2015/09/03 (Thu) 地球は「エゴ」がいっぱい
putins problem 9.2.15

習近平は先月まで、$4 TRILLION(480兆円)あった米国債を売って、$360 TRILLION(432兆円)となっている。人民元買い支えなのだが、RMBはどんどん海外へ逃げ出しているので、売買に規制までも持ち出した。この意味するところは、中国共産党の経済運営は底のない「闇」ということだ。プーチンが抗日戦勝記念日の軍事パレードに出席する。この男の精神状態は異常なのだ。360兆円の天燃ガス・パイプライン契約が破棄されるからだ。ざまあみろい!伊勢平次郎 ルイジアナ


連載小説「憲兵大尉の娘」(27)


表紙憲兵大尉の娘_convert_20150830145240


(27)

飛鳥と長谷川が満州国軍黒河警備隊に預けていた馬に股がった。タタールの力士、ジャポチンスキーを見た。

「ぼくは歩きます」とタタールが言った。

アムールの支流に沿ってゆっくりと馬を進めた。璦琿は8キロ南西にある。大した距離ではない。

「璦琿は満州語で恐ろしいという意味です」とタタール。

「コムレッド(同志よ)、君の名前は実名ですか?」と飛鳥。

「実名です。ジャポは、日本人~チンは、チンギス汗~スキーは、コザック兵。名はイワノフ」と日本語が流暢なのだ。

「日本語はどこで習った?」

「ハバロフスクです」そのときイワノフの眼が曇った。

璦琿基地に着いた。守衛兵がタタールの力士に手を挙げた。周知の仲らしい。夕闇が迫っていた。今夜は冷えそうだ。騎兵がやってきて馬を厩舎へ連れて行った。

「飯食う前に風呂に入ろう」

「ぼくも入りたい。日本のご飯が食べたい」と大男がこどもになっていた。

「明日、ゆっくり、話を聞かせてくれ」と飛鳥がイワノフと握手した。

                            *

食堂へ行くと、土建の技士たちに混じってイワノフが飯を食っていた。何やら川魚を食っている。指示兵が桶から炊き立ての飯をイワノフの食器に持った。「三杯目です」と横の技士が笑っていた。チチハルから一緒に来た騎兵はすでにアムールの東へ出発していた。ソ連の騎馬連隊が川を渡ったと報告されたからだ。日本軍の伝書鳩が夜明けに巣箱に飛び込んで来たのだ。――鳩は自分が生まれた場所をどうして記憶できるのだろうか?と科学者は考えていた。

三人が憲兵隊司令部の部屋に入った。

「鳩が巣に帰るのはね、訓練なんですよ」とイワノフ。

「イワノフはどこで生まれたのか?」

「ハバロフスクです」

「両親は?」

「赤軍に殺されました。兄らも」

「すると、ロシア国籍か?」

「そうです」

「満州に入るときは?」と長谷川が訊いた。すると、「指紋」とひとさし指を立てて見せた。

「ハバロフスクにいたんだね?」

「そうです。電信の盗聴をやっていたんです」

「上官は誰なのか?」と飛鳥が次々と質問を発していた。ダブルスパイの可能性を感触で得ようとしていた。だが、その疑心暗鬼は打ち消されたのだ。

「ハルピンの杉原領事です」と言ってから盗聴のプロセスを説明した。

――ソ連の国家秘密警察であるGPU(ゲー・ペー・ウー)の本拠はモスクワである。極東の本拠はハバロフスク。そこから日本海に面したウラジオストック。そこまでは電線である。ウラジオストックから無線で東京のソ連スパイへと繋がっている。イワノフには年下の甥がいる。ふたりで線路際の電柱に登って銅線を畑に引き込んで電信を紙にプリントした、、

「だが、それでも暗号だろう?」

「そうですが、杉原さんが解読されていたのです」

「う~む、、」と飛鳥が腕を組んでいた。

「ソ連は杉原領事を暗殺するだろうね」

「いいえ、領事さんを殺せば日本は東京の、または上海の、またはコミンテルンの国の外交官を殺して報復しますから」

「なるほど、イワノフは頭がいいな。でも、誰がソ連の外交官を殺る?」

「ぼくです。ハバロフスクのGPUは、街の爆破を恐れているのです」と言ったジャポチンスキーを飛鳥がじっと見つめていた。長谷川は、「ソ連は、いずれ満州に侵攻する」と確信していた。

「それで最近のソ連の動きは?」

「上海のソ連大使館が日本軍の電信を盗聴している。それだけでなく、スターリンは、毛沢東という江西省の共産軍に兵器やカネを提供している。北満では張学良軍に同じように戦闘機やロシア製の機関銃を提供している」

「アメリカは?」

「蒋介石軍に兵器とカネを提供している」

「日本軍は?」

「8月15日、陸軍飛行隊400機が、南昌、重慶、南京を爆撃した。済州島から渡洋爆撃です。どれも成功している。日本の飛行機は優秀です。戦闘機乗りも優秀です」

「北はソ連。南はアメリカ」と言って飛鳥が沈黙した。長谷川も黙っている。

「飛鳥大尉さんはここから何処へ行くのですか?」

「明後日の朝、ハルピンへ帰る」

「ぼくもハルピンへ行きます」

                             *

ハルピンへ帰るその朝、冷たい雨が降っていた。アムール方面の空は真っ暗である。食堂へ行って飯を食い、わかめの入った味噌汁を飲んだ。炊事兵が握り飯を包んでくれた。イワノフは握り飯を飯盒に詰めた。それを見た当番兵がもうひとつ稲荷の入った重箱をくれた。イワノフがにっこりと笑った。飛鳥はイワノフがすっかり好きになっていた。


駅北安

北安駅。街の建物は数個である。後は畑だけ。ハルピンと黒河の真ん中なので、野菜、トーモロコシ、鶏の産地である。


黒河からハルピンへ行くには、北安で分岐する浜北線で南下するのだ。14時間の行程である。ハルピン駅に着くのは夜の10時だ。将校数人、技師数人、傷病兵数人、看護兵がひとりで車内は空いていた。飛鳥とイワノフが並んで座った。長谷川は弁当係りなのだ。どういうわけか、野菜と茶色の鶏とアムールでとれる皮魚の塩漬けを満載していた。ハルピンにはないものだろう。窓外は雨模様で降ったり、止んだり、、軽便列車はたったの3両だった。針葉樹の森を出ると後は全くの荒野になった。列車は広い農地の真ん中を走って行く。

「大地ですね」と長谷川が言った。イワノフが頷いていた。

「ず~とハルピンまで山などないよ」と飛鳥。長谷川が写真機を弄っているのをイワノフが珍しいらしく見ていた。長谷川がカメラをイワノフに手渡した。

「ハンザ・キャノンというんだよ」と言うと、カメラの操作を教えた。

「大尉さん、一枚撮っていいでしょうか?」そこへ車掌が薬缶を持って湯を配った。

「私が撮りましょう」と車掌がカメラを受け取った。

夜の9時にハルピンに着いた。予定よりも早かった。ハイヤーに乗り込んで哈爾浜館へ向かった。全て璦琿基地の憲兵隊が手配していたのである。イワノフを見ると満面笑みであった。杉原領事に会えるからだろう。

                              ~続く~







海外広報に、ご献金を頂きたい

日本人で、伊勢一人がブルームバーグ紙で論戦している。中国経済が劣化してから中国人の書き込みがゼロとなっている。いかに習近平が窮地に陥ったかがよく判る。日中貿易を見直すときである。

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1)口座番号  10940-26934811
2)口座名    隼機関   ハヤブサキカン


*7月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~ 7月25日、SHO・KATSUさまが、5、000円を下さった。7月23日、YA・HIさまが、10、000円を下さった。WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。たいへん感謝しています。有難うね。日本はまだまだ、経済も、国防も、米国政府の援助が必要なのです。伊勢爺の論戦はそこに重点を置いたものです。アメリカを批判するのも、アメリカに失敗されたくないからです。伊勢


新藤兼人さんにメールを出した

[ メッセージ ]
隼速報の伊勢です。1941年、新京で生まれました。一家七人は終戦一年前に日本へ帰りましたが、兄三人は学徒出陣と予科練へ行きました。みな生還しました。「満州を掴んだ男」が現在集英社の手にあります。出版はわかりません。応援してください。ブログで「憲兵大尉の娘」を連載中です。是非、ご覧ください。


MIZ・TAKさまから、20、000円~WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。この方々は何年もの期間、伊勢を応援してくださった。たいへん感謝しています。


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プロフィール

伊勢平次郎

Author:伊勢平次郎
 
伊勢平次郎はペンネーム。アメリカへ単身移住してから50年が経つ。最初の20年間は英語もろくに話せなかった。英語というのは、聴き取りにくく、発音しにくい厄介なものだ。負けん気だけで生きた。味方を作ることが生き残る道だと悟った。そのうち、コロンビア映画、スピールバーグ監督、トヨタ工場、スバル・いすゞ工場の北米進出、日本の新聞社に雇われた。2013・6 冒険小説You Die For Me アブドルの冒険(邦題)をアマゾンから出版した。昨年のクリスマスには、King of Pepper(英語版)胡椒の王様を出版した。日本、英国、デンマーク、ドイツの読者が読んでくれたわ。妻のクリステインと犬2匹で、ルイジアナの湖畔に住む。

写真は、ハヤブサ F. p. japonensis。カタカナで書かれる。瞬間飛翔速度は、時速300キロという猛禽。

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