2015/02/22 (Sun) アメリカを変えた四人の実業家(その3)・提督と呼ばれた男
第ニ話 コーネリウス・バンダービルト(1794~1877)


vanderbilt river boat

さて、スターテン・アイランドからマンハッタンは、8キロメートルの海峡である。バンダービルトは、そのニューヨーク周辺のフェリーも運搬船も買い占めて行った。「提督」と自ら名乗った男は、26歳になった。勿論のこと遠の昔に百万ドル長者となっていた。ニューヨークの西側はハドソン河である。この河は真っ直ぐ北上すると、カナダのオンタリオ湖からのちに掘られたセント・ローレンス川の運河を通って大西洋に出るという長大なものである。バンダービルトは、ニューヨーク州の県庁とも言うべき、アルバニーまで河船を出す意欲を持った。ニューヨークが首都になったのは、1788年7月のことである。すると、農夫の息子バンダービルトは6歳だったとなる。1820年の後半、自ら蒸気船の船長となって、いよいよ実業を目指したのである。26歳だった。


hudson old sail

ハドソン河を遡上する、帆かけ船はあったが、水流が強くアルバニーへ行くには、三日もかかるという始末であった。米海軍の蒸気船は車輪を両側に着けたもので、ペリーの黒船(1853年)はその超大型船ということである。これは、蒸気機関の発達と共に大きくなって行った。だが、バンダービルトの新事業は簡単じゃなかった。競争相手が出てきたからだ。当然のことに「運賃争い」が起きた。提督は船を大きくして、運賃を激安とした。安い運賃と船室の広さで人気一番となったが、コストが高く収益が出ないと判った。「船客に食い物を売ろう~食堂を作ろう」とイタリア人の料理人が申し出たのだ。これが当たった。だが、提督はたちまちのうちに飽きてしまった。


hudson statute liberty

現代のハドソン河とマンハッタン。


east coast map

若い提督は、東海岸を南に下ることを考え付いた。ほぼこの航路を頻繁に航海して、東海岸の港湾都市を独占して行った。処女航海で、ワシントンDCの北のバージニアへ行った。アメリカの首都ワシントン特別市が出来たからである。その為には、チェサピーク湾からチェサピーク河を遡る。このチェサピーク湾は牡蠣で有名だ。バンダービルトは「生牡蠣」を食うオランダ人だ。このチェサピークのオイスターは、「ブルーポイント」と呼ばれる世界でも美味い牡蠣なのだ。伊勢は、的矢牡蠣で育ったので、黒い縁の小型の牡蠣が好きだ。だが、このブルーポイントは美味いよ。牡蠣をウースターソースとタバスコか、ホース・ラディッシュという「わさび」を付けてクチに放り込む。飲み物は伝統的にウオッカとされている。アメリカ人の友人10人ぐらいと一樽を食ってしまったことがある。黒人の「シャッケル・ボーイ」が器用に牡蠣をナイフで、こじ開けた。


blue point oyster

バンダービルトはこのチェサピークの生牡蠣をニューヨークに持って帰った。 持ち船には製氷機も冷凍庫も備わっていたし、コックも乗っていたからだ。これが、現在の「オイスター・バー」なのである。ロングアイランド鉄道の始発点であるグランドセントラル駅が有名である。提督はこの牡蠣で巨額を得た。これも独占事業に近いからだ。


マゼラン海峡

1849年にカリホルニアで砂金が見つかると、「ゴールド・ラッシュ」が起きた。ニューヨークから蒸気機関付きの帆船が南米の南端のマゼラン海峡を回って、チリのバルパライソで錨を降ろし、サンフランシスコを目指した。半年の航海だったと。さらにマゼラン海峡ほど恐いところは無い。難破船の墓場というわけだよ。伊勢夫婦はこの記事に書く場所は全部行ったぞよ(笑い)。




それを聞いたバンダービルト(55歳)は、ニカラガの河~ニカラガ湖~狭い地峡は駅馬車で太平洋に出るルートを考えついた。さっそく、実行した。「カリホルニアに、安く~早く~安全に行けるぞ!」と新聞広告を出した。この新事業は最大の富をもたらした。その頃、マンハッタンに200室もある巨大な赤レンガと大理石の宮殿を建てているが、妻はスターテン・アイランドの友人と別れたくないと宮殿に住むことはなかった。


vanderbilt 3 ocean steam yot

ついで、提督は、このニ本マストの汽船を造らせた。世界一の豪華船であった。大西洋を横切り~ロシア帝国のセント・ピータースバーグにまで行った。その航海では、地中海にも入り~オスマン・トルコのイスタンブールまで行っている。ところが、この大航海中にある事件が起きる。それは次回にね。伊勢平次郎


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隼速報は2007年の四月に始動して~今年の四月で足掛け八年になります。ここで、一旦、政治トピックスを短縮して~「モロン論争・炎上」と「世界を変えたアメリカの実業家シリーズ」の組み合わせにリストラします。強制のない「有料サイト」になります。月額は、ワンコイン(五百円)とします。下記の2口座のどちらかに、一月五百円、または、10年分一括して振り込んでください(笑い)。

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伊勢平次郎

Author:伊勢平次郎
 
伊勢平次郎はペンネーム。アメリカへ単身移住してから50年が経つ。最初の20年間は英語もろくに話せなかった。英語というのは、聴き取りにくく、発音しにくい厄介なものだ。負けん気だけで生きた。味方を作ることが生き残る道だと悟った。そのうち、コロンビア映画、スピールバーグ監督、トヨタ工場、スバル・いすゞ工場の北米進出、日本の新聞社に雇われた。2013・6 冒険小説You Die For Me アブドルの冒険(邦題)をアマゾンから出版した。昨年のクリスマスには、King of Pepper(英語版)胡椒の王様を出版した。日本、英国、デンマーク、ドイツの読者が読んでくれたわ。妻のクリステインと犬2匹で、ルイジアナの湖畔に住む。

写真は、ハヤブサ F. p. japonensis。カタカナで書かれる。瞬間飛翔速度は、時速300キロという猛禽。

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