2015/02/28 (Sat) アメリカの実業家(その6)・バンダービルト王者の体質


1849年、ひとりの冒険家がサンフランシスコの東にあるアメリカン・リバーのサター渓谷でキャンプを張った。さらさらと流れる川、、顔を洗おうとすると何かがピカッと光った。拾って見ると金の粒(ナゲット)ではないか、、こうして金(きん)が発見された。うわさは、たちまちのうちにニューヨークにまで伝わった。こうして「ゴールド・ラッシュ」が起きた。誰もかれもカリホルニアへ駆け出した。蒸気船で南米の突端マゼラン海峡を回っていくルートや、パナマ地峡をラバが挽く駅馬車で太平洋に出るなどのルートが主であった。

バンダービルトは、ハドソン河やロング・アイランドを手中にしていたが、「河船よりも遠洋航海の時代が来た」といち早くこのゴールド・ラッシュに眼を付けたのだ。そこで、パナマよりもアメリカに近いニカラグアが水路や湖が多いことからニカラグアを横切るアイデアを思いついた。




このマップは中国(香港が表看板だが)の「ニカラグア運河計画である。去年ニカラグアのあオルテガ大統領が署名して、2020年に完成を目指している。前章のも書いたが、このニカラグア運河を最初に考えたのは、バンダービルトなのだ。ニカラグア湖までは水深の深い水路がある、、はじめ、サンホアン河を拡げるという運河を計画したが、資金が集まらなかった。それでも、外洋船をニューヨークから出すことにした。ニカラガ湖の西の密林を切り開いて、十二頭の馬が挽く大きな駅馬車を造った。「アクササリー・トランシット(地峡交通)」と名付けた。約20キロメートルの行程であった。ニカラグア湖の西岸は「バージン・米」とネームして~太平洋側の港「サンホアン・デル・サー」から再び三本マストの蒸気船でサンフランシスコに向かうというものだった。この蒸気機関だが、港を出入りするときか海流の強い難所のみに車輪を廻したと、、


1852年、バンダービルトは、「地峡交通」の出資者ジョセフ・ホワイトと喧嘩になった。ホワイトはバンダービルトの巨富に眼を付けていた。そこで、ことごとく、難題を言い出しては取り分を大きくした。提督と呼ばれたバンダービルトは「それでは、俺の外洋船や河船を買い取れ!」と迫った。その交渉中に、バンダービルトは妻子を連れて、「ノース・スター号」に乗って、ロシアや地中海を航海して回っていた。ホワイトはバンダービルトが信用していた番頭のチャールス・モーガンと結託して、「地峡交通」が払うべき収益を理屈を付けてバンダービルトに払わなかった。裏切りである。欧州航海から帰った提督は、早速、この二人の男らを逆襲することに着手した。まずライバルのカリホルニア船舶会社を価格競争で破綻に追い込んだ。このライバル会社はホワイトとモーガンのカネズルだったから堪らない。ホワイトらは降参して提督に支払ったが、バンダービルトの要求は払えないほど高いものだった。この裏切り者退治が終わると、今度は大西洋横断船汽船という会社を起こした。大西洋横断ラインを政府の援助を得て独占していた「コリンズ汽船」に挑戦した。相手も、エドワード・コリンズという富豪であった。バンダービルトは全資金を賭けた。結局、コリンズが負けて破綻した。ついでに、ブルックリンなどの東海岸の造船所を買い占めた。マンハッタン大手の「アレイア鉄工所」も買収して大型の蒸気機関を自分で造った。

1855年、提督は再びニカラグアの「地峡交通」を買占めを始めた。 同じ年、ウイリアム・ウオーカーと名乗る軍事冒険家がニカラグアをコントロールした。親友のエドマンド・ランドルフを使って、「地峡交通」のサンフランシスコ代理店の店主、K・ガリソンを「バンダービルトをやっつけろ!」と脅した。 ランドルフがウオーカーに「地峡交通の契約を骨抜きにして、その権利と蒸気船会社を自分にくれろ」と説得した。ランドルフはその権利と会社をガリソンに売った。 ガリソンは、提督を裏切ったチャールス・モーガンをニューヨークに呼び出して仲間に入れた。こういった謀略が進んでいる頃、バンダービルトは地峡交通の株をほとんど手に入れていた。提督は、米国と英国の政府に「自分が持ち主である」と力説した。. だが、米英の両政府はバンダービルトの主張を退けた。 バンダービルトは政府の権力に屈しなかった。ニカラグアの南の隣国コスタリカに相談を持ちかけた。 提督はひとりの男をコスタリカに派遣した。 男とその仲間はニカラグアに入った。そして、サンホアン河の蒸気船の船客となり~反乱を起こして蒸気船を乗っ取った。つまり海賊なのだが、、ウオーカーが支配力を失った。米海軍もウオーカーを後押ししなかった。しかし、今度はニカラグア政府がバンダービルトに地峡交通を運営させなかった。提督は機敏だった。パナマを口説いて、そこに地峡鉄道を敷いたのである。カリホルニアルートを独占したのだ。

ところで、レーガン時代の「イラン・コントラ事件」のオリバー・ノース大佐は、この軍事冒険家ウイリアム・ウオーカーを真似したのだそうである(わが妻の話し)。伊勢夫婦はコスタリカへ行ったときに、ノース大佐らが武器をニカラグアの反政府軍であったコントラに空中から投下する貨物機を見た。見たというよりもバーになっていたのだ。中へ入って、ラム酒を飲んだよ(笑い)。写真を探してみるわな。米国議会公聴会で、ダニエル・イノウエ議長がオリバー・ノース大佐を叱るのを聞いた。間接的に大統領のレーガンを叱ったのである。歴史的な締めくくりとなった。伊勢


南北戦争始まる



これは、「ジョニーが行進して帰ってきたとき」という当時のソング。この「アメリカ講談」も熱を帯びてきたが、南北戦争は長くなる。今日はここまで。ワイン飲んで寝るわい(笑い)。 伊勢平次郎


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伊勢平次郎

Author:伊勢平次郎
 
伊勢平次郎はペンネーム。アメリカへ単身移住してから50年が経つ。最初の20年間は英語もろくに話せなかった。英語というのは、聴き取りにくく、発音しにくい厄介なものだ。負けん気だけで生きた。味方を作ることが生き残る道だと悟った。そのうち、コロンビア映画、スピールバーグ監督、トヨタ工場、スバル・いすゞ工場の北米進出、日本の新聞社に雇われた。2013・6 冒険小説You Die For Me アブドルの冒険(邦題)をアマゾンから出版した。昨年のクリスマスには、King of Pepper(英語版)胡椒の王様を出版した。日本、英国、デンマーク、ドイツの読者が読んでくれたわ。妻のクリステインと犬2匹で、ルイジアナの湖畔に住む。

写真は、ハヤブサ F. p. japonensis。カタカナで書かれる。瞬間飛翔速度は、時速300キロという猛禽。

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