュウはどうしたのか?」

「ハッ、自分が射殺しました」と飛鳥が言うと、少佐が頷いた。

「長谷川少尉、きみは元気か?」

「ハッ、支那兵を殺しました。飛行機に初めて乗りました。全てがビックリでした」と正直に言った。長谷川は敵兵の前では搔かなかった汗を搔いていた。つまり上官のほうが恐いのである。

                           *

「俺と君は相部屋だ」

「大尉殿の鼾は軽いので助かります」と笑った。憲兵宿舎へ向かった。

部屋に入ると、ベッドの上に小包みが置いてあった。青森の貞子からであった。開けると、マフラーと手袋が入っていた。一枚の写真が出てきた。貞子~ミチル~ミチコ~長谷川の父母が八甲田山を背景にして写っていた。妻の手紙を読んだ。

「ミチルは七歳になりました。八甲田小学校二年生です。あなたが満州へ渡ってから、ミチルが津軽三味線を習い始めています。手がまだ発達していないけど、音感がとても良いとお師匠さんです。お父さんも、お母さんも元気です。牧場の子馬がすくすくと育っています。貞子」

飛鳥が長谷川を見ていた。「日本飯が食いたい。兵隊食堂へ行くか?」と訊いた。

二人は、秋刀魚の塩焼き~味噌汁~漬物を黙々と食った。

「私はこれから何をするんですか?」

「俺と君は相棒なのだ。大尉というのは分隊長なんだが、兵隊を取り締まる任務じゃない。だが、北満へ行く」

「北満州というと広いですが?」

「馬占山に会いに行く」

飛鳥の話しはこうであった。馬占山は奉天で開かれた満州国建国会議に呼ばれて議定書に署名をした、、だが、その後に寝返り北満の荒野を徘徊している、、馬占山をソ連が支援しているのだ。

「明後日の朝、ハルビンへ飛ぶ。騎兵連隊に合流する」長谷川は「ロシア語は出来るか?」と旭川大隊で聞かれた日を想い出していた。畿内丸の甲板で遭ったハルビン関東軍騎兵連隊の連隊長は確か村田少尉と名乗った。

                         ~続く~







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日本人で、伊勢一人がブルームバーグ紙で論戦している。中国経済が劣化してから中国人の書き込みがゼロとなっている。いかに習近平が窮地に陥ったかがよく判る。日中貿易を見直すときである。

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*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢


新藤兼人さんにメールを出した

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隼速報の伊勢です。1941年、新京で生まれました。一家七人は終戦一年前に日本へ帰りましたが、兄三人は学徒出陣と予科練へ行きました。みな生還しました。「満州を掴んだ男」が現在集英社の手にあります。出版はわかりません。応援してください。ブログで「憲兵大尉の娘」を連載中です。是非、ご覧ください。


08/25
安倍首相は疲労困憊?
姉がテレビで国会討論を見て、安部晋三首相が疲れきっていると思ったそうだ。非常に気になる。安倍談話~安保法制~経済後退、、だが、安倍さんの健康が一番大事なのだ。副首相の麻生さんに一ヶ月任せたらどうなのかな?伊勢爺は、安保法制は急ぐ必要はないと思っている。南北朝鮮の軍事衝突が回避されたように、米中軍事衝突はない。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(第二部)



(17)

九七式輸送機キ34輸送機が天津第五軍基地に着陸した。ステップを踏んで機外に出た。太原は秋空だったが黄土の大地、天津の空は曇っていた。ダッジが待っていた。

「太原はどうでしたか?」と運転手の下士官が飛鳥に話しかけた。

「広島第五軍は強いな」

「戦況は聞きましたが、夜襲を見ましたか?」

「一緒に行った。少尉も俺も巻き込まれた」

「あの部隊は七月の始めに奉天を出て、万里の長城を敦煌の洞窟寺院のある大同へ歩いて行ったんです。南京へ行くんでしょう」

「あの戦闘能力だと十一月には南京に着くだろうね」

再び、日本租界のホテルに戻った。加藤洋行の山田社長に電報を送っておいたのだ。二人は、太原を出たときから、国民服に着替えて山高帽子を被っていた。長谷川は一般人に戻った気がした。

「少尉、唐人街へ行くか?今日は九月の八日だが、重陽の節句のイブなのさ。町をぶらついて、何か食おう」

「山田さんは?」

「日本へ帰国中だ」

小樽の埠頭を軍楽隊に送られて出てから、いろんなことが短い期間に起きていた。新京で講習を受けたこと~京奉線乗って奉天から葫蘆島(コロ島)で降りたこと~飛鳥大尉が黒髭を剃ったこと~秦皇島で渤海湾に突き出た万里の長城を見たこと~天津で飛鳥大尉がJTチュウを撃ち殺したこと~九月六日の朝、太原へ飛び立ったこと~その真夜中に野戦を観戦したこと~高粱畑で初めて人を撃ったこと、、だが、俺は疲れていない。甘酸っぱい豚が食いたい、、ビールも飲みたい、、

二人の憲兵将校は、支那服と布で出来た支那靴に履き替えて黒い帽子を被った。和平路に出た。どの建物にも菊が飾ってある。長谷川がハンザ・キャノンで風景を撮った。軍刀をさげた憲兵が二人飛んで来た。

「キサマ、何を撮った?」と長谷川を詰問してから飛鳥の顔をじっと見た。落語家のような顔が支那人に見えないからだ。

「自分は関東軍新京憲兵隊司令部付き憲兵大尉である」と襟章を見せた。腕章を巻いた憲兵が不審な顔をした。

「それでは、関東軍憲兵司令部の総司令官はどなたか?」

「藤江恵輔少将である」

二人の憲兵下士官がゲートルの脚を揃えると、挙手敬礼をした。

「あなたはどなたか?」と長谷川を振り返った。

「憲兵少尉である」と長谷川が答えた。名前は言わなかったが憲兵が緊張した。

「無礼を致しました」と帽子を取ってイガグリ頭を下げた。

「ごくろう」と飛鳥が歩き出した。

「夕飯には早い。ビール飲むか?」

二人がテーブルに陣取った。エプロンをかけた亭主が覚えていた。日本人だと見抜いていたが日本人は良い客なのだ。

「你好(ニイハオ)易相处的人(お客さん)。啤酒是(ビールですか?)」と笑った。

「你好嗎?我想啤酒」と飛鳥は流暢である。

「少尉、明朝、大連へ飛ぶ。そこで一泊して翌朝新京へ飛ぶ」

「大連ですか?」

「陸軍は大連の周水子陸軍飛行部隊を拡張した。日本から大連へ船で持ってくる物資を北支那方面軍に運んでいる。山東省上陸も近いのだろう。南下して徐州を攻略する。そのためには、南昌を叩いておかなければならない。南昌に蒋介石の空軍基地があるからだ」

「やはり南京を攻略する?」

「盧溝橋事件から4日で海軍の第十二航空隊が周水子に爆撃機と偵察機を習志野から派遣した。今は陸軍が任務を遂行している」

「おおいくさですね」

「日本軍は南京重慶を陥落させるだろう」

長谷川は「おおいくさ」と言ったとき、胸が騒いだ。アメリカが背後で支援する蒋介石が投降するだろうか?満州の北部や東部はロシアと国境を接しているのだ。日本はとんでもない方向に進んでいないか?ソ満国境から支那大陸そして太平洋、、大きな地図を思い浮かべていた。

唐人街に出ると、黄金、赤、青、緑の模様のあるドラゴンが舞っていた。


                         ~続く~







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08/24
連載小説「憲兵大尉の娘」(16)
japanese 1937 machinegun (1)


「長谷川少尉、これを着ろ」

「はあ?私は二等兵に戻ったんですか?」赤地に一つ星の襟章を見た長谷川はその理由を知っていた。斉藤大佐の苦肉の策だったのである。

「俺は上等兵。長谷川二等兵の上官ってわけさ。実戦は初めてだろ?」と飛鳥大尉が笑った。

「上等兵殿、全て始めであります」と長谷川が二等兵になっていた。そしてゲートルを巻いてから鉄帽を被った。長谷川は、旭川の猛烈な演習に感謝していた。

「ゆうゆうゆう」と独特の音を出す木炭トラックがやってきた。木炭内燃機関は意外に頑健で壊れない。関東軍は石油を節約した。軍用には木炭車を使った。乗り込んだ若い兵隊は口々に何かしゃべっている。遠足へでも行く気分なのだ。午後の三時から六時間ぐっすりと寝た。起きると、夜食にスキ焼が出た。これで元気が出ないわけがない。背嚢の中には夜食用にパンが入っていた。ミルク缶も積んでいた。

長谷川と飛鳥が機関銃隊のトラックに乗り込んだ。長谷川の肩章を見た曹長が驚いた。どう見ても、二等兵の年齢ではないからである。それに望遠鏡を首に掛けた上等兵がサンパチを持っていない。

「キサマら、どこの部隊に所属か?」

「斉藤司令官殿の部隊だ」と飛鳥が言うと、聞いていたのか、「は、わかりました」と言った。

木炭トラック三十台が一直線となって出発した。西瓜を半分に割ったような月が真上にあった。九月に入ったので、朧月夜なのだ。山西省は高原の気候で空気が乾燥している。星が燦然と瞬(またた)いていた。「夜襲でなければ、星空の遠足だ」と長谷川は想った。

「星はどうして瞬くのかね?」飛鳥も奈良の田舎の星空を想い浮かべていた。

「シンチレーションというんです。地球の大気のゆれで起こります。風が吹くと、空気の気圧のバラつきが起こり気圧の違う所を光が通過する時に微妙に屈折して、瞬くように見えるのです」

「フムフム。さすがは物理学者だな」と飛鳥も、さっきの曹長も感心していた。

両側に山のシルエットが見えた。二時間で太孟鎮を通過した。そこから三十分走った。まわりには何もない原野である。

「右に見える岩山が箕子山だ」と曹長が長谷川にサンパチを肩に背負うように指示した。

「その岩山まで歩くのですか?」

「高粱畑を10キロメートル歩く」歩兵たちは夜襲に慣れているのか、どんどん高粱畑の中に入って行った。もう誰も、しゃべっていない。9キロは歩いたところで、先頭の曹長が「停まれ」と言うと、兵隊たちは一斉に停まった。

「敵の動きが見えた。ここから匍匐(ほふく)で300メートル進む。散開しろ」歩兵400名が地面に腹這いになった。長谷川と飛鳥は最後尾である。長谷川の心臓が破裂するかと思うほど動悸した。それが飛鳥に分ったのか、長谷川の肩に手を乗せた。そして、水筒の水を飲むと長谷川に手渡した。

前の歩兵が停まった。「岩山から350メートルだ」と言った。四人の歩兵が袋に土を入れて、瞬く間に土塁を築いた。機関銃を据えるためだ。九十五式野砲は持って来なかった。15センチ榴弾砲は、10キロの遠方から南京城などを撃つもので、歩兵大隊が必要なのだ。歩兵400名の夜襲には向かないどころか大荷物なのだ。

「敵の方が有利だが、先頭の歩兵20名が銃剣で夜襲をかける。これは、斬り込み隊が発見された場合の援護射撃のためだ。九十式機関銃六機を据えてある」

「夜襲が失敗した場合は?」と飛鳥が訊いた。

「失敗することのほうが多い。そのときは、十一式軽機関銃を担いで敵の陣地に接近する。あなた方は残るか?」と機関銃手が上目で長谷川の眼を覗いていた。

「上官が決めます」と長谷川が飛鳥を振り返った。

「いや、ここに残る」と飛鳥上等兵は明快だった。

「戦果に拘わらず夜明けに引き上げる」

「すると、最長でも、四時間の戦闘ですか?」

「戦況次第だ。砦の殲滅が目的だから」

「敵の人数は?」

「分らん。だが、岩山の砦の問題は水だから、百人かな?ただし、裾野には千人は張っているだろう」

その裾野で悲鳴が上がった。――銃声が聞こえなかった。銃剣だろう、、50メートルぐらいの岩の上から機銃が鳴り出した。裾野の日本兵は見えないはずだ、、メチャクチャに撃っている。銃口から炎が見える。

「曹長、撃ちますか?」

「いや、もう少し待て」

そのとき、目の前の岩山の探照灯がわが方の九十式機関銃の土塁を照らした。機関銃銃手は曹長の号令を待たず撃ち出した。相当、腕の良い若者である。探照灯が消えた。敵が移動するのが微かな月光の下に見えた。支那兵は10人はいた。へっぴり腰が滑稽だった。

パチパチと高粱に当たる音がした。敵が撃ち出したのだ。「弾込めろ」と曹長が、ガナッタ。10名の歩兵が、ガチャガチャとボルトを引いて弾を込めた。サンパチは6個の弾を装填出来る。そして機関銃が鳴り出すと、一斉に岩山を狙って撃った。三八式歩兵銃の有効射程は460メートルである。歴戦の歩兵曹長は、出来るだけ近着きたいのだ。下から撃つには、350メートルは必要なのである。それ以上の距離では、ションベン弾になるからだ。

日本軍の南側200メートルの高粱畑が揺れた。国民革命軍こと支那軍だ。厳密にいうと土民兵である。100人はいるだろう。曹長の率いる歩兵銃隊は40名なのだ。だが、歴戦の関東軍第五師団の歩兵である。

「銃剣を着けろ!」若者たちは無言で着剣した。4人一組になって五組が左右に分かれた。支那軍は横から突かれるのが苦手なのだ。向きを変えなければならないし、すると、横一列になっていた布陣が縦一列になり混乱するのだ。ここが、戦闘経験のある関東軍と俄かに集めた農民兵の違いなのである。

「どうする?」と飛鳥が長谷川に訊いた。

「見に行きましょう」二人は歩兵小隊の30メートル後ろからついて行った。長谷川が着剣した。手が震えた。横を見ると、月光の下で南部拳銃を手に持った飛鳥が笑っていた。

「少尉の南部も俺にくれよ」長谷川が南部をベルトから外して、飛鳥に渡した。飛鳥大尉は、人の好い百姓か寄席の落語家に見えた、丸い顔に眉毛が八の字に下がっている。そういえば、恐い顔になったことがない。なれないのだ。

「二挺拳銃ですか?アメリカの無声映画を見たことがあります」と今度は長谷川がフフフと笑った。二人の憲兵将校がパンを齧りながら背中を屈めて歩いた。半月が雲間に隠れた。山のシルエット以外、何も見えなくなった。そのとき、悲鳴が上がった。支那語で何やらわめいている。歩兵小隊が突撃を開始したのだ。

「ここで観戦しよう」と30メートル離れて座った。月が雲間から出た。日本軍の鉄帽が見えた。洗面器のような鉄帽を被っているのが支那兵である。四人の支那兵が銃剣に刺されて声もなく倒れた。動顚した支那兵たちは逃げ出した。三十八式小銃の音があちこちでした。

「深追いは無用だ。引き返そう」と曹長。40名の歩兵はみな無事だった。再び、高粱畑の中を北へ移動した。斉藤大佐の指揮する本隊に合流するためであった。

「あっけないな」と飛鳥。

「はあ、初めて白兵戦を見ました。第五軍は強いですね」と小柄だが精鋭の関東軍に強い印象を受けた。

「日本軍の強さはね、行軍で脚が強いからだよ」と飛鳥。長谷川が八甲田山雪中行軍の英雄、後藤房之助伍長の銅像へ親子四人で行った日を想い出していた。

北からパンパンと数百の発砲音が聞こえた。斉藤大佐の本隊から伝令が来た。「合流せず、北へ2キロ移動せよ」と。二挺拳銃の飛鳥大尉が時計を見ると、五時になっていた。間もなく夜明けだ。

歩兵小隊が走り出した。「ワー」という声が上がった。支那軍800人が襲ってきた。日本軍は400名足らず。十一式軽機関銃6機が鳴り出した。それでも支那兵は迫ってきた。すると、今度は九十式重機関銃が鳴り出した。

「敵は機関銃を持っていないのですか?」長谷川が兵隊に訊いていた。

「持っているが、日本の歩兵は散開している。重火器は撃つとその場所が判る。こちらの軽機関銃の集中砲火を浴びる。軽機関銃は重さが10キロ。肩に担いで移動が簡単なんだ」と兵隊が言った途端、高粱畑の中から洗面器の鉄帽が飛び出してきた。十人はいた。咄嗟に飛鳥大尉が二挺拳銃を放った。敵兵三人が倒れた。歩兵が一斉にサンパチを連発した。長谷川も撃った。顔を撃たれた洗面器がひっくり返った。これが長谷川道夫の初めての敵兵射殺となったのである。

朝陽が顔を出した。どんどん明るくなってくる。支那兵が逃走し始めた。それを軽機関銃が追った。

「戦闘停止!」と斉藤大佐が命令を出した。

「出発した点へ戻れ!」曹長がガナッタ。

出発点に戻ると軍曹が兵を座らせて、点呼しては記録表にチェックマークを入れた。

「わが方の戦死25名~負傷54名です」と大佐に報告した。戦死者を最初にトラックに積んだ。負傷兵は看護兵と軍医が、その場で応急手当をした。80キロ北の日本軍基地へ帰るのだ。トラックに載った兵たちが鉄帽の顎紐を解いて外した。そして、倒れた戦友に頭(こうべ)を垂れた。

長谷川が固い表情をしている。飛鳥は話し掛けなかった。ただ、黙って、南部を返したのである。

関東軍第六師団の基地に入ると、衛生兵が担架を持って走ってきた。兵隊たちがトラックから降りた。サンパチを銃架に立てると、その場で越中フンドシ一枚になった。二等兵たちが、その歩兵たちに石鹸を手渡して、ホースで水をかけた。長谷川も、飛鳥も、、

歩兵300名が兵隊食堂でカツ丼を食った。青島ビールが出た。「何杯食ってもよい」と斉藤大佐も兵隊の中に座った。

「ご苦労であった。明朝の起床ラッパまで自由である。飯も自由である」と大佐が締めくくった。

                           *

翌朝、飛鳥と長谷川が太原第六師団の司令官に礼を言った。

「新京へお帰りか?」

「は、次の任務が待っています」と飛鳥が答えた。

「観戦は役にたったか?」

「敵を殺しました」と長谷川が言うと「初めてか?」と訊かれた。

「熊を撃ったことはありますが、人間を撃ったのは初めてです」というと、司令官はそれ以上の質問をしなかった。二人が敬礼をした。司令官が返礼した。

十一人の乗客を乗せて、九七式輸送機キ34は、軽々と離陸した。

                     ~第一部(完)~







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08/24
パンダと巨大金融緩和
giant panda near baby

「ワシントンの国立動物園で、ジャイアント・パンダのメイシャンが二匹の赤ちゃんを産んだ」というのが今朝の特報(笑い)。


yuan dont want to devalue

中国は全ての金融政策に失敗した。これ以上の人民元切り下げは、資金がどんどん外国(USA)に出て行く。そこで、最後の巨大金融緩和を実施すると発表。なんと、その額は、$680ビリオン(82兆円)だ。現金を渡すのではなく~銀行の義務である「引き当て金」の%を大きく下げ~貸し出しやすくする。それを今月末から来月の始めに実施すると速報。これが、二つの特報です。伊勢平次郎 ルイジアナ







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08/23
厄介な隣人、韓国
pak kunhe chaina

朴大統領は21日、韓国軍第3軍司令部を訪問し、「北朝鮮のいかなる追加挑発にも断固として対応せよ」と指示した。


korean soldier ready

韓国陸軍は戦闘用意をした。兵隊の心境は家族への想いだろう。しかし、戦うなら勝て!伊勢爺は韓国人が嫌いだが、兵隊の置かれた状況に同情する。それは、わが父も軍艦扶桑の水兵だったからである。


韓国経済は下落する一方

窮地に陥ったのは北朝鮮だけではなかった。現代工業~サムスンなどの大手のETFがごっそり売られたのだ。つまり、外資が逃げたのだ。理由は、このパククネだ。「結局、軍事衝突は避けられないのじゃないか?」と見られたからである。一方のキムは理性がある人間じゃない。マーケットはイメージと心理の世界なのだ。韓国は、もうひとつ大きな問題がある。それはオイルタンカーの保険だ。南北朝鮮戦争となれば、石油は日米が支給することになる。それは良いだろう。とにかく、韓国は厄介な隣人である。伊勢平次郎 ルイジアナ







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08/22
キム、あと三十分で攻撃する、、
kim attack 8.22.15

「拡声器の宣伝を止めなければ攻撃する~あと三十分だ」とキム。韓国は宣伝を続けている。脅しに屈しないと、、


north korea map

三十八度線から平譲は、200キロメートルだ。その軍事境界線からソウルは30キロなのだ。




さっきから、米韓合同空軍が三十八度線や日本海(西側)を飛んでいる。8機だそうだ。この米軍のF16の速度は、2200KM・HRなのだ。6分で平譲上空に着く。スマート爆弾を搭載している。


伊勢爺の予感

やるんじゃあないかな。小競合いか全面戦争なのか判らないが、一気に潰すのが人類にはベストである。北京は中立だと言っているね。当たり前だよ。キムと心中したくないからね(笑い)。これで、石油が上がるぞ!伊勢平次郎 ルイジアナ




08/22
朝鮮半島は燃え上がるか?(その1)
s korea

韓国軍は臨戦態勢に入った。




左端の娘は二等兵~真ん中と右は上等兵。米韓軍が攻撃しない理由は、これらの抵抗する術(すべ)のない女性兵士や無辜の大衆を殺傷するからである。つまり、三十八度戦を超えて北朝鮮が攻撃または、ミサイル攻撃をしてこない限り、米韓側からは先制攻撃しないのである。長距離弾道ミサイル基地は別の問題だ。これは先制攻撃が噂されている。


korea speakers

先月七月、韓国兵ふたりが地雷を踏んで死傷した。韓国防衛省は北朝鮮の工作員が仕掛けたと判断した。キム ジョンウンに手紙を出した。キムは受領を拒絶した。そこで、苦肉の策がこれなのだ。巨大拡声器でメッセージを出す、、ウムム、、

キムが「四十八時間以内に拡声器を取り除かなければ攻撃する」と戦争準備を命令した。すると、土日にも朝鮮半島は燃え上がる可能性がある。


韓国の経済状態

韓国ウオンも、KOSPIも下落した。これに関係なく上海株は、3500まで続落している。北京は青二才のキムどころではない。以下がその理由だ、、

「上海株の水準まだ高い」…富士通総研・柯隆氏
2015年08月21日 23時09分

 大和総研の熊谷亮丸みつまる執行役員チーフエコノミストと、富士通総研経済研究所の柯隆かりゅう・主席研究員が21日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、減速懸念が強まる中国経済について議論した。熊谷氏は、下落基調が続く上海株式市場について、「政府が人為的に株価下落を止めようとしても無理がある。中国の景気は非常に苦しく、低迷局面に入っている」と指摘した。柯隆氏は、「上海市場の今の株価水準は、まだ高すぎる。(中国当局の対策で)下げ切っていないのが問題だ」と述べた。(読売新聞)

1)中国と北朝鮮の貿易量は、8000億円~2)中国と韓国の貿易量は、2、8000億円だからだ。朝鮮の内戦に中国が介入するわけがない。同じ理由で、日本も、何もしないのが良いのである。国連軍として行くのも断ればよい。伊勢平次郎 ルイジアナ


おしらせ

連載小説「憲兵大尉の娘」を月曜日まで休刊します。







ということで、海外広報に、ご献金を頂きたい

日本人で、伊勢一人がブルームバーグ紙で論戦している。アメリカ人は100%伊勢の「中国批判」に賛成なのです。とくに、日本に配備された米海軍軍人はね。「日本海軍は兵士も艦船も中国海軍よりもダントツに優れている」と書いてくれた。だが、今日はアメリカを批判した。

Iseheijiro • 9 hours ago
Japan is a sovereign nation and the closest ally to the US. Japan is not a lapdog of US. They agree if the US request is legitimate such as Okinawa bases. Majority of Japanese oppose Abe's reinterpretation of their constitution. They claim there is not enough explanation to change. However, that is not the real reason. Japanese public does not trust US from time to time. For example, George Bush's private war with Iraq 2003, another is Hiroshima/Nagasaki atomic bombing that killed innocent civilians August 1945.


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*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢


宝田明さんにメールを出した

[ メッセージ ]
隼速報の伊勢です。ぼくも1941年、新京で生まれました。一家七人は終戦一年前に日本へ帰りましたが、兄三人は学徒出陣と予科練へ行きました。みな生還しました。「満州を掴んだ男」が現在集英社の手にあります。出版はわかりません。応援してください。ブログで「憲兵大尉の娘」を連載中です。是非、ご覧ください。


08/21
最も愚かな大統領パククネ
pak kunhe chaina

説明は不要だろう(笑い)。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(15)

97 cargo 2

天津駐屯連隊の下士官がダッジのエンジンを切った。北支方面軍の天津航空部隊基地である。輸送機が何機も駐機していた。万里の長城の盆地である大同から南下する関東軍こと広島第五師団に物資と郵便や小包みを届けるのである。長谷川には、雰囲気でたいへん忙しい基地なのだとわかった。

「九七式輸送機キ34は、大日本帝国陸軍の輸送機です。キ番号は試作名称です。陸軍省の命令によって、重爆機だったが中島飛行機 が輸送機に改造したのです」と迎えに出た操縦士が説明した。

天津から480キロ西の太原には1時間50分で着いた。乗客は十一人で、飛行速度は時速450キロだった。天津あたりは黄土の平坦な土地だがこのあたりには、二千メートル級の山がある。そのひとつ太行山脈を越えるために西へ飛ぶには時間がかかるのだと副操縦士が飛行中に拡声器で説明した。憲兵を運ぶのは始めてだったので「何か事件ですか?」と聞いた。「いや戦場見学です」と飛鳥が答えていた。長谷川は飛鳥大尉を信頼していたが、その胎の内が分らなかった。とにかく不思議な人物である。

九十七式輸送機が連なる山脈を越えると太原市が見えた。四方に道が広がっている。山に囲まれた盆地なので緑が多い。河北と違って山岳地帯の住民は反日感情はないのだと。太原の北百キロメートルの荒野に長い建物がならんでいる。

「北支方面軍が駐屯基地を建設しているのです。ここは水に困りませんから」と乗客のひとりが言った。土木技士だと自己紹介した。輸送機が下降し始めていた。

太原市は大きな都市である。河北の北平から山西省の太原は資源が豊かで北支那の貿易の十字路なのであった。現在もそうである。アメリカならインデアンの交易ポストに当たるだろうか。

                              *

幌の掛かったトラックが来た。乗客はその日本軍基地太原のバラックスに向かった。遠くで野砲の音が聞こえた。

「太原作戦は始まったばかりです。第五軍は二個師団で敵は六師団です。第五軍は兵站が不足していて苦戦です。それで河北から輸送が頻繁なんです」と士官が言った。

日本軍は快適な宿舎を建てていた。ジーゼル発電機まである。食料を冷凍するためである。二人の関東軍憲兵将校は兵舎の士官用の個室に案内された。

「夕飯まで時間がある。少し説明をしておこう。この万里の長城の地図を見てくれ」と飛鳥大尉が地図を広げた。長谷川が山海関の海に突き出た長城を想い出した。

「万里の長城はその名の通り万里に渡る。全長九千キロメートルというが、もっとあるはずだ。なぜなら、長城の西端は嘉峪関(かよくかん)は、甘粛省嘉峪関市だから。東端の山海関と共に万里の長城の要衝であった。嘉峪関は蒙古のゴビ沙漠を横切っている。いわゆる土塁だが、現存するのは財政の良かった明朝時代のものだ」

「支那のロマンですね」と長谷川が父の清太郎が持っていた翡翠の天女像を想い出していた。



「張家口を見てくれ。熱河の頭目、湯玉麟が逃亡したので、関東軍騎兵中隊が簡単に押さえて満州国に加えたことは話した。先月八月、第五師団は、万里の長城を行進して河北と山西省の谷間にある大同を陥落させた。その大同には国民革命軍の大規模な基地があった。ここを突破されると南京と重慶は裸になるからだ。同時期に上海では日本人居留民二万人が共同租界や日本租界へ逃れた。日本海軍の陸戦隊が野砲隊と共に上陸したからだ。蒋介石はアメリカから爆撃機を支給されていて上海を空爆した。爆弾は高性能遅延爆弾でその殺傷力は大きい。一気に六千人も死んだ。犠牲者が欧米の神父や外交官まで無差別であったので、欧米は国民革命軍に抗議したらしい。そんなことにはお構いなく日本軍はどんどん攻めて、ついに上海を制圧した。その上海にJT朱はいたわけさ。万里の長城から太原へ進軍することに石原莞爾さんは反対だったが、東条英機大将は板垣さんに賛成した。その理由は、蒋介石の山西軍は内長城線沿いに集結して防御陣地を強化中であったから。第五師団長板垣征四郎中将は、この敵軍を攻撃して長城を突破して南進を容易にしようと決心していた」

「われわれも南京へ向かう?」

「いや、日中戦争を見極めたいだけさ。われわれは満州へ帰る」

「はあ?」と長谷川は気抜けした。だが、嬉しかった。

                              *

翌日の朝五時きっかり「起きろよ、起きろ。皆起きろ~」と起床ラッパが鳴った。旭川の演習でも聞いたが、戦場のラッパは音からして違う。二人は、毛布を四角にたたんだ。兵隊食堂へ行くと若い兵隊が厨房の前に並んでいた。炊き立ての飯が湯気を上げ、味噌汁の匂いが充ちている。長谷川が一口飲んでみると、大根の葉の入った豚汁だった。食後に干した杏(あんず)が出た。その後、兵隊たちは外に出て体操をした。そこで郵便物が配られた。名前を呼ばれた兵隊が歓声を上げた。

「なんだか普通の生活に見えますね」

「こういう時間は大切なんだ」

「大尉殿、われわれはどうしますか?」

「大本営の戦況を聞きに行く」

太原第五軍司令部と看板のある建物に歩いて行った。日の丸が風の中にはためいている。将校が集まっていた。朝七時に大本営発表が始まった。飛鳥と長谷川が作戦室に入ったとき、将校らが驚いた顔をした。憲兵将校だからである。長谷川がひとりの将校に目を見張った。鎌田中尉がいたからである。飛鳥は気が着かぬ顔をしていた。無視したのだ。蒲田の顔に怒りが表われた。長谷川の襟章が紛れもない少尉の襟章だからである。

「敵の戦死一千百名。捕虜三千名~わが方の戦死三百名。負傷七百名である。重症の負傷兵は、野戦病院にて手当ての後、青島から日本へ送還される。現況は苦戦である。支那軍の数が増えている。敵も必至なのだ。この太原を突破されると南京まで直行だからである。第五軍に北支方面軍が加わる。北支方面軍が関東軍の上位である。司令官は寺内寿一大将閣下である。第五軍は日本一の精鋭部隊である。だが、寺内寿一大将の指揮下にある」

「捕虜が増えている。どうするのですか?」大佐の肩章の大隊司令官が訊いていた。

「負傷した者は釈放し、残りは使役に使う、手向かう者には速やかに引導を渡す」と笑った。

「速やかな引導を自分にやらせてください」と鎌田が言った。参謀将校は無視した。

「軍規は守られていますか?」と飛鳥が訊いた。

「古年次兵と新兵の仲が好い。新兵と言っても、すでに大同で長城戦を戦った勇者だ。歩兵は連日の重装備行軍で女どころではない。「休め」と言った途端に猫のように寝てしまう」

「太原市内に入った場合の軍規は誰が監督しますか?」

「小隊長らである。太原の大衆は日本軍に敵意を持っていないから市民を傷つけることはないと確信している。敵はあくまでも蒋の国民革命軍である」

飛鳥と長谷川が外に出た。さっきの大佐がいたので立ち止まって敬礼をした。

「次の作戦はいつですか?われわれも同行できますか?」

「今夜真夜中に出動する。来てもいいが、兵の邪魔にならんように」と斉藤という大佐が飛鳥に言って立ち去った。

「それでは、夕飯まで寝るとしよう」と飛鳥が長谷川を振り返った。

「風景写真を撮ってきます。娘に送ってやりたいのです」と長谷川がカメラを手に持った。

「少尉、絶対に兵隊を撮るな」

                               *

長谷川が握り飯を貰いに兵隊食堂に行くとまた斉藤大佐に会った。大佐はアルマイトの食器に山盛りの親子丼を食っていた。実に幸せという顔をしていた。

「今夜、十二時に兵営を出る。敵に夜襲をかける。支那軍は夜は寝るんだ。わが大隊は反対に昼間は泥棒のように寝る。夜中に起きて仕事に行く」と大佐は豪快に笑った。

「機銃はどうやって持って行くんですか」と長谷川が訊いた。

「自動車部隊だ。太孟鎮までトラックで行く。そこから徒歩で右側の禿山に向かう。敵がその岩山に砦を造っているからだ」長谷川は何か嫌な予感がした。

「われわれにも小銃を貸して頂けませんか?」

「憲兵少尉が?」

「はい、一応は歩兵訓練を受けましたから」――戦場へ行って何もしないわけにはいかないと長谷川は思った。

「飛鳥大尉と二人に一丁で良いのです」と躊躇っている大佐に懇願した。兵舎の個室に戻ると、飛鳥大尉が机に向かって太原の地図を睨んでいた。そして、長谷川にノートを開いて「読め」と言った。

――山西省太原は黄土高原の東部で太原盆地の北端に位置し、北・西・東の三方を山に囲まれている。山西最大の河川である汾河が北から南へ盆地を貫く。太原市街地を南北に流れている。市域の中部と南部は汾河が形成した北高南低である。そこから河谷平原が広がる。汾河の支流には瀟河、屯蘭河、大川河、柳林河、凌井河、楊興河などがある。海抜は最高で2670メートル、最低点は760メートル、平均海抜は800メートル。市域は山と丘陵地が中心で、平地と川は面積のうち5分の1を占めている。盆地内の地形は平坦で土壌も肥沃であり、古くから農業が発達してきた。現在の耕地面積は210万畝で、山林面積は83万畝、草地面積は187万畝。主な農作物はコムギ、イネ、トウモロコシ、コーリャン、豆、イモなど。また野菜、綿花、甜菜、薬草、アブラナなどの商品作物も産する。山麓では泉が湧き水は比較的豊富。市域内には大きな池沼が六つあり、晋陽湖が最大の湖になっている。汾河の両岸には工業用水や農業用水を運ぶ用水路が広がる。標高八百メートルの高原は空気が乾燥している。

「なるほど。日本なら長野県のようなところですね。ここの住民を宣撫すれば大きな兵站になると」

「その通り。板垣さんは頭がいい。さすがは盛岡藩士族の末裔。始め反対されて後に支援するようになった石原莞爾さんは、山形のお寺の住職の倅、、お二人とも東北の人たちだ。満州建国に命を賭けた理由がわかる。豊沃な大地では、160キロ東の石家荘も同じだ。だが、太原との間に二千メートル級の山が連なっている」

――自分が一生を賭けたつもりの科学と違う生き様だなあ、、と長谷川憲兵少尉が長谷川道夫に戻っていた。

                      ~続く~







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*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢


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08/20
天皇陛下と皇后さまは九条護憲派、、
emperror empress

ワシントン・ポストが「天皇陛下と皇后さまは護憲派」と書いた。短く言うと、安倍晋三首相の憲法修正案に、ご不満なのだと。伊勢は残念に思った。安倍首相の苦悩が天皇皇后陛下にも理解されないことを憂いている。日本の経済は確実に後退を続けている。島国日本の安全保障は日に日に危うくなっている。中国やロシアが暴挙に出るとは言わないし、安倍首相でも言えないが、首相には、防衛の脇を下げることは出来ないのである。政治発言が曖昧になっても、国防は明らかなメッセージを出さなければ敵国が増長する。それに、日本は核を持たない国なのである。一億三千万人の国民がアメリカの核に頼っているのである。日本の男性はどんどん女性化している。19歳~29歳までの日本の若者の30%がサラリーマンになりたくないのである。自衛隊員や海上保安庁の隊員を除いて、若者が非戦平和主義に傾いている。天皇陛下と皇后さまにも責任はある。伊勢爺がこの風潮を変えることは不可能である。戦うとは戦争をすることではない。自分を強くするということである。

伊勢爺は満州生まれで一家は生還した。満州一つを書くにも「どのように書くべきか?」と、しばしば筆を止めて黙考する。ハードボイルドを書くつもりはない。先の戦争は悲惨である。だが、「永久の平和」などというものはない。男は、戦う意思を失ってはいけない。戦う意思を失えば、軍事大国の家畜にされるだけなのだから。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(14)




「次の会合は夜だから、ホテルへ戻って休もうや」

「誰に会うのですか」

「上海の商人だ。長谷川少尉にも会っておいて欲しい」

「重要人物なんですね?」飛鳥はそれには答えなかった。

部屋のドアの前に戻ると、飛鳥がしゃがんで何かを拾った。中に入ると、部屋の隅々を見て回った。

「誰か、留守中に入ったね」

「はあ?どうして判るんですか?」

「これだよ」と飛鳥がヘアピンを見せた。

「女が?」

「いや、このヘアピンは俺がドアに挟んでおいたものだ」

カメラや着物はホテルの保管室に預けていたので、盗られたものはなかった。部屋の中に薔薇の匂いがした。飛鳥がカーテンを引いて窓を押し上げた。二人は風呂に入って、久しぶりに昼寝をした。長谷川が風呂から上がると、飛鳥がすでに軽い鼾を搔いていた。

二時間も寝ただろうか、飛鳥の腕時計の目覚ましが鳴った。長谷川がガバっと起き上がった。二人は支那人の普段着を着た。黒いイスラムの坊さんのような帽子を被った。

「大尉殿、とても似合いますよ」と言ったが返事はなかった。

「食堂で日本飯を食おう」と言うと南部をベルトの後ろに差して上着で覆った。長谷川も真似た。階下の食堂へ階段を降りた。鰤の西京焼き~銀シャリ~味噌汁~焼き海苔の簡単な夕飯を食った。その間、飛鳥は何も話さなかった。ただ、黙々と食った。飛鳥には、食後に歯を磨く習慣があった。ポケットから簡易歯ブラシを取り出して洗面所へ行った。

「出かけようか」

「どこで会うのですか?」

「今朝行った唐人街だよ」




二人は「龍門」と金箔で書かれた看板のあるホテルに入った。飛鳥が支那語でドアボーイに何か言った。ボーイが満面笑みになった。

「あなたは、王さんですね?JT朱さんが待っています」と部屋に電話をかけた。そして、「ご案内します」と言った。――ボーイが愛想が好いのは、多額のメキシコ銀貨だろうと長谷川が思った。部屋は最上階のお五階にあった。

JT朱(チュウ)がドアを開けた。痩せた丸い眼鏡をかけた中年の男である。部屋に入るとオーデコロンの匂いがした。飛鳥と朱が、にっこりと笑った。

「飛鳥大尉、お久しぶりです」

「チュウさん、お元気でしたか?」

「はい、おかげさまでこの修羅地獄の中でうまく生きています」

「それは良かった」

「座りましょう」と朱が言ったが飛鳥は居間の真ん中に立っていた。

「チュウさん、君は、ぼくの部屋に入りましたか?」

「エっ?」

「このオーデコロンの匂いだよ」飛鳥が広東語を使った。すると、J.T.チュウが真っ青になった。

「飛鳥さん、私を殺さないで」と絨毯の上にひざ間着いた。

「大切なJTを殺すわけがないだろう。さあ、立ち上がりなさい」

チュウが立ち上がって飛鳥に抱きついた。そして、おいおいと泣き出した。飛鳥がチュウを抱いた。

そのとき、「わが同胞よ(братия)」と飛鳥がロシア語で言ったのである。長谷川は混乱していた。飛鳥が右手に南部を握っているのを見た。銃口をチュウの左耳に押しつけた。チュウが顔を上げようとした瞬間、飛鳥が七ミリメーター小型拳銃を発砲した。

フロアに降りると、ボーイの姿がなかった。発射音が聞こえたに違いない。

                               *


「これで今日の仕事は終わりさ」

「大尉殿、私に、あのJTチュウが誰なのか教えてください」

「うむ、唐人街で酒飲むか?」二人は尾行がないか確かめていた。和平路の角に支那人の経営する飲み屋があった。晩夏なので、ドアは開け放しなのだ。二人はドアの内側の丸いテーブルに着いた。

「我想啤酒(ウオシャンピジュ)と飛鳥がエプロンをかけた男に注文した。生ぬるい青島ビールと落花生が出た。

「支那人は冷たいものを飲まないんだ。漢方医薬が体を壊すと五千年も教えてきたから」

「はあ?教えるというのは恐ろしいことですね」

「そうでもない。支那にはいい水がない。支那大陸には山も森も少ないから」

「大尉殿、チュウは一体誰なんですか?」

「人が射殺されるのを見たのは初めてか?」

「初めてです。腰が抜けました」

「今に慣れる」

「JT朱は俺が育てた情報員だ。朱は香港生まれで香港外語大学の教授だった。語学の天才だった。始めは蒋介石の国民党のメンバーだったが、日本のカネで寝返った。関東軍は支那人の間諜が必要だったのだ。朱は学生時代、日本に留学した。

「つまりスパイですね?

「朱の任務は上海のソ連大使館の情報収集だった。ロシア語が出来たから」

「何故、射殺しなければならなかったのですか?」

「二重スパイなのだ」

飛鳥が新米憲兵少尉の長谷川に解説した。――憲兵は軍隊の中の警察で腕章を左腕に巻いている。その服装はひと目でわかる。上着の上から革ベルトを締めている。右肩から左腰へななめに革ベルト。そこに革のケースに入れた南部七ミリ小型拳銃を着けている。靴は黒いブーツ。兵隊はゲートルだから憲兵は目立つ。しかし憲兵将校には別の任務がある。雇った情報員を監視する任務である、、

「どうして二重スパイだと判るのですか?」

「もうひとりいるからだ。この二人には面識はない。優秀なスパイは二重スパイなのだよ。そうでなければ情報が掴めないからね」

「それなら殺す必要はなかったと思いますが?」

「ある時点から朱は日本軍の極秘情報を入手するようになった。なにしろ香港の元教授だからね。それをソ連に売った。朱は、俺たちが、和平路のホテルに入ったときから監視していた。部屋に入って俺の鞄を探したが見つからなかった。俺は、朱が部屋に忍び込んだとフランス製のオーデコロンで知った。お洒落が命取りになったわけさ」と飛鳥が無感情な表情で言った。飛鳥大尉は、あの杜甫の詩「登山」や「菊花酒」を語った人間ではなかった。

「スパイ監視に無関係な太原に行く理由を聞かせてください」

「それは、太原に着いたら話す」

                             ~続く~







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*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢


宝田明さんにメールを出した

[ メッセージ ]
隼速報の伊勢です。ぼくも1941年、新京で生まれました。一家七人は終戦一年前に日本へ帰りましたが、兄三人は学徒出陣と予科練へ行きました。みな生還しました。「満州を掴んだ男」が現在集英社の手にあります。出版はわかりません。応援してください。ブログで「憲兵大尉の娘」を連載中です。是非、ご覧ください。


08/19
チャイナタウンの心配
chinatown dragon

中国の大衆はお祭りが大好き。カネになるなら時の政権を応援する。だって、カネが神様なんだから。福禄寿が人生哲学なんだから。今、中国の大衆は北京の共産党を疑っている。自慢の経済力が激減したからである。中国はでっかいチャイナタウンなのだ。軍事大国?向かないねえ(笑い)。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(13)

チョビ髭の山田社長が「日本軍は南京に向かっている」と言ったとき、長谷川は自分の行き先が南京だと判った。

「蒋介石を一挙に葬る作戦です」

「板垣さんの広島第五師団が熱河から万里の長城を越えたときから、これは南京攻略作戦だなと想っていた」と飛鳥大尉が天井のシャンデリアを見上げて深呼吸した。

「はあ、天皇陛下がお怒りなされたが、近衛首相は黙認したのです」

「非常に良い作戦だが広島第五師団だけで充分なのかな?」

「いえ、充分ではないです。今はそれほどの抵抗はなく歩兵師団は元気です」

「山西省の南は河南省です。そこから東の徐州を目指すでしょう」

「その南京の蒋介石軍の状態はどうなのですか?」と初めて長谷川が質問した。

「うちの上海支店の社員の報告では、蒋介石軍は米英の支援を受けている。兵器も戦闘機も新しいと言っています」

「士気は?」

「支那人はカネになる方角に寝返るかまたは逃げる性質です。日本軍のような規律はありません」

「通州虐殺事件でそれがよく判るね。憲兵隊などないのだろう」

飛鳥と長谷川が山田社長に感謝した。「安全を祈ります」とチョビ髭社長が飛鳥の手を握った。

                               *

部屋に帰ると、「明日なんだが、天津駐留歩兵連隊の連隊長に会う。もうひとり重要な人物に会う」と飛鳥が言った。そして机に新聞紙を広げた。マッチ箱ぐらいの油指しを置いた。南部拳銃をケースから取り出すと慣れた手つきでバラバラにした。振り返ると「少尉の拳銃も持って来い」と言った。

「何かあるんですか?」

「いや何もないよ、歩兵連隊で射撃の練習をする」

「自分は実際に人を撃ったことがないんです」

「そのうちに、そういうことが起きる」と何故か笑った。

「今夜の山田さんの話しだと、南京で、おおいくさになるね」

「われわれは南京へ行くわけですね?」

「そうだ。だが、真っ直ぐ南京へ行くのではない。広島第五師団について行く」




筆者は油絵が好きだ。フランス人が描いた、この絵がいつの時代のものか判らない。おそらく1930年代の河北だろう。

                                *

「歩こう」と飛鳥が言った。昨夜と同じ憲兵服に着替えていた。駐屯連隊に電話をかけて迎えは不要だと言った。

日本租界の和平路から中華街に入った。朝市で賑わっている。考えてみると、これが初めてのチャイナタウンだと気が着いた。支那人は、二人の日本軍憲兵にも驚かないのである。「您(ニイハオ)」と話しかける者までいた。長谷川も、飛鳥も温和な顔の男だからだろう。「你嗎(ニイハオマ~)」と飛鳥がにこやかに答えた。

「彼らは敵じゃない。時の政権なんかどうでもいいんだ。戦争も関係なしさ」と笑った。

「日本と支那の将来はこの人たちが決めるのでしょう」と長谷川が言うと、飛鳥が「同意」とばかりに頷いた。二人は花屋の前のテーブルに陣取った。菊を売っていた。

「重陽(ちょうよう)の節句が9月9日にあるんだ。9は陰陽五行で「陽」にあたるので、陽2つ重なるとして「重陽」という。この日は古くから山に登って菊花酒を飲む習慣があるんだ。杜甫の詩“登高”のテーマになっている」と飛鳥が言ったので長谷川が飛鳥大尉の教養に感心した。「軍服を着ていなければこの人は何になったんだろう?」と思った。

女給にジャズミン茶と月餅を頼んだ。ジャズミンの良い匂いがした。長谷川は平和なひと時を楽しんでいた。だが、飛鳥は朝市を監視していた。立ち上がると飛鳥が銀貨を女給に渡した。女給がにっこりと笑った。メキシコ銀貨だからだ。飛鳥が面白いことを言った。

「熱河は内蒙古なんだ。資源はないが、芥子(けし)が咲く。秋に阿片が取れる」

「その阿片は誰が買うんですか?」

「関東軍だよ」

「買ってどうするんですか?」

「今、メキシコ銀貨で払ったが、阿片も銭なんだ」

「支那人は政府の紙幣を信じていないと?だからわれわれは歓迎される?」

「その通り」

二人は二時間は歩いただろうか、駐屯基地の門衛と話した。鉄条網も、鉄の扉もなかった。だが屋根の上に機銃が見えた。すぐに通された。

「ごくろうさんです」と連隊長が行った。陸軍中尉の肩章だった。

「これで、猪鹿蝶と揃いましたな」と飛鳥が言った。




明治期の広島鎮台。明治時代の日本人のセンスは非常に高い。全てが自信に溢れ堂々としている。これは精神から来るものである。


天津駐屯歩兵連隊も広島第五師団なのだと連隊長が言った。中尉の声には誇りがあった。第五師団は明治二十一年に創設されているが二万五千の歩兵であった。自動車を使う上陸線用の師団なのだ。日清戦争~日露戦争~満州事変~シベリア出兵~支那事変~太平洋戦争に出兵した。最終ランキングは上位二級である。第五師団は広島城内にあり、周辺も含めて日本軍の施設が集中した。島根~広島~山口出身の兵隊で編成され、第五師団の規模は1930年に最大となっている。広島大本営は中国軍管区司令部となった。これは第五師団が日清日露以来、中国大陸に精通していたからである。また、呉は日本海軍の母港であり、大連港や葫蘆島に第五師団その他を輸送する出発点であった。広島第五師団に関して筆者はこれからも度々述べる。

「太原にはどうすれば行けますか?」と飛鳥が中尉に聞いたとき、長谷川は、板垣中将の北支那方面軍に合流すると判った。

「空爆が続いているが、出撃回数が減ったと聞いた。天津から輸送機が太原北部に物資と郵便を運んでいる。聞いて見ましょう」

「中尉殿、山西省~河南省~江蘇省の軍用地図を頂けますか?それと拳銃の射撃練習は出来ますか?」

「地図は用意します。射撃?当たり前ですよ。地下があります」と笑った。

上等兵が来て地下室に案内された。飛鳥が長谷川に初歩から教えた。安全~拳銃の置き方~グリップの装填~足の位置~両手で握る、、

「南部は頼りないが刀の代わりさ。咄嗟でも、20メートルなら当たる。憲兵は兵隊ではない。必要な状況以外、拳銃を使うことは禁じられている」

二人は連隊長に礼を言った。「輸送機の件は明日までに判る」と中尉が言って地図を渡した。三人が敬礼した。外へ出た。次の人物に会うためである。
         
                      ~続く~







ということで、海外広報に、ご献金を頂きたい

日本人で、伊勢一人がブルームバーグ紙で論戦している。アメリカ人は100%伊勢の「中国批判」に賛成なのです。とくに、日本に配備された米海軍軍人はね。「日本海軍は兵士も艦船も中国海軍よりもダントツに優れている」と書いてくれた。だが、今日はアメリカを批判した。

Iseheijiro • 9 hours ago
Japan is a sovereign nation and the closest ally to the US. Japan is not a lapdog of US. They agree if the US request is legitimate such as Okinawa bases. Majority of Japanese oppose Abe's reinterpretation of their constitution. They claim there is not enough explanation to change. However, that is not the real reason. Japanese public does not trust US from time to time. For example, George Bush's private war with Iraq 2003, another is Hiroshima/Nagasaki atomic bombing that killed innocent civilians August 1945.


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隼速報の伊勢です。ぼくも1941年、新京で生まれました。一家七人は終戦一年前に日本へ帰りましたが、兄三人は学徒出陣と予科練へ行きました。みな生還しました。「満州を掴んだ男」が現在集英社の手にあります。出版はわかりません。応援してください。ブログで「憲兵大尉の娘」を連載中です。是非、ご覧ください。


08/18
連載小説「憲兵大尉の娘」(12)
tientsin nippon sokai 1937

天津駅に着いたとき、あたりが薄暗くなっていた。腕時計を見ると七時だった。葫蘆島北駅から五百キロ来ていた。天津駅は、レンガで出来たどっしりした建物だ。二人が階段を降りたところで、黒いダッジのセダンのドアが開いた。長谷川は、運転手が士官であるとすぐ判った。革のベルトに南部拳銃のケースが見えたからだ。二十分も走ると、天津市旭街に入った。日本疎開である。天津は洒落たな町なのだ。教会のように見える建物があった。だが、百貨店だと仕官が言った。この街が洒落ている理由は、かって清朝最後の皇帝溥儀が住んでいたからである。外国租界は清国がいかに弱国だったかということなのだ。1915年、大隈重信が要求した21か条が最大で、欧米も1900年の義和団の乱(北清事変)以来、天津に租界を作っていたのである。欧米も日本も、1912年、孫文の中華民国が出来てからも出て行かなかった。つまり、外国の権益とはそういうものなのである。そのことを当時の漫画がもの語っている。





ダッジは、和平路の加藤洋行の本社の前で停まった。チョビ髭を生やした社長が出て迎えた。丸い目が笑っており、いかにも商売が上手という顔である。向かいにホテルがあった。加藤洋行が持っているホテルなのだ。

「加藤洋行は貿易会社ですか?」

「ホテルで説明する」

二人は溥儀の妾のひとりが住んでいたという豪華な部屋に案内された。

「長谷川中尉、その服装ちょっとまずいな」と飛鳥が笑っていた。

「この竹篭なんとかなりませんかね?」と冗談を言った。

「加藤洋行は大事じゃないが、少尉は、湯玉麟(とうぎょくりん)を知っているかな?」

「何か怪しい名前ですね。精力絶倫と聞こえます」と笑った。


飛鳥が地図を指さしながら、四年前の戦争を語った。

「熱河省の首領であった馬賊上がりの湯玉麟が前年の満州国建国会議で署名したにも拘わらず抗日に寝返った。日本軍の第8師団が熱河作戦を発動した。湯玉麟は金銀財宝とアヘンなどを天津租界に送って逃げた。日本軍と一戦も交えずに逃亡したんだ。これにより、日本軍は、僅か128名の騎兵により、熱河省の19万キロ平方メートルの領土を満州国に併合した」

「はあ?その湯玉麟は今何処に潜んでいるんですか?」

「先月、天国に召された」と飛鳥が大笑いした。

「尾行していた密偵は消えたんですか?」

「この日本租界を奴らも避けている。領事館を爆破したおかげで関東軍が広島第五師団を北平に送っているんだ。この天津にも駐留している。俺たちを送り込んだんだ理由もそこにある」

加藤洋行の社長と社員が食堂に現れた。会議用の個室の扉を給仕が閉めた。従業員は言わずとも知れた日本人である。戦時中かと疑わしくなるほどの天津料理の宴会だった。

「社長さん、お久しぶりです。わたしの右にいるのは長谷川憲兵少尉です。南京の事情を聞かせててください」と言うと、その大柄な社長は、「上田です」と若い長谷川に頭を下げた。いかに、憲兵少尉の権力が強いかという証拠である。長谷川は始めて階級の重さを知ったのである。そこで、小さく会釈を返した。

                               *

上田社長の話しに長谷川は驚いた。横を見ると飛鳥大尉は静かな表情で傾聴していた。自分には全てが新しい出来事で胎すらも据わっていない。古年次兵との違いを知った。長谷川が手帳を取り出した。九月五日のページを開いていた。畿内丸が小樽の埠頭を離れてから、二週間が経っていた。

「陸軍飛行隊が太原を空爆したのをご存知ですか?」

「盧溝橋から四日後ですね」

「よくお判りで、、ただそれは大連の周水子陸軍飛行部隊六機の戦闘機で華北省の国民革命軍を空爆したのです」

「内閣情報部は関東軍を敬遠しているが、何しろ北支方面軍の大将は、関東軍の参謀で満州国を建国された板垣征四郎さんですからね」と言ってから地図を広げた。


sansei sho china


「盧溝橋の後、一時停戦に合意していた国民革命軍が通州事件を起こした。七月二十九日の通州事件から十日で北平に入城した広島第五師団の第三歩兵連隊は隣の山西省の石家荘に向かっています。二部隊に分れて、ひとつは大同~五台山~太原へ、、もう着いたはずです」

聞いていた長谷川が、その七月の末、旭川から八甲田温泉に帰った日を想い出していた。「こんなことが起きていたのか?」と平和な故郷の家族を想った。

(註)通州は北平(北京}の東の地区で日本人居留民三百八十名が住んでいた。ほとんどが商店や日本食の店を経営していた人々である。そのうち二百二十三人が殺された。東京日日新聞は1937年7月31日付号外で「惨たる通州叛乱の真相・鬼畜も及ばぬ残虐」と事件を報道した。筆者もこの通州事件を文字にする勇気はない。この事件の写真は見るに耐えないものです。ナチスでもこのような猟奇的行為はなかった。因みに南京虐殺記念館の写真の一部は通州猟奇虐殺事件の日本人居留者のものだと指摘されている。


「うむ、山東省から真横に並んでいる太原と石家荘を見ると、一大作戦が見える。国民革命軍を南に追いやる作戦だろう。板垣さんらしいな」

「山西省は、その名のとおり山が連なっています。政治の中心から離れているので、日本軍に敵愾心がないのです」

「はあ?」と長谷川が言うと、みんなどっと笑った。

                             ~続~


故事来歴~脚注~加筆訂正は、脱稿した後になります。この(12)に出てくる歴史は、一冊の本になる膨大な資料なのです。歴史を語ることが主旨ではない。歴史はあくまでも背景なのです。このストーリーは、戦場を駆けめぐった日本陸軍憲兵大尉、長谷川道夫の生涯を通して日中戦争を描くものです。よって、不足な点をお許しください。みなさんのご感想をください。伊勢平次郎 ルイジアナ







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08/17
中国という妖怪


中国は妖怪だ。中国の経済のことだが、全く霧に包まれている。市場の心配は先が見えないことなのだ。環境汚染はとっくに赤信号を超えた。南沙はどうする?北京のCCPはコントロールを失ったのである。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(11)

sankaiseki 10

長谷川が起きた。洗面所へ行くと飛鳥大尉が髭を剃っていた。長谷川が驚いた。飛鳥大尉が剃刀で黒髭を剃り落としていたからだ。

「どうされたんですか?」

「俺たちは、尾行されている」

「尾行されている?気が着きませんでした」

「新京駅を出たときからだ」―ああ、それで葫蘆島駅で降りたんだ、、と長谷川が感心した。

「憲兵でも,捜査官はお茶汲み三年という。少尉は、ホヤホヤの出来立てだ。俺を見習え」

「はい、お願いします。ところで誰が尾行しているんですか?」

「国民党の密偵だろう」

「蒋介石軍の密偵?何人ですか?兵隊なんですか?」と長谷川は心配になっていた。

「四人か六人だろう。われわれを殺害する機会を伺っているんだ。中華民国国軍という。以前は、「国民革命軍」と言っていたが、みんなそう言うんだ。張学良もな。盧溝橋で日本軍に発砲した奴らだよ。先月、京奉線の車内で、日本人乗客が二十人殺害された。犯人は山東省の反日ゲリラだとされているが支那人は常に寝返っているから実相は判らない。だが、やつらにとって関東軍の憲兵を尾行するのは危険だ。日本に対して武力行使すると声明を出した蒋介石の中華民国国軍だ」と、ややこしいことを言った。

「張学良ではないんですか?」

「張学良は張作霖の倅だ。コミンテルンが武器とカネを出している。共産色が強い。アメリカの支援を受けている南京の蒋介石とソ連の支援を受けている北満の張学良ってわけさ。当然、仲が悪いが抗日戦で手を組むだろう。この支那は高学歴の君でも難しいぞ」

二人は部屋に帰ると私服に着替えた。飛鳥大尉は麻の背広~ネクタイ~カンカン帽子~キャンバス・シューズ。対する長谷川は、広東の行商の格好~地下足袋~首に手拭い~二段重ねの竹篭を持って~麦藁帽子を被っていた。全て葫蘆島の憲兵隊が用意したのである。南部拳銃や弁当は鞄や竹篭の中に入れていた。道頓堀旅館の地下室を通って裏通りに出た。道を行く支那人に混じった。

一時間後、二人のにわか支那人たちは、奉天から来た上がり急行列車に乗った。

「少尉、君はここから聾唖者だ。話しかけられても分らんと手を横に触れ。俺は支那語を喋る。関東軍語学学校で広東語と習慣の教育を二年間受けたんだ。少尉はロシア語が分る。それは必ず役に立つ」

「感嘆な会話とクリル文字が読めるだけですが」

「それで充分だ」

                       *

二人の憲兵将校はいかにも旧知の朋輩という風に並んで座った。向かいの座席に支那人の夫婦と子供一人が座っていた。葫蘆島北駅を出てから百四十キロ西の秦皇島に着いた。これが山海関なのである。車掌が薬缶を持って茶を配った。長谷川が竹篭から折り箱に入った弁当を取り出した。飛鳥大尉が握り飯を頬ばると、向かいの支那人夫婦がビックリした顔をした。その一家も、お重に入った弁当を開けていた。焼き卵のにおいがした。飛鳥大尉が男の子に話しかけて羊羹を上げた。母親が「多謝(トンシー)」と言ったので、台湾人だと判った。長谷川が安心した。

長谷川に飛鳥大尉が紙切れを渡した。

新京~奉天  二百三十キロ
奉天~天津  六百八十キロ
天津~北平(北京) 百二十キロ
と書いてあった。

「天津に今夜は泊まりますか?」

「数日、天津で色々な人物に会う」

秦皇島をゴトンと汽車は出た。「このあたりから万里の長城が始まる。三蔵法師の敦煌まで続くんだ」と飛鳥がロマンテイックになっていた。冊子を長谷川の膝に置いた。この飛鳥大尉の支那への慕情は日本人はみんな持っている。だが現実となると愛憎が会い混じって支配するのである。

「支那にゃあ四億の民が待つ」と言うが、、と長谷川が自分の運命を探ろうとするように顎に手を当てて考えていた。車窓から渤海湾に突き出た万里の長城のスタートラインが見えた。紀元前220年に造ったものである。いかに秦の始皇帝が強力な「力」を持っていたかの証拠なのである。「支那には、こういった大きなビジョンがある」と長谷川が思った。「写真を撮るな」と紳士風の飛鳥が紙に書いた。台湾人一家はグウグウと寝てしまった。

「これが満州国の最南端なんだ」

「この先は蒋介石の支配する版図だと?」

「その通りだ。だが支配しきっていない」

「天津に日本領事館があるのですか?」

「あるが、先月、爆破された」

「するとわれわれは敵地に入った?」

「そうだ」と飛鳥が笑った。

                               ~続く~






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08/16
徴兵制を再考するべきだ
conscription Japan 1941

1941年の徴兵検査だ。ハヤブサというHNのおめえよりも体格が良いわな(笑い)。精神も、おめえよりダントツ上だ。安倍晋三が「徴兵など考えていない」と言った。ハヤブサが喜んでいるわな。精神が腐っているからだよ。日本はまず、核武装するべきだ。これも安倍くんは拒絶している。徴兵をConstrictionと言う。いろんな形の徴兵制があることは書いた。民主主義国家の主権は国民なのだ。軍国主義国家になるわけがないよ。期限が付く徴兵制には長点が多い。まず、規則を学ぶ~子供のいじめはなくなる~親子や夫婦の尊属殺人が減る~社会に法と秩序が戻る、、そうでしょ?伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(10)

450px-Zhang_zuolin (1)

左端の詰襟の兵はどう見ても憲兵である。右の三人の兵隊を監視している。


長谷川と飛鳥大尉が乗った汽車が汽笛一声、奉天駅を出た。新京から奉天は、二百三十キロである。この奉天(瀋陽)で京奉線に乗り換える。奉天を発車して間もなく南満州鉄道と京奉線が交差する皇姑屯を通過した。時速十キロぐらいである。満鉄の高架線の下を通った。教官は三日間の講習で「張作爆殺事件」を解説した。

<満蒙馬賊出身の張作霖は、日露戦争で協力したため田中義一内閣の庇護を受けた。日本の関東軍による支援を受けて、満州軍閥であった段芝貴を失脚させて満洲での実効支配を確立した。その後、満州平野に跋扈する軍閥指導者になっていた。張作霖は日本の満洲保全の意向に反して、中国本土への進出の野望を逞しくしていた。中華民国に段祺瑞内閣が再現した際には、長江奥地まで南征軍を進めた。1920年、安直戦争の際には直隷派を支援して勝利するが間もなく直隷派と対立。第一次奉直戦争を起こしたが敗北すると、張作霖は東三省の独立を宣言し、日本との関係改善を声明した。鉄道建設~産業奨励~朝鮮人の安住~土地商祖などの諸問題解決にも努力する姿勢を示した。だが、次の戦争に備えるための方便にすぎなかった、、>

長谷川が写真機を革のケースから取り出していた。先年の1936年にキャノンとニコンが開発したハンザキャノンである。講習の最後が写真の撮影だったのだ。ハンザキャノンは日本で最初の35mmフォーカルプレーンシャッター式距離計連動カメラであった。いかに、このカメラが優れていたか、その証明は、ロバート・キャパが従軍カメラマンとして仏印戦争で地雷を踏んで死ぬまでニコンの名声は続いたのである。日本人が実に写真機や写真技術に優れている証拠なのだ。現在でも変わらない。

hanza canon 1


話しが脱線した。向かいの座席の飛鳥大尉が長谷川を見ていた。長谷川の手は実に器用なのだ。「科学者だから」と飛鳥は思った。

「長谷川、君の階級は関東軍憲兵少尉である。副官ではない。気に入ったか?」と黒髭が言った。

「どうして二等兵が尉官に?」

「うむ、関東軍にも人情はある。君は殺される可能性が高いからだ」

「はあ?」と長谷川が言うと、上官と部下が笑った。長谷川は、この飛鳥大尉が好きになっていた。


長谷川は、ハンザキャノンで満鉄の高架線を真下から撮った。「その写真を女房にも見せるな」と黒髭が言った。長谷川はその意味するところがわかった。




まず、この地図は現代のものだ。簡体字が使われている。京奉線は中華人民共和国の中国国鉄の鉄道路線であった。北京市と黒竜江省ハルビン市を連絡する全長1249キロメートルの路線である。北京〜秦皇島は京秦線であり、瀋陽北〜ハルビンは哈大線との重複区間となっていた。現在、中国国鉄の主要幹線である「八縦八横」の一つである。

奉天を出てから一時間三十分たった。海が左に見えた。遼東湾だ。旅順のある遼東半島が見えるかと望遠鏡を目に当てたが積乱雲と陸地の差が判らなかった。講習の教科書を開いた。

「二十分で葫蘆島北駅に着く。急ぐ旅ではない。降りるか?」と黒髭が言った。新京を出てから六時間経っていた。昼下がりである。

「はあ?北平へ行けと命令じゃないのですか?」

「命令は俺が出した。これからも、俺からしか命令はない」

汽車がプラットホームに滑り込んだ。ステップを降りたところで駅長が敬礼をした。南から潮風が吹いていて気持ちがよかった。二人を迎えた旅館の亭主が緊張した。軍服の将校が泊まることはよくあったが、拳銃の革のホルダーを見て、ふたりが憲兵だと直ぐ判ったからだ。

「大将、何か事件でっか?」道頓堀という旅館の亭主は大阪弁である。

「いや、物見遊山だ。一晩だけだ」と大将と呼ばれた飛鳥が照れていた。

「山海の珍味を食わせてくれ」

そういえば、<葫蘆島はモンスーン地帯で浅瀬の浜には貝類や海老、蟹が豊富、果樹園が多くあり果物も豊富、、>と書いてあった。

二人が二階の部屋に通された。長谷川が障子を開けると遼東湾が目の前に広がっていた。意外に岩が多い。その岩の先は砂浜なのだ。

「どういう貝が採れるのかね?」

「アサリが一番多く、つぎに赤貝ですわ。大阪でいう牛目貝。違うのは黒い毛がモウモウと生えておりやす」

「夏の貝か、腹に当たらんかな?」

「いいえ、焼くか、酒で蒸すか、吸い物にします」と安心するようにと亭主が言った。

「俺は、浜へ泳ぎに行く。少尉はどうする」と髭面が笑っていた。

「自分もご一緒したいのです。これが最後の海水浴かも知れませんね」と長谷川が笑った。

二人の憲兵将校は子供に帰っていた。海は、行けども、行けども浅瀬で泳げなかったが違う遊びを見つけた。長谷川が足を使って砂地を掘った。その足の指に硬いものが当たったのである。ハマグリに似た大粒のアサリだった。旅館の十代の女中が洗面器を持って走ってきた。見る見る三十個は採れた。牛目はいなかった。すると、「牛目は河口の泥の中にいるんですよ。ま、汚い貝ですけど、実が大きいから、コチジャンを入れて、四川料理風の辛いスープで食べます」と女中が笑った。その白い歯が美しかった。長谷川は、親子四人で睦湾の浜辺に海水浴行ったことを想い出していた。ミチルを背中に載せて小島まで泳いだ、、「亀さんの背中」とミチルが言った。*澄絵をミチルに変えました。

                              *

部屋に帰ると風呂に入った。夕日が西に沈むのが見えた。

「夕日が沈んだあたりが北平だよ」と頭に手拭いを載せた黒髭が言った。この憲兵大尉には百姓の持つ素朴さがあった。

「飛鳥大尉殿、大尉殿のお生まれは何処ですか?」

「奈良なんだ。苗字は立派なんだが奈良盆地の百姓の倅だ」と笑った。長谷川は北大生の時代、夏休みに伊勢神宮から近鉄線で大阪に行ったときの事を想っていた。車窓から奈良盆地の水田が見えた。青々と稲が茂っていた。

「奈良の酒は美味いのでしょう?」

「奈良盆地は生駒山と鈴鹿の間で水がいいからね。少尉は酒は飲むのか?」

「いいえ、甘党なんです」と長谷川が頭を搔いた。

「それがいい。だが俺は飲兵衛だ」と黒髭大尉が呵呵大笑した。

海鮮料理が並べられた。飲兵衛だと言った飛鳥大尉は銚子二本で、お猪口を伏せた。夕食がおわるとさっき浜辺に洗面器を持って来た女中が片付けた。

「布団を敷いてくれ。朝八時に発つ。弁当を二つ作ってくれ」と黒髭大尉が女中に頼んだ。横を見ると、長谷川が、ハンザキャノンを弄(いじ)っていた。

二人の憲兵将校は布団に入った。満ち潮なのか波が岩に砕ける音がした、、二人の男が、眠りに落ちた。

                            ~続く~










08/15
連載小説「憲兵大尉の娘」(9)
Hokkaido, China, etc 021 (Small)

2005年、「反日デモ」が吹き荒れる中、北京へ行った。これが盧溝橋である。マルコポーロ橋という。写真はわがカミサンが撮った。伊勢は64歳だった。若く見えるわな(笑い)。「憲兵大尉の娘」を書きなぐっていて、主人公を北満ではなく、万里の長城の南に送ることにした。俄然、面白くなった(笑い)。つまり、日中戦争を小説で解説できるからである。

安倍晋三さんが「おわび」とやらをしたが、この半永久的な謝罪の元はこの日中戦争なのである。伊勢は「謝る」ことや「侵略を認める」ことに大反対である。これほど腰の抜けた総理大臣を日本の歴史上見たことがない。呆れてモノも言えない。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(9)

kantougun kenpeitai HQ

新京特別市にあった関東軍憲兵司令部だ。左に関東軍総司令部がある。伊勢の父親はこの総司令部によく出かけた。


長谷川は朝早く目が覚めた。目覚めのいい男なのだ。雨はすっかり止んでいたが、湿気が凄かった。長谷川には新兵の休暇は与えられなかった。士官宿舎から関東軍憲兵司令部が見えた。左に関東軍総司令部の三つの天守閣が見えた。長谷川は「下士官が仕官宿舎に泊められた。憲兵になる自分の任務とは何だろうか?」と窓の外のポプラの樹を見ていた。不安はなかった。「自分は生きて青森に帰る」と決めていた。部屋にメシ~秋刀魚~味噌汁~梅干を給仕兵が持ってきた。食事の後、長谷川は憲兵司令部へ歩いて行った。司令部の建物の前に誰もいないのに驚いた。よほど自信があるのだろうか?だが、右横の建物から銃剣を持った兵隊が二人が走ってきた。

「誰か?」と誰何された。身分証明を見せると一人が「着いて来い」と玄関へ向かった。中に入ると、ひんやりとしていた。事務官が立ち上がった。二回の階段を上がって司令官室に入った。

「浜中だ」と口髭を生やした中年の司令官が言った。黄金色の地に三本の線と三つ星。大佐の肩章。飾緒と左官の紋章。挙手敬礼をした長谷川道夫が緊張した、、浜中大佐の横の机に書記官が座っていた。会話を記録するためだった。

「君は、盧溝橋事件を知っているか?」

「いいえ、存じません。旭川歩兵大隊で歩兵訓練を受けておりましたので存じません」

「盧溝橋事件は、先月七月七日に北平の西南方向の盧溝橋で起きた日本軍と中国国民革命軍第二十九軍との衝突事件である」と浜中大佐が壁の地図を棒で示した。ちなみに北平というのは中華民国の首都である。1949年、毛沢東の共産革命以後、北京と改名された。


manshu map railroad

このマップは長谷川の頭に既に入っていた。奉天~葫蘆島(コロ島)~天津~北京への京奉線も知っていた。張作霖が爆殺された交差点が奉天駅の南だと知っていた。田中義一総理大臣が天皇陛下に叱られ、失意のうちに病死したと聞いた。リットン調査団が現地を調査した。関東軍憲兵隊がやったことは明白な事実であった。爆殺した理由は、張作霖が中華民国の皇帝になる野心を持ったからである。つまり、「いずれ日本の敵になる」ということであった。「コミンテルンの仕業」という説もあるが、長谷川は合理的でないと思った。

地図を見ながら長谷川が考えごとをしていると、「君に北平に行って貰う」と大佐が長谷川を驚かしたのである。

「三日間の講習を受ける。この任務は日本の運命に拘わるものだ」と言ってから書記官を手招いた。書記官が一枚の命令書と小冊子を長谷川に渡した。長谷川道夫がゲートルを巻いた足を揃えて浜中大佐に敬礼をした。そして踵を返すと部屋を出て行った。

                             *

関東軍総司令官の植田 謙吉は、陸士10期~陸大21期~大日本陸軍大将正三位勲一等功三級という恐ろしい履歴を持つキャリア軍人であった。その下に参謀総長がいる。またその下に参謀副総長がいた。参謀は佐官クラスである。長谷川は自分の階級が気になった。現在は、訓練も不十分な二等兵なのだから、、すると、長谷川の心配が読めるのか副参謀総長が口を開いた。

「君の階級は今検討しているところだ」

「はあ?自分は、騎兵憲兵連隊に加わると思っていました。ハルビンなど満州北部へは行かないのでありますか?」

「その通りである。君は、山海関以南の中華民国に行く」と講習を開始した。教室には十人の受講生がいた。青森歩兵連隊で会った飛鳥憲兵大尉の真っ黒な髭面が見えた。長谷川が会釈したすると飛鳥大尉が微笑した。

                          ~続く~







速報「チャイナの通貨切り下げは失敗する」

IMF Says China's Yuan Isn't Undervalued, Despite Decline
China's currency isn't undervalued despite this week's decline against the U.S. dollar, but the world's second-largest economy still needs to adopt a fully market-based exchange-rate system within three years, the International Monetary Fund said Friday.

The multilateral bank also called on Beijing to reverse in a "timely manner" recent interventionist steps taken after China's stock market fell sharply, while working to maintain liquidity and improve crisis management and oversight of equity markets.
08/15
安倍晋三くんよ、、
abe owabi man

自らを罪人とね?国に命を捧げた青年たちのお墓につばを吐いたわけだ。「自虐史観」の典型なのだよ。首相からして女性化しておる。大東亜戦争は何度も書いたが「日本が始めた戦争」じゃないよ。日清戦争では清国が仕掛けてきた。日露戦争では帝国ロシアが海と陸から攻めてきた。満州国は帝国ではなかった。国際連合から調査を依頼されたリットン伯爵が認めた。安倍くん、わからんのか?

米国務省のスポークスマンは「安倍演説を歓迎する」とよ。歓迎せざるを得ないのである。それでは、アメリカ自身は、いつ「おわび」するのかい?ベトナム人は、米軍に、二百万人も殺されたんだ。安倍くん、ホーチミンの支援者は誰だったと思うのかい?ロシアとチャイナだろう?

こどものいじめも~こどもの自殺も~こどもの殺人も止められない首相に、一億三千万人の日本人を守れるはずがない。先祖に想いをやるお盆だから、このぐらいでやめとく。伊勢平次郎 ルイジアナ


お知らせ

お盆なので連載小説「憲兵大尉の娘」を休みますね。伊勢平次郎 ルイジアナ




08/14
自らを有罪に至らしめる証言
abe owabi shinnryaku

self incrimination(自己負罪)という。 自らを有罪に至らしめる証言のことである。実に愚劣な総理大臣である。


ABE YASUKUNI

それなら、靖国参拝は何だったのか?保守層を取り込むために、国民を欺いたのか?


伊勢爺の怒髪天を突く

昭和恐慌というが世界経済恐慌が原因で、昭和10年は、秋田~岩手~青森などの東北は飢餓地獄に襲われた。農家は粥一杯も子供に食わすものがなかった。娘を売った。昭和十一年には、二・二六事件が起きた。上官の命令に従っただけなのに、反乱軍と烙印を押された市ヶ谷第三歩兵連隊はソ満国境に送られた。1932年(昭和7年)3月の満州国建国から4年が経っていた。実際は、その4年前の1928年から日本の施政下にあった。国際連合は「その地勢学上の不安定な状態であることから日本軍の安全保障が最も現実的だ」と満州国を認めたのである。つまり「侵略」ではないよ。戦後生まれの安倍晋三は、勉強も修行も不足である。伊勢の首相ではない。


お知らせ

お盆なので連載小説「憲兵大尉の娘」を休みますね。伊勢平次郎 ルイジアナ




08/13
習近平は自信を失った
Xi lost confidence

習近平は自信を失くした。連日の人民元の切り下げだ。これは日銀の円安誘導とは違う。日銀は日本円を増刷して国債を買った。実際に輪転機を回したわけじゃないが(笑い)。つまり希釈なのです。一方の中国の人民元は、ドルペッグという北京政府が基準価値を決めてやってきた。経済がこれだけ大きくなって~企業が多様に亘り~シャドウ・バンキングなどの腐敗もあり~外国の通貨と調整が不可能となったわけだ。つまり、フロートする他ないのである。習近平にはその勇気がない。フロートにすると共産党体制が崩壊すると恐れている。それほどの矛盾の中に生きている。安倍さんは弱い指導者で、前例追尾なんだが、アメリカの保護の下にいる。保護する理由はやはり、日本列島が巨大なる浮沈空母だからである。べつにアメリカの属国ではない。なぜなら、アメリカには日本を属国にするつもりが無いからである。


sp  8.12

さて、アメリカ政府の三人さんが安堵のひと息をついている。1)イエレン女史~2)ルウ財務長官~3)カーター国防長官である。イエレンは、「ちょっと待てよ。来月に利上げをするべきか?」とね。人民元切り下げは、米連銀の利上げと同じ効果があるからだ。今朝のNYは、朝一番にドカーンと下げた後、どんどん上げた。結局戻ってしまった。これは「利上げは無いのじゃあないか?」という期待感からだ。ルウ財務長官は黙っている(笑い)。カーター国防長官も一息ついている。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」につき、、

小説のあらすじは、1941年、「負けるが戦う他なかった」という大東亜戦争に至る時代を生きた人々や「父と娘の愛」を書いている。「満州建国は侵略などではない」と主張したいからだ。伊勢は「大東亜戦争は偉大なる戦争だった」と位置付けている。現代の非戦平和主義者などに出来ることじゃない。「キサマら、誰のおかげで美味いメシ食ってんだ?」と言いたいのだ。プライドが低い安倍晋三さんにも同じことを言って置く。民主主義とは「主権在民」ということだ。敗戦まではそうではなかったでしょ?非戦平和の劣等なる連中でも、年金貰って長生きしている。伊勢爺、今日は少々疲労あり。疲れが取れたら、連載を続けます。伊勢






ということで、海外広報に、ご献金を頂きたい

日本人で、伊勢一人がブルームバーグ紙で論戦している。アメリカ人は100%伊勢の「中国批判」に賛成なのです。とくに、日本に配備された米海軍軍人はね。「日本海軍は兵士も艦船も中国海軍よりもダントツに優れている」と書いてくれた。だが、今日はアメリカを批判した。

Iseheijiro • 9 hours ago
Japan is a sovereign nation and the closest ally to the US. Japan is not a lapdog of US. They agree if the US request is legitimate such as Okinawa bases. Majority of Japanese oppose Abe's reinterpretation of their constitution. They claim there is not enough explanation to change. However, that is not the real reason. Japanese public does not trust US from time to time. For example, George Bush's private war with Iraq 2003, another is Hiroshima/Nagasaki atomic bombing that killed innocent civilians August 1945.


A) 振込口座

1)金融機関   みずほ銀行・上大岡支店・支店番号 364
2)口座番号   (普通)    2917217
3)口座名    隼機関   ハヤブサキカン

B) 郵便局口座

1)口座番号  10940-26934811
2)口座名    隼機関   ハヤブサキカン


*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢
08/12
チャイナの落日
yuan devaluation second time 8.12.15

さて、先週、「チャイナの経済は急速に冷えていく」とチャートで解説したが、もうその通りとなった(笑い)。火曜日に、1.9%~昨日1.6%と人民元を切り下げた。伊勢爺は10%は下げると思っている。「嘘」を売って来た「ツケ」なのである。シャドウ・バンキングというのは、簿記に残らない「闇カネ」なのだ。不動産がはじけた~今度は、人民元がはじけるわけだ(笑い)。日経やブルームバーグは経済つまり、カネが神様なのだ。伊勢爺は、アジア太平洋の安全保障のほうが、もっともっと重要だという考えである。いくら、安倍晋三総理大臣さまが「侵略だった」と謝っても、日中貿易は冷えていく。ところでさ、謝ると何か得るのかい?日本人は自らを罪人と認める?戦争に侵略も防衛もヘッタクレもない。大東亜戦争は、ほんとうに日本人が始めた戦争かい?原因は世界恐慌で起きた飢餓地獄だろうよ。安倍さんは無知だな。伊勢平次郎 ルイジアナ






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Iseheijiro • 9 hours ago
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08/12
稲田朋美政調会長が正しいのだよ
2015-08-11 18.38.41

自民党の稲田政調会長は、14日に発表される戦後70年談話について、侵略やおわびといった言葉は不要との見解を示した。稲田氏は「侵略という言葉が入っているかどうかということに、私はこだわる必要はないと思います。未来永劫(えいごう)、謝罪を続けるというのは、違うと思います」と述べた。

防衛も侵略もどっちも戦争なんだ。日本帝国の罪というのは負けたことだけだよ。「ニッポンはなぜ戦争したのか?」だと?このようなテレビ報道をしているなら、また負けるだろう。伊勢爺は、こういう女性と一緒に生きていく。靖国に参る人々と生きていく。それにしても、左のハゲは醜いわな(笑い)。伊勢平次郎 ルイジアナ


manchuria 10


連載小説「憲兵大尉の娘」(8)

豆満江の鉄橋を渡ると図們である。地図を見ると、羅津港から160キロの距離だ。山稜が重なっており畑が広がっている。トーモロコシ畑に農民が見えた。朝鮮族だと軍曹が言った。

「図們で石炭と水を補給するために二時間停車する。兵は散歩に行って良し」と鎌田中尉が軍曹たちに言っているのが聞こえた。散歩に行けといわれても何もない。石の上に座ってタバコをふかすだけであった。炊事兵が握り飯を配った。兵たちから離れて、八十人ほどの一般人がやはり丸太や石に腰かけていた。

「あの連中は何だ?」

「満蒙開拓団ですよ。ここから北へ行くんです。牡丹江の北の密山(みっしゃん)が最大の開墾地なんです」と炊事兵が言った。長谷川がそれを聞いて青森の渡満した一家を想い出していた。教え子が来て「親が満蒙開拓団に応募した」と言った。優秀な学生だったので勿体ないと思った。ちなみに、昭和十一年の高等学校というのは、帝国大学への予備教育を行う大学予備科なのである。現在の高校は当時では、一般教育の旧制中学であって、「生徒」と呼ばれたのである。

「われわれ青森歩兵連隊から百名が図京線で牡丹江へ行く。そこから北へは行かない」




長谷川は青森連隊が北へ行かない理由を知っていた。最北のチャムス(佳木斯) やチチハル (斉斉哈爾) には、前年の昭和十一年に、総理大臣官邸を襲撃して岡田首相の弟や、高橋是清大蔵大臣を射殺した歩兵第三連隊が送られたからである。大臣を射殺したのは青年将校たちだったが、上官の命令に従った下級兵士は、「反乱軍」と烙印を押された。反乱軍は、総理大臣官邸~警視庁~内務大臣官邸~陸軍省~参謀本部~陸軍大臣官邸~東京朝日新聞を占拠した。驚くばかりの大胆さである。首謀者の青年将校たちは銃殺刑となった。満州の激戦場から生還した歩兵第三連隊の日本兵の話では、歩兵第三連隊の出発に先立ち、連隊長は「お前たちは事件に参加したのだから、渡満後は名誉挽回を目標に軍務に精励し、白骨となって帰還せよ」と訓示したという。何となく「騎兵憲兵の自分は北満に送られる」と長谷川は思った。

「斉斉哈爾、、不思議な字だなあ」とひとりの初年兵が言った。

「女真語だよ」

「ジョルチン?ここは支那じゃないんですか?」

そこへ汽車が入って来た。客車二両、貨車六両を引っ張っているだけである。駐屯兵がそのうちの四車を長谷川たちの軍用車の後尾に連結させた。「満拓団」と呼ばれる満蒙開拓団の一団が客車に乗り込むのが見えた。「こうしてあの青森の一家も北満へ行ったのだろう」と長谷川が思いに耽っていた。タバコをふかし終わると、七百人の初年兵たちが新聞紙の切れ端を持ってトーモロコシ畑に入って行った。雨雲が開拓団の列車が消えた北の方角に拡がっていた。帰ってきた兵隊たちが井戸で水筒に水を詰めた。

「出発するぞ」鎌田中尉と子分の軍曹たちがガナッタ。図們(ともん)の次は延吉(えんぎ)である。「朝鮮族自治区」と書いてあった。満州にはソ満国境と蒙古国境の他に国境などないのである。袁世凱の支配する中華民国はというと、万里の長城が始まる山海関以南なのである。延吉には停まらなかった。満拓も入植していないし、北へ伸びる鉄道線もないから用がなかったのだ。

前の章で「朝鮮北東部の羅津港が満州への最短距離」と書いた。長春~大連港は距離が鉄道で約七百キロメートルだが、長春~羅津港は四百キロメートルと約半分で済む。図們を出てから吉林を通り、新京こと(長春)に約五時間で着いた。南新京駅はすっかり闇に包まれていた。小雨が降り始めた。七百人に減った新兵たちは、暗闇の中を兵舎まで行進して行った。兵舎に着くと風呂に入った。風呂から出ると高粱酒付きの北方包子(ぺいぴんぱおず)が並んでいた。東北の寒村の若者が始めて見た点心や北平烤鴨(アヒル)だった。初年兵さまをアヒルで大歓迎っていうわけである。秋田~岩手~青森の兵隊は稗(ひえ)一杯の粥にもありつけない親や幼い弟妹に食べさせたかった。

「お前ら、明日一日は休息である」と鎌田に代わった髭面の関東軍歩兵連隊長が大声で言った。上等兵が赤い熨斗の付いた祝儀袋を配った。上官らは何故かにやにや笑っていた。満州の夏は湿気が強い。だが、初年兵たちは、褌(ふんどし)一つになって煎餅布団に転がるやいなや、もうグワ~グワ~と鼾をかいていた。

長谷川は兵たちと一緒に寝なかった。村田憲兵中尉が兵舎の一隅にある関東軍憲兵隊司令部の士官宿舎に連れて行ったからである。仕官宿舎はベッドで天井には扇風機が回っていた。雷が聞こえた。兵舎の外は豪雨になっていた。

                        ~続く~






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Iseheijiro • 9 hours ago
Japan is a sovereign nation and the closest ally to the US. Japan is not a lapdog of US. They agree if the US request is legitimate such as Okinawa bases. Majority of Japanese oppose Abe's reinterpretation of their constitution. They claim there is not enough explanation to change. However, that is not the real reason. Japanese public does not trust US from time to time. For example, George Bush's private war with Iraq 2003, another is Hiroshima/Nagasaki atomic bombing that killed innocent civilians August 1945.


A) 振込口座

1)金融機関   みずほ銀行・上大岡支店・支店番号 364
2)口座番号   (普通)    2917217
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1)口座番号  10940-26934811
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*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢

08/11
失われた心と精神
国会議事堂の前で「安保法制反対」を叫ぶ日本人。80%の有権者が反対だと。すると、少なくとも、5000万人はいることになるね。つまり、「心も精神も失った」ということなのである。安倍晋三首相に、その責任の一端がある。それは、言行に大きな矛盾があるからだ。これだけ多くの戦う意思のない国民を抱えるからには、核は放棄できないのだ。ワシントンにそう言えばいい。ブルームバーグに、伊勢が「日本の核保有の権利」を書いたら、アメリカ人も東南アジアの人も「それが最もコストが安く合理的だ」と賛成したよ。首相が自から核放棄するほど愚劣なことはこの世にはない。さらには、原発も核の一つなのだよ。その矛盾さえ気が着かないのかね?伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(7)

tomankou bridge

左から右(西)へ渡ったのだろう、、


貨物列車の屋根の上に機銃を据えた兵隊が数人乗っていた。開発されたばかりの九九式軽機関銃だ。これを見た新兵たちは初めて戦地に来たことを悟った。

「これを読んでおけ」と村田少尉が分厚い冊子を長谷川に渡した。表紙に、“満州の鉄道及び橋梁”と墨で書いてあった。

「中尉殿はお若く見えますが、お歳はおいくつですか?」

「陸軍中尉にしては若いという意味か?」と村田中尉が笑っていた。

「自分は二十八なのです。規定の通り二等兵ですか?」

「うむ、おれは貴様と同じ歳だ。貴様の階級は関東軍憲兵本部が決める。それまでは、おれの副官である」

「はあ、副官は何をするのでしょうか?」長谷川は、村田中尉のフンドシを洗わされるのを恐れたのだ。

「俺が渡す本を読んでおけ。それと一時も体を鍛えることだ。貴様の脚は騎兵に向いている。脚が兵隊の全部だ。弁当食うか?」と村田中尉が当番兵を手招きした。

                              *

冊子を開けると、図們鉄道(羅津~新京)が目に入った。そういえば、通過した駅に「図們」と西へ矢印があった。日本と同じように軽便鉄道なのである。軽便鉄道は山間部や湾局する海岸が多い日本の地勢には向いていた。日本に蒸気車を持ってきたイギリスでも同じだった。広軌はコストが高く、カーブでは半径が大きいのである。つまり小回りが利かない。この朝鮮北端の羅津から新京へ行く鉄道の解説があった、、

<図們鉄道(羅津~新京)の路線形成の経緯は複雑である。日本統治時代に朝鮮総督府鉄道局咸鏡線の延伸として1917年に清津~会寧間を開業させ、その先は南満洲太興~図們鉄道という軽便鉄道会社が上三峰・潼関までを建設、1927年に上三峰から満州(中国東北部)側の天図鉄道とを直接結ぶ豆満江橋梁が完成し、満州連絡鉄道の一つとなった。しかし軌間が異なっていたことから、他の朝鮮鉄道とは直通運転ができなかった。1929年には朝鮮総督府鉄道局(鮮鉄)が買収し、会寧~潼関間を図們西部線とする。そしてほぼ同時に、図們東部線として日本海に面した港の雄基(現:羅先)を起点とし潼関に至る、日本と満州東部を結ぶ短絡ルートの一つとなる路線の整備も進められて、1929年に雄基~新阿山間が開業したのを皮切りに、1932年に南陽まで、1933年までに潼関までが開業し全通、これが図們線となった。同年には、満州国(1932年建国)の首都新京(現:長春)から図們(南陽の対岸)までを結ぶ満州国有鉄道の一部となった>


満州国建国は昭和七年である。それから五年が経っていた。長谷川道夫は四歳のときに大連から新京特別市に父の清太郎と行ったときの写真があるので想像は着いた。記憶は全くなかった。ただ、すれ違う急行列車の汽笛だけを覚えていた。

八百名の兵隊を載せた貨物列車が鉄橋を渡った。豆満江だ。新兵たちは窓から首を出した。「首を出すな」という怒鳴り声がした。鎌田中尉である。何の変哲もない鉄橋である。だが、ロシアの国境が真横にあるのだ。

                              ~続く~






ということで、海外広報に、ご献金を頂きたい

日本人で、伊勢一人がブルームバーグ紙で論戦している。アメリカ人は100%伊勢の「中国批判」に賛成なのです。とくに、日本に配備された米海軍軍人はね。「日本海軍は兵士も艦船も中国海軍よりもダントツに優れている」と書いてくれた。だが、今日はアメリカを批判した。

Iseheijiro • 9 hours ago
Japan is a sovereign nation and the closest ally to the US. Japan is not a lapdog of US. They agree if the US request is legitimate such as Okinawa bases. Majority of Japanese oppose Abe's reinterpretation of their constitution. They claim there is not enough explanation to change. However, that is not the real reason. Japanese public does not trust US from time to time. For example, George Bush's private war with Iraq 2003, another is Hiroshima/Nagasaki atomic bombing that killed innocent civilians August 1945.


A) 振込口座

1)金融機関   みずほ銀行・上大岡支店・支店番号 364
2)口座番号   (普通)    2917217
3)口座名    隼機関   ハヤブサキカン

B) 郵便局口座

1)口座番号  10940-26934811
2)口座名    隼機関   ハヤブサキカン


*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢

08/10
アメリカは対中国経済制裁をする
china-iron-ore tumble 3.13.14

杭州などの港に鉄鉱石が山済みのままだ。チャイナにビルを建てる音はしなくなった。当然のことに対米輸出も急減した。


iron ore loading australia

オーストラリアも悲鳴を上げている。鉄鋼をチャイナに運ぶ船が港に停泊したままだからだ。カナダもよく似た経済だが、カナダは原油と天然ガスの輸出国。日本はカナダの大きなお客様なのだ。チャイナはカナダから買っていない。理由は判らない。カナダは北米と地続きなので安定している。




チャイナの鉄鉱石輸入のチャートだ。需要が急減している。



日中貿易も急減中だ(笑い)。


China GDP chart

というわけで、チャイナのGDPも急減中なのだ(笑い)。


伊勢のアメリカ論

昨日は、「アメリカと織田信長を考える」を書いたが、何のコメントもなかった(笑い)。頓珍漢かい?さて、チャンネル桜を覗いたら、米中戦争を話していた。パネリストが石平さんを除いて、全員、戦争を前提として話しているのに驚いた。「アメリカは自分を犠牲にしてまでも日本を助けない」とかね。女のジャーナリストとやらは、「日本は感情、アメリカは勘定」などと駄洒落を言っていた。前陸将とかは、反米感情丸出しだった(笑い)。

まず、中国は、いきなり日本本土など攻撃しないよ。なぜなら勘定に合わないからだ。沖縄も攻撃されない。すれば全面戦争になるからだ。中国は焦土になると言って置くわな。それでは、南沙や東シナ海の挑発をどうする?アメリカ指導の対中経済制裁である。ジェイコブ・ルウ米財務長官は無口な人だが、経済制裁のプロなのだ。今、プーチンを懲らしめている。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(6)

kinaimaru new york

畿内丸は当時日本一の貨客船であった。筆者も資料を読んで驚いた。こう書いてある、、

<「畿内丸」は、新しい世代の日本の貨物船の先陣を切って三菱重工業長崎造船所で建造され、1930年(昭和5年)6月15日に竣工した。試運転にて18.438ノットの高速を発揮したが、速力性能の他に合計974.34立方メートルに及ぶ生糸専用のシルクルーム6室[、特殊貨物室63.63立方メートル、冷蔵貨物室341.41立方メートル、強力なデリック装置など充実した設備を備えていた。6月29日の香港発にて初就航し、7月13日に神戸港を経由して、]7月16日に横浜港を出港し、7月27日にロサンゼルスに到着。これまでの所要日数約23日を半分縮める11日間と6時間30分で太平洋を横断、新記録を樹立した。ニューヨークへは8月11日に到着し、横浜~ニューヨーク間を25日間と17時間30分で航行。ニューヨーク到着時、「日本は鉛筆の芯のようにとがった船を持ってきた」と賞された。「畿内丸」の就航により、行き詰まり感さえあった大阪商船のニューヨーク航路改善策は功を奏し、予期以上の成果を挙げて高速船の威力を見せつける事となった。また、他社の高速ディーゼル貨物船導入が進むきっかけとなったが、日本郵船のみこの分野では出遅れ、船舶改善助成施設によって建造されたN型貨物船の就航まで待たなければならなかった。1938年(昭和13年)7月からは終点をニューヨークからヨーロッパに変更した欧州航路にも就航。ようやく隊伍を整えた日本郵船の新鋭船と提携して覇を競うこととなった。しかし、第二次世界大戦勃発と日米関係の悪化により航路は縮小を余儀なくされ、1941年(昭和16年)3月15日の神戸発ニューヨーク行が最後の商業航海となった>

                     *

畿内丸の船倉は二段に仕切られていた。そこに一年兵たちは雑魚寝するのだ。長谷川が鎌田中尉の姿を見て驚いた。この痩せた面相に狂気のある男も満州へ送られたわけだ。鎌田が音声器を持って壇上に立った。

「われわれ青森歩兵連隊及び旭川歩兵大隊は朝鮮の羅津(らじん)港へ行く。これが満州に渡る最短距離だからである。波は高いが船尾から風が吹いている。お前ら、この畿内丸を気にいったか?どん百姓には勿体ない名船である。畿内丸は日本一速い船である。一昼夜で到着する。甲板に出て風に吹かれて良し。だが、甲板に出るときは、上官に許可を得よ」

この日、畿内丸に乗船した八百名の新兵や将校たちは、十年後の畿内丸の運命を知る由もなかった。




翌日の昼、長谷川と新兵五十人が甲板に出た。雨雲が垂れていたが、水平線の向こうに羅津港が見えた。「すると、三十二キロか。一時間で着くな」と長谷川が言うのを横の村田少尉が聞いた。少尉は口髭を生やしていた。

「きさま、数字に強いな」

「はあ、機関士殿に教わりましたから」

「おれが、ハルビン関東軍騎兵連隊の連隊長だ」

「よろしくお願いします」

「満州の戦闘は内地の訓練と違う。最初の一年を生き延びれば生き残る。いずれ分る」

――誰が生き残るのだろうか?と長谷川は新兵たちを見ていた。入隊したときの顔ではなかった。厳しい訓練と野外演習や行軍で顔が引き締まった青年になっていた。

畿内丸が汽笛を三回鳴らした。水兵が埠頭に投げられたロープを繋ないだ。日本海軍の駆逐艦が四隻、東北に艦首を向けて沖に停泊していた。ロシアのウラジオストック軍港が東北四十キロメートルにあるからだ。タラップが取り付けられた。小雨が降り始めた。

「満州は夏が雨季なんだよ」と騎兵少尉が長谷川に言った。

「雨合羽は要らない。有蓋車である。ここから吉林~新京へ行く」と鎌田中尉が新兵たちに言っていた。
               
                              ~続く~






ということで、海外広報に、ご献金を頂きたい

日本人で、伊勢一人がブルームバーグ紙で論戦している。アメリカ人は100%伊勢の「中国批判」に賛成なのです。とくに、日本に配備された米海軍軍人はね。「日本海軍は兵士も艦船も中国海軍よりもダントツに優れている」と書いてくれた。だが、今日はアメリカを批判した。

Iseheijiro • 9 hours ago
Japan is a sovereign nation and the closest ally to the US. Japan is not a lapdog of US. They agree if the US request is legitimate such as Okinawa bases. Majority of Japanese oppose Abe's reinterpretation of their constitution. They claim there is not enough explanation to change. However, that is not the real reason. Japanese public does not trust US from time to time. For example, George Bush's private war with Iraq 2003, another is Hiroshima/Nagasaki atomic bombing that killed innocent civilians August 1945.


A) 振込口座

1)金融機関   みずほ銀行・上大岡支店・支店番号 364
2)口座番号   (普通)    2917217
3)口座名    隼機関   ハヤブサキカン

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1)口座番号  10940-26934811
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*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢


08/09
アメリカと織田信長を考える


尾張の織田信長は、群雄割拠する戦国大名をある者は味方に~ある者は同盟国に~ある者は敵として滅ぼして行った。いわゆる日本の戦国時代である。戦国時代は歴史で~または、司馬小説などで想像が付く。伊勢はこの時代を解説しない。だが、アメリカは、第一次世界大戦以来、100年間、アメリカ指導の世界を目指してきたのである。世界制覇ではないが民主主義による統一なのである。軍部が取り仕切った日本帝国も滅ぼされた一国である。アメリカに滅ぼされた国は多い。全てがアメリカに公然と挑戦した国である。アメリカの建国以来の宿命は未完である。今、滅ぼされつつあるのが中国共産党である。伊勢平次郎 ルイジアナ




織田信長の永楽銭の旗印はいわば星条旗である。(訂正を頂きました。有難う)




清洲城は、いわばホワイトハウスなのだ。ここで軍議を開き~味方を集め~敵国を滅ぼす戦略を立てたのである。織田信長の日本統一は同盟国なしには出来なかったのである。アメリカも同じだ。


安保法制は不可避である

安倍晋三総理大臣の安保法制は、1)日本の立場を明確にする~2)日本はアメリカの出城であり~3)同盟国アメリカの使命に協力すると誓うことが求められている。「安保法案絶対反対」などと言える立場ではない。伊勢平次郎 ルイジアナ


お知らせ

連載小説「憲兵大尉の娘」は週末は休刊とします。他のことが出来ないので、夫婦喧嘩が起きる次第(笑い)。一行でも、ご感想を頂きたいな。手探りなんです。伊勢平次郎 ルイジアナ






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Iseheijiro • 9 hours ago
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08/08
愚民倍増「甘やかしたのは誰か?」


「だって、戦争行きたくないじゃん」とな(笑い)。学者も、弁護士も「商売になる」と低脳学生に迎合している。低脳というか劣等なる人間なのだよ。誰が戦争を好むのかね?安倍晋三総理大臣は、ワーモンガーじゃないよ。この愚民や劣等な学生を掃除するには、徴兵制度しかないのである。政官民全部が徴兵を悪と思っているらしい(笑い)。スイス~ノルウエー~スウエーデン~フィンランド~トルコ~タイ~シンガポール~ロシア~台湾~韓国、、ロシアは怪しいが、みんな民主主義の国だ。これらの国は、徴兵というネーミングでも兵役を強制していないのだよ。年齢も規制はなく、ノルウエーなどは、「男女別なく、20歳から40歳の間に国に奉仕を義務付ける」としている。介護施設で働いたり、教師を続けても良いのだ。スウエーデンは、徴兵制度で、アメリカなどに留学させている。つまり、国民教育が目的なのである。ま、これも伊勢爺の独り言で終わる可能性が高いわな(大笑い)。


israel draft

イスラエルの女性兵士である。冬季訓練なのだよ。


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08/08
トランプ大統領?
donald-trump the ugry

共和党を支持する大衆が選ぶわけじゃないが、「このカジノ経営者が大統領になれば、アメリカの経済も、違法移民も、ロシア問題も解決する」と言う者が多く、現在、第一候補だ。「女は豚だ~メキシコ人は、レイピストだ~おれは、人気者同士だからプーチンと仲良しになれる」と、、うちのカミサンは「これほど醜い男はいない」と(笑い)。伊勢平次郎 ルイジアナ


連続小説「憲兵大尉の娘」(5)

五月十日に入営してから一ヶ月が経った。やはり鎌田中尉と軍曹は新兵をしごいた。動作の遅い二等兵に鉄拳をくれた。「キサマらのような薄のろは実戦になれば死ぬ。だから今、鍛えてやるのだ」と言った。

軍隊は、一階級上の兵隊は神様なのだ。二等兵の任務のひとつに上官の世話がある。二人の上官の世話をする。下着の洗濯はもとより着替えまで手伝う。寝台の毛布を真っ直ぐする。長靴を磨く。酒保へ煙草を買いに行く。テキパキ行動しないと鉄拳を見舞われた。新兵は「鉄拳制裁」が公に認められていることを知るのである。要領のいい者は、うまく立ち回った。そういう兵隊を上等兵らは飼い犬のように扱った。

長谷川の階級も二等兵だった。だが、仕える上官はいなかった。鎌田中尉も軍曹も「長谷川を殴ってはならない」と飛鳥憲兵大尉から命令されていた。七月に入ると、初年兵は北海道の旭川歩兵大隊へ移動した。空気が乾燥しており、日中の気温十八度と気持ちがよかった。牛丼が美味かった。旭川の歩兵大隊の兵隊は体格が一段違っていた。肉食が多いからである。旭川では、歳上の長谷川も、実弾訓練~野砲を引っ張る野外演習~行軍も~メシも新兵たちと同じだった。だが長谷川に馬が与えられた。道産子ではなかった。馬格が大きく、脚の筋肉が違う。背が高いので驚いた。「オーストリアの騎兵の馬だ」と厩舎の兵隊が言った。それと、ロシア語の電文解読を東京から来た通信兵から習った。長谷川道夫は自分の使命が探偵であることを知った。実際は、もっと恐ろしい使命だったが知る由もなかった。

「長谷川、君は大連にいたことがあるね。何故かね?」通信兵は長谷川の履歴をよく知っていた。

「父親が満州鉄道に勤めていましたから」

「仕事は?」

「大連港に入ってくる貨物の搬送と鉄道の機材管理でした」

「ロシア語は出来るか?」

「片言だけです。近所のロシア人の子供と遊びました」

「いつ青森へ帰ったのか?」

「小学校へ上がる歳です」

そこへ、蒲田中尉が入って来た。

「長谷川、青森第五歩兵連隊は、八月十八日、満州へ出発する。一週間の休暇が与えられている。充分に女房を可愛がって来い」と言って出て行った。鎌田は「長谷川をいつかはリンチしてやる」と決めていた。

                       *

長谷川が八甲田温泉の村に帰ってきた。貞子と二人の娘がバス停で待っていた。木炭バスのステップに現れた軍装の長谷川は満面の笑みを浮かべていた。髭が濃くなって、首が太く、ひきしまった顔は高校教師のものではなかった。

「あなた、兵隊になったのね」と妻が悲しそうに言った。

「いやあ、そうでもないよ」と夫が笑った。

「菓子を買ってきたよ」とミチルの頭をなでた。

「ワァ嬉しい」と澄絵が父親に抱きついた。娘は留守中に大きく育っていた。声も強い。

「学校へ毎日行ってるかな?」

「あなた、この子ね、津軽三味線が好きなのよ」

「習えば?」

「津軽三味線は成長しないと弾けない。ミチルはまだ幼いから」

「どうして好きなの?」

「元気が出るから」と娘が答えた。

「ふ~ん」と父親が顎に手をやって何かを考えていた。自分が満州へ行った後を心配したのである。

                      *

トラックに乗った軍楽隊が小樽の港に着いた。八百人の新兵が埠頭に整列していた。小樽の海は波浪が高い。この日も「天気晴朗なれども波高し」そのものなのだ。明治も終わりの頃、小樽が北海道で始めての外港となった。防波堤がもっとも困難だったと歴史にある。札幌農学校の工学博士であった廣井 勇が苦労の苦労の末、日露戦争後の一千九百八年に完成させた。小樽は北海道一の貿易港となった。軍楽隊の吹奏楽が終わった。混成合唱団が歌いだした、、

万朶(ばんだ)の桜か襟の色 花は吉野に嵐吹く
大和男子と生まれなば 散兵戦の花と散れ

尺余の銃は武器ならず 寸余の剣何かせん
知らずやここに二千年 鍛えきたえし大和魂

軍旗を守る武士は すべてその数二十万
八十余ヶ所にたむろして 武装は解かじ夢にだも

千里東西波超えて 我に仇なす国あらば
港を出でん輸送船 しばし守れや海の人

敵地に一歩我れ踏めば 軍の主兵はここにあり
最後の決は我が任務 騎兵砲兵協同(ちから)せよ

アルプス山を踏破せし 歴史は古く雪白し
奉天戦の活動は 日本歩兵の粋(はな)と知れ

携帯口糧あるならば 遠くはなれて三日四日
曠野千里にわたるとも 散兵戦に秩序あり

退く戦術われ知らず みよや歩兵の操典を
前進前進また前進 肉弾とどく所まで

わが一軍の勝敗は 突喊最後の数分時
歩兵の威力はここなるぞ 花散れ勇め時は今

歩兵の本領ここにあり あな勇ましの我が兵科
会心の友よさらばいざ ともに励まん我が任務


完全兵装に背嚢を背負った新兵たちが「畿内丸」のタラップを上って行った。子供たちが日の丸を千切れるほど降った。女も子供も杖をついた老人も、みんな勇ましい気分になっていた。ロープが解かれた。船が汽笛を三回鳴らすと岸壁をゆっくりと離れた。昭和十二年の夏の昼下がりであった。

                 ~続く~





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Iseheijiro • 9 hours ago
Japan is a sovereign nation and the closest ally to the US. Japan is not a lapdog of US. They agree if the US request is legitimate such as Okinawa bases. Majority of Japanese oppose Abe's reinterpretation of their constitution. They claim there is not enough explanation to change. However, that is not the real reason. Japanese public does not trust US from time to time. For example, George Bush's private war with Iraq 2003, another is Hiroshima/Nagasaki atomic bombing that killed innocent civilians August 1945.


A) 振込口座

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*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢
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