2015/08/20 (Thu) 天皇陛下と皇后さまは九条護憲派、、
emperror empress

ワシントン・ポストが「天皇陛下と皇后さまは護憲派」と書いた。短く言うと、安倍晋三首相の憲法修正案に、ご不満なのだと。伊勢は残念に思った。安倍首相の苦悩が天皇皇后陛下にも理解されないことを憂いている。日本の経済は確実に後退を続けている。島国日本の安全保障は日に日に危うくなっている。中国やロシアが暴挙に出るとは言わないし、安倍首相でも言えないが、首相には、防衛の脇を下げることは出来ないのである。政治発言が曖昧になっても、国防は明らかなメッセージを出さなければ敵国が増長する。それに、日本は核を持たない国なのである。一億三千万人の国民がアメリカの核に頼っているのである。日本の男性はどんどん女性化している。19歳~29歳までの日本の若者の30%がサラリーマンになりたくないのである。自衛隊員や海上保安庁の隊員を除いて、若者が非戦平和主義に傾いている。天皇陛下と皇后さまにも責任はある。伊勢爺がこの風潮を変えることは不可能である。戦うとは戦争をすることではない。自分を強くするということである。

伊勢爺は満州生まれで一家は生還した。満州一つを書くにも「どのように書くべきか?」と、しばしば筆を止めて黙考する。ハードボイルドを書くつもりはない。先の戦争は悲惨である。だが、「永久の平和」などというものはない。男は、戦う意思を失ってはいけない。戦う意思を失えば、軍事大国の家畜にされるだけなのだから。伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(14)




「次の会合は夜だから、ホテルへ戻って休もうや」

「誰に会うのですか」

「上海の商人だ。長谷川少尉にも会っておいて欲しい」

「重要人物なんですね?」飛鳥はそれには答えなかった。

部屋のドアの前に戻ると、飛鳥がしゃがんで何かを拾った。中に入ると、部屋の隅々を見て回った。

「誰か、留守中に入ったね」

「はあ?どうして判るんですか?」

「これだよ」と飛鳥がヘアピンを見せた。

「女が?」

「いや、このヘアピンは俺がドアに挟んでおいたものだ」

カメラや着物はホテルの保管室に預けていたので、盗られたものはなかった。部屋の中に薔薇の匂いがした。飛鳥がカーテンを引いて窓を押し上げた。二人は風呂に入って、久しぶりに昼寝をした。長谷川が風呂から上がると、飛鳥がすでに軽い鼾を搔いていた。

二時間も寝ただろうか、飛鳥の腕時計の目覚ましが鳴った。長谷川がガバっと起き上がった。二人は支那人の普段着を着た。黒いイスラムの坊さんのような帽子を被った。

「大尉殿、とても似合いますよ」と言ったが返事はなかった。

「食堂で日本飯を食おう」と言うと南部をベルトの後ろに差して上着で覆った。長谷川も真似た。階下の食堂へ階段を降りた。鰤の西京焼き~銀シャリ~味噌汁~焼き海苔の簡単な夕飯を食った。その間、飛鳥は何も話さなかった。ただ、黙々と食った。飛鳥には、食後に歯を磨く習慣があった。ポケットから簡易歯ブラシを取り出して洗面所へ行った。

「出かけようか」

「どこで会うのですか?」

「今朝行った唐人街だよ」




二人は「龍門」と金箔で書かれた看板のあるホテルに入った。飛鳥が支那語でドアボーイに何か言った。ボーイが満面笑みになった。

「あなたは、王さんですね?JT朱さんが待っています」と部屋に電話をかけた。そして、「ご案内します」と言った。――ボーイが愛想が好いのは、多額のメキシコ銀貨だろうと長谷川が思った。部屋は最上階のお五階にあった。

JT朱(チュウ)がドアを開けた。痩せた丸い眼鏡をかけた中年の男である。部屋に入るとオーデコロンの匂いがした。飛鳥と朱が、にっこりと笑った。

「飛鳥大尉、お久しぶりです」

「チュウさん、お元気でしたか?」

「はい、おかげさまでこの修羅地獄の中でうまく生きています」

「それは良かった」

「座りましょう」と朱が言ったが飛鳥は居間の真ん中に立っていた。

「チュウさん、君は、ぼくの部屋に入りましたか?」

「エっ?」

「このオーデコロンの匂いだよ」飛鳥が広東語を使った。すると、J.T.チュウが真っ青になった。

「飛鳥さん、私を殺さないで」と絨毯の上にひざ間着いた。

「大切なJTを殺すわけがないだろう。さあ、立ち上がりなさい」

チュウが立ち上がって飛鳥に抱きついた。そして、おいおいと泣き出した。飛鳥がチュウを抱いた。

そのとき、「わが同胞よ(братия)」と飛鳥がロシア語で言ったのである。長谷川は混乱していた。飛鳥が右手に南部を握っているのを見た。銃口をチュウの左耳に押しつけた。チュウが顔を上げようとした瞬間、飛鳥が七ミリメーター小型拳銃を発砲した。

フロアに降りると、ボーイの姿がなかった。発射音が聞こえたに違いない。

                               *


「これで今日の仕事は終わりさ」

「大尉殿、私に、あのJTチュウが誰なのか教えてください」

「うむ、唐人街で酒飲むか?」二人は尾行がないか確かめていた。和平路の角に支那人の経営する飲み屋があった。晩夏なので、ドアは開け放しなのだ。二人はドアの内側の丸いテーブルに着いた。

「我想啤酒(ウオシャンピジュ)と飛鳥がエプロンをかけた男に注文した。生ぬるい青島ビールと落花生が出た。

「支那人は冷たいものを飲まないんだ。漢方医薬が体を壊すと五千年も教えてきたから」

「はあ?教えるというのは恐ろしいことですね」

「そうでもない。支那にはいい水がない。支那大陸には山も森も少ないから」

「大尉殿、チュウは一体誰なんですか?」

「人が射殺されるのを見たのは初めてか?」

「初めてです。腰が抜けました」

「今に慣れる」

「JT朱は俺が育てた情報員だ。朱は香港生まれで香港外語大学の教授だった。語学の天才だった。始めは蒋介石の国民党のメンバーだったが、日本のカネで寝返った。関東軍は支那人の間諜が必要だったのだ。朱は学生時代、日本に留学した。

「つまりスパイですね?

「朱の任務は上海のソ連大使館の情報収集だった。ロシア語が出来たから」

「何故、射殺しなければならなかったのですか?」

「二重スパイなのだ」

飛鳥が新米憲兵少尉の長谷川に解説した。――憲兵は軍隊の中の警察で腕章を左腕に巻いている。その服装はひと目でわかる。上着の上から革ベルトを締めている。右肩から左腰へななめに革ベルト。そこに革のケースに入れた南部七ミリ小型拳銃を着けている。靴は黒いブーツ。兵隊はゲートルだから憲兵は目立つ。しかし憲兵将校には別の任務がある。雇った情報員を監視する任務である、、

「どうして二重スパイだと判るのですか?」

「もうひとりいるからだ。この二人には面識はない。優秀なスパイは二重スパイなのだよ。そうでなければ情報が掴めないからね」

「それなら殺す必要はなかったと思いますが?」

「ある時点から朱は日本軍の極秘情報を入手するようになった。なにしろ香港の元教授だからね。それをソ連に売った。朱は、俺たちが、和平路のホテルに入ったときから監視していた。部屋に入って俺の鞄を探したが見つからなかった。俺は、朱が部屋に忍び込んだとフランス製のオーデコロンで知った。お洒落が命取りになったわけさ」と飛鳥が無感情な表情で言った。飛鳥大尉は、あの杜甫の詩「登山」や「菊花酒」を語った人間ではなかった。

「スパイ監視に無関係な太原に行く理由を聞かせてください」

「それは、太原に着いたら話す」

                             ~続く~







ということで、海外広報に、ご献金を頂きたい

日本人で、伊勢一人がブルームバーグ紙で論戦している。アメリカ人は100%伊勢の「中国批判」に賛成なのです。とくに、日本に配備された米海軍軍人はね。「日本海軍は兵士も艦船も中国海軍よりもダントツに優れている」と書いてくれた。だが、今日はアメリカを批判した。

Iseheijiro • 9 hours ago
Japan is a sovereign nation and the closest ally to the US. Japan is not a lapdog of US. They agree if the US request is legitimate such as Okinawa bases. Majority of Japanese oppose Abe's reinterpretation of their constitution. They claim there is not enough explanation to change. However, that is not the real reason. Japanese public does not trust US from time to time. For example, George Bush's private war with Iraq 2003, another is Hiroshima/Nagasaki atomic bombing that killed innocent civilians August 1945.


A) 振込口座

1)金融機関   みずほ銀行・上大岡支店・支店番号 364
2)口座番号   (普通)    2917217
3)口座名    隼機関   ハヤブサキカン

B) 郵便局口座

1)口座番号  10940-26934811
2)口座名    隼機関   ハヤブサキカン


*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢


宝田明さんにメールを出した

[ メッセージ ]
隼速報の伊勢です。ぼくも1941年、新京で生まれました。一家七人は終戦一年前に日本へ帰りましたが、兄三人は学徒出陣と予科練へ行きました。みな生還しました。「満州を掴んだ男」が現在集英社の手にあります。出版はわかりません。応援してください。ブログで「憲兵大尉の娘」を連載中です。是非、ご覧ください。



comment

名無しの投稿さま

全く仰る通りです。ぼくもY紙のCA支局にいたので、政治部の記事に疑念を持った。社主が「カネと権力」が哲学のサヨクというか蝙蝠だからですね。第一次安倍内閣を失脚させた一因だと思う。

USも同じで、アジアの記事に関心のない読者を扇動する記事が多い。なにしろ、リベラルも、保守も情報戦に血道を上げている。ということは、メデイアは政治のツールと言える。残念なことには、出版者も同じなのです。サヨク、反日が売れるところが日本と同じです。大学生が狙われているのです。伊勢
2015/08/21 10:42 | 伊勢 [ 編集 ]

日本人が非戦化というくだり、たぶん反日メディアのアンケートが基になっているのでしょう。
ご存知かと思われますが、この様なアンケートは質問作成者と内容や対象母集団、集計方法(計算方法)などを細かく公開しないと全く意味のないアンケートになります。
安保法制反対デモの参加者数を数十倍に水増しして発表していたことが問題になっていますが、大手を含めたメディアは反省するどころか「主催者発表を載せただけですから」とそのまま放置し、偏向どころか捏造報道をひたすら繰り返しています。
朝日新聞の件もそうですが、国民はメディアが全く信用できないことに気が付き、自ら情報を求めて自民党を与党にしています。
これが日本の現状です。
ここ最近の安倍政権+自民党支持率の上昇は正しい安保法制の内容が浸透してきたのと、談話の内容が支持されているからです。
憲法は解釈変更ではなく、改正が正しい手続きですが、今はその様な時間的余裕がないほど安全保障上の危機が逼迫しています。
苦悩の末に下された一国の首相の孤独な決断に、少しは国民も思いをはせ、真剣に安全保障のなんたるかを考えるべきですね。
2015/08/21 09:49 | [ 編集 ]

勤務医先生

昨夜、Mephist先生からメールを頂きました。wポストの東京特派員か日本人記者が反日サヨクなんだと思います。ぼくも不注意でしたが、消去しないことにしました。伊勢

<あれはあれでいいと思いますよ。伊勢さんが全知全能と思っている人はいないでしょうし。むしろあの手の発言をああして打ち消すタイミングは必ず必要です。李明博が天皇に触れる発言をしたことで、日本人の粗方は嫌韓となりました。それくらい菊タブーは強烈なのです。これは国体護持でもめた終戦工作でも同じです。本土決戦を望んだ陸軍も、結局は皇室護持なんですから。Mephist
2015/08/21 01:39 | 伊勢 [ 編集 ]

小生もMephist先生の意見に同意です。陛下の大御心を自分の都合の良いように忖度し勝手なことを言うのは「臣下の容喙」に当たります。許しがたい行為です。
2015/08/20 22:20 | 勤務医 [ 編集 ]

みなさん

ぼくは、「日本の輸出が大きく後退した」を書くつもりだった。でも、落ち込んでいる日本人をさらに落ち込ますことを躊躇った。さっき、ダイアモンド誌が「4~6月期のGDPマイナス成長は、日本経済が停滞の罠から脱出できていないこと、これまでの経済政策の行き詰まりを明確に示している。「一時的」として無視はできない」と記事にした。日本経済はリセッションに入っているのです。米連銀が利上げに近着いているからさらに後退する。アベノミクスは明らかに失敗したのです。安倍さんの所為ではありません。官僚が無能なんですね。伊勢
2015/08/20 11:08 | 伊勢 [ 編集 ]

Mephist先生

このエントリーを削除しますか?ご返事をすぐください。日本の報道にはないのですね?WPに抗議するべきですし、BBに長い抗議文を買い込めます。ぼくがやります。伊勢
2015/08/20 10:53 | 伊勢 [ 編集 ]

Mephist さんに同意です。特に二がおおい。わが国学問界の特徴でもあります。また政府が何かするときにもと出す構造とも同じです。
>以前あった富田メモと同じです。
昭和天皇はあのような発言をされるわけがない。参拝をされなかったわけは三木内閣の行動にあったと見ている。
2015/08/20 10:10 | kenji [ 編集 ]

伊勢殿
天皇陛下の件はWPの情報戦ですよ。
第一に、この手の話を天皇陛下は発言できない。
第二に、この手の話を必要とするのは権威を必要とする側。
第三に、発言されたという証拠はない。
以前あった富田メモと同じです。
天皇陛下は日本国の象徴であることを十分に理解されておりますから、発言が慎重です。もしくは、発言される内容は内閣府の作成したものです。
発言の重さがあらゆる日本人にとって尋常ではないのです。それを利用しようという輩が多いということです。
逆に言えば、天皇陛下がどのような発言をされ様とも、それは政治的には無色透明だと理解すべきです。
もっと言えば、天皇家は日本国の象徴でありながら、日本国の主権を持たれない唯一の存在です。それゆえに象徴たり得るのです。
2015/08/20 09:38 | Mephist [ 編集 ]









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プロフィール

伊勢平次郎

Author:伊勢平次郎
 
伊勢平次郎はペンネーム。アメリカへ単身移住してから50年が経つ。最初の20年間は英語もろくに話せなかった。英語というのは、聴き取りにくく、発音しにくい厄介なものだ。負けん気だけで生きた。味方を作ることが生き残る道だと悟った。そのうち、コロンビア映画、スピールバーグ監督、トヨタ工場、スバル・いすゞ工場の北米進出、日本の新聞社に雇われた。2013・6 冒険小説You Die For Me アブドルの冒険(邦題)をアマゾンから出版した。昨年のクリスマスには、King of Pepper(英語版)胡椒の王様を出版した。日本、英国、デンマーク、ドイツの読者が読んでくれたわ。妻のクリステインと犬2匹で、ルイジアナの湖畔に住む。

写真は、ハヤブサ F. p. japonensis。カタカナで書かれる。瞬間飛翔速度は、時速300キロという猛禽。

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