2015/09/11 (Fri) ヘッジファンドvs.乗っ取り屋
ackerman icahn

ビル・アッカマン(49)VSカールアイカーン(79)。アッカマンは、3600億円の富豪となった。アイカーンは、2.4兆円の富豪である。ふたりともニューヨーク生まれのユダヤ人である。アッカマンは、ハーバードビジネス修士号~アイカーンは、プリンストン大学哲学科卒業。おやの家で、ぶらぶらして父親に追い出された。伊勢の観察では、アイカーンは終わった。アッカマンの時代である。この二人の相場の戦略は水と油である。アッカマンは、いわゆるヘッジファンドである。つまりハイリスク、ハイリターンの投機や空売りをする。一方のアイカーンは、乗っ取りや合併の仕掛け人なのだ。

先週、アイカーンは、Chernier Energyの8%を買い~役員を二人送り込んだ。この会社は天然ガス掘削と輸出である。伊勢は、アイカーンは転落すると思っている。アッカマンだけでないもう一人の「ショート(空売り)屋」が「逆張りする」と宣言している。伊勢平次郎 ルイジアナ







連載小説「憲兵大尉の娘」(36)

表紙憲兵大尉の娘_convert_20150830145240


(36)

war and peace hepbern 1956


「マダム、イリア、私たちは、領事館に行きます。鴨を6羽分けてください」

「勿論よ、領事さんや武官に上げてください」

「4時から鴨の晩餐なの。それまでに帰って来れる」とカレンが長谷川に訊いた。長谷川が飛鳥を見た。

「誰が14羽の鴨を解体するんですか?」と飛鳥がカレンに訊いた。

「パパと叔父さんです」

「お上手?」

「いいえ、やったことがないのですけど、本があります」と聞いた飛鳥が――イワノフがおれば、、と思った。

「長谷川さん、領事さんに、スパシーボって言って頂戴。私、ボーナスを頂いたの。ママが長年、欲しがっていたロココの家具を買ったの。午後に配達されるのよ」と微笑んだカレンは牡丹の花のように美しかった。イリアは、娘は、もはや少女じゃないと思っていた。

飛鳥と長谷川が手提げ袋に鴨を入れて、ハイヤー会社に歩いて行った。二人共、普段着である。ソフィアスカヤ(聖ソフィア教会)の前を通って領事館に着いた。クリスマスが近いので教会はイルミネーションに飾られていた。

「おお、有難う。家内と息子が喜ぶ」と領事が長谷川から鴨を受け取った。

「羽に虫がいます。調理人を呼んでください」と飛鳥。日本人のコックがやって来た。

「これは脂の乗ったいい鴨ですね。野鳥は慣れていると」言った。

杉原領事にソ連国境を超えたこと~今のところ平穏であること~陳王民が死んだこと~虎頭要塞には行けなかったことを話した。飛鳥の表情はいつもと変わらない穏やかな顔であった。「うむ」と領事は言って満足したようである。長谷川に「ロシア語は通じたか?」と訊いた。

「ロシア語は印象が大事です。少尉は受け入れられました」と飛鳥が答えた。

「学習能力が高いね」とコックにフランスのワインを一ケースを持って来させた。

二人を武官が送ったが、天龍公園で降りた。歩いて帰ると館の前の道路に木炭トラックが停まっていた。家具屋である。二人の男が家具を運んだ。

「あれ、イワノフじゃないか?」と言うと、ジャポチンスキーが振り向いて笑った。甥のウランが相棒なのだ。運転手に帰れと言った。カレンがチップを上げるとトラックがモウモウと煙を上げて走り去った。

「マダム、僕たちが鴨の羽毛を抜きます」とイリアに言った。

「もう宴会はダメかと思ってたんです」とイリヤがにっこりと笑った。

イワノフはハバロフのフスクの肉屋の息子だった。甥も一緒に働いていたのだと。16羽の鴨は瞬く間に真っ裸になった。新しい羽毛がとげのように突き出ている。それをペンチで抜いた。その後、暖炉の火で残りの羽毛を焼いた。キッチンへ帰ると、支那包丁で足と首をバンと切った。横のウランが小刀で肛門から腸を引き出し~肝臓~砂肝~心臓(ハツ)をボールに入れた。ついで、首に指を入れて食道の皮を引き抜いた。カレンは逃げてしまった。

「どう感謝してよいのかわからない。スパシーボ、スパシーボ」とヤコブがイワノフの手を取っていた。イリヤが姪たちと料理に取り掛かった。長谷川がワインのケースをキッチンテーブルに降ろした。


wine bourgogne

「まあ、シャンペンまであるわ」とカレンが驚いた。

「ブルゴーニュのワインよ」とイリヤがラベルを見てヤコブを振り返った。

「杉原領事さんの贈り物です」と飛鳥。一同が集まって来た。ワインに向かって、手を合わせている。ヤコブが旧約聖書の教えを呟いていた。

                            *

また、盛大な晩餐が始まった。ヤコブが音頭を取って乾杯した。まず前菜から始まった。マッツァボールスープはない。カレンが長谷川にハンティングの話をねだった。

「話すほどの冒険じゃなかったけど、良い想い出になった。でも、イワノフのライギョはやはり不味かった」と言うと、一同がどっと笑った。

「ああ、そうそう、猟犬だけどね、冷夏20度の水に飛び込んでも何ともない。それと、どうしてあそこの一部分だけが凍らなかったのだろうか?」

「それね、湧き水なのよ」とカレン。

「あの犬は、スコットランドの伯爵がほかの犬と配合させて作った名犬なんです」とウランが解説した。

「毛が二重になっているんだ。下の毛は体温が下がらない緻密な構造で~上の毛は水を跳ね返すってわけさ」とイワノフ。

「ところが、このリトリーバーと世界にその名が広がったけど、ガードには向かないんです。だけど、盲導犬のベストです~聾唖者の友~鳥撃ちには欠かせないものです。満州北部はシベリアなんです。馬~銃~リトリーバーの国なんです」とウランが誇るように胸を張ったのである。

「ということは、赤軍も、コザックも、白系ロシア人も、タタールも、みんな「母なるロシア」を愛しているということですね?」と長谷川が聞いた。

「その通りです」とヤコブが言って、再び全員が指を組んだのである。長谷川がカレンを見るとお祈りをしていた。カレンは信心深い女性であった。

イリヤと姪たちが鴨の丸焼きを持って現れた。「おお」と言う歓喜の声が上がった。長谷川が北大時代に読書クラブで読んだトルストイの「戦争と平和」を想っていた。


(註)1800年代始め、ナポレオンによるロシア遠征ガ起きた。露仏戦争とその失敗が背景だが、同時にロシア貴族の没落の始まりだった。トルストイは、アウステルリッツの戦いやボロディノの戦いなどの歴史的背景を精緻に描写している。ロシア貴族の3つの一族の興亡を描いている。「戦争と平和」は、ピエール・ベズーホフとナターシャの恋と新しい時代への目覚めを点描しながら綴った群像小説である。伊勢は、「ピエール・ベズーホフ」がトルストイの分身だと思う。没落していくロシア貴族、、大地で力強く生き続けるロシアの農民の生き様、、そして魂の遍歴はトルストイの心の動きの反映なのである。


イワノフの前に一羽置かれている。イリヤが大男の食欲をわかっているのだ。数人がナイフで切り分けている。野菜は、茹でたメキャベツ~蕪の酢漬け~茹でたニンジンである。パンとバターが大皿に盛られている。行儀作法はない。イワノフがワインをガブガブ飲む無ので、カレンがロシアワインを持って来た。量さえあれば、なんでもいいらしい。デザートが出た。カレンが蓄音機のハンドルを廻した。ロシア民謡の「ヴォルガの舟歌」である。12人が歌い出した。ヤコブが指揮を取った。


我らにとっていちばん慕わしいヴォルガ、ヴォルガ、母なる河よ

エイコーラ、エイコーラ

もういっぺん、もういっぺんだぞ

エイコーラ、エイコーラ

もういっぺん、もういっぺんだぞ

エイコーラ、エイコーラ


三分で終わった。「どれも短いのよ。どれが聞きたい」とカレンが長谷川にレコードの箱を持って来た。

*黒い瞳
*カチューシャ
*ヴォルガの舟歌
*コザックの子守歌
*赤いサラファン
*泉のほとり
*仕事の唄
*ともしび
*モスコー郊外の夕べ
*バイカル湖のほとり
*カリンカ
*ウラルのぐみの木
*一週間
*トロイカ
*すずらん
*私が郵便馬車の馭者だった


長谷川は、ほとんどのロシア民謡を聞いた。「それほど北大はロシアに傾いていたのだろうか?」と想っていた。

「ミス・カレン、すずらんを聞かせてくれる?」と言った。長谷川は八甲田山の麓の草原に咲く可憐な鈴蘭を思い浮かべていた。飛鳥が何か考え事をしていた。

盛大なる晩餐が終わった。イワノフとウランの姿が消えていた。最後に見たのはトイレに行く姿だけだ。「あら、イワノフ、帰っちゃったのね。お土産があるのに」とイリヤ。

「明日から教室よ」とカレンが長谷川に囁いた。その目が輝いていた。

                ~続く~


海外広報に、ご献金を頂きたい

日本人で、伊勢一人がブルームバーグ紙で論戦している。中国経済が劣化してから中国人の書き込みがゼロとなっている。いかに習近平が窮地に陥ったかがよく判る。日中貿易を見直すときである。

A) 振込口座

1)金融機関   みずほ銀行・上大岡支店・支店番号 364
2)口座番号   (普通)    2917217
3)口座名    隼機関   ハヤブサキカン

B) 郵便局口座

1)口座番号  10940-26934811
2)口座名    隼機関   ハヤブサキカン


8月30日、MIZ・TAKさまから、20、000円~WA・EIさまが今月も(毎月)、1000円の寄付を下さった。この方々は何年もの期間、伊勢を応援してくださった。たいへん感謝しています。


新藤義考さんにメールを出した

[ メッセージ ]
隼速報の伊勢です。1941年、新京で生まれました。一家七人は終戦一年前に日本へ帰りましたが、兄三人は学徒出陣と予科練へ行きました。みな生還しました。「満州を掴んだ男」が現在集英社の手にあります。出版はわかりません。応援してください。ブログで「憲兵大尉の娘」を連載中です。是非、ご覧ください。







comment

>「中国」と言い出したのは孫文(中山)です

戦前から支那は支那という言葉を嫌がり、中国を使うようにと求めてきた。なぜか・それが中華思想でしょう。
 われわれはその昔は唐、天竺といった。平安時代以降わが国は支那朝鮮とは国交を結んだことはない。これが事実です。何故だろうか?
 ここに東アジアにおける文化の存在があるとおもう。
朝鮮通信使など国交ではなく、最後には幕府はやめた。あれは内実は朝貢のようなものです。わが国の幕府と李氏朝鮮の思惑をうまく処理したものでしょう。
 支那とは明治のとき初めて国交を結んだに過ぎない。
いずれにしても支那大陸に、中国という国などあったためしはなく、あったのは王朝で、清と明といった。
中共に<おい日清戦争において日本はどこと戦った>と、たずねるといい。これは日本人にもきくといい。それぞれの答えを比べると日中の文化の違いがわかると思う。
 記者クラブで誰か聞くといい。
今あるのは中華人民共和国で、中国ではない、略すなら中共でしょうが、中国とも略せる。実にうまいこと考えたが、どのように略すかは俺の勝手だといって、中国というと中華民国と間違えるから、中共という。またわが国には中国地方という言葉があるから、それと間違えるから、中華民国を中国と略すわけにはいかないから、中華民国というよ。
 独立とはそのようなことでしょうね。些細なことですが。それをわが国は中共に中国と書けといわれて中国とかく。
 言葉は実を示すとともに、虚も示すが、問題は漢字を使っていることです。これが英語だと起きない現象が日中、日韓に起きる。

 今回安倍談話を英語と朝鮮語、支那語で発表したというが、大丈夫だろうか。
 日中、日朝の交換公文は必ず間に英語を挟むことですよ。つまり日本語英語、支那語と三つ書くことで、そのわけは同じ漢字を使っても意味がそれぞれ違うからです。わが国外務省はどのようにしているか知らないが、それをしないといろいろ困ることがおきる。またおきている。
2015/09/11 20:19 | kenji [ 編集 ]

kenji先生

「中国」と言い出したのは孫文(中山)です。その中に満州もあるが清の版図を継続しただけ。清そのものが漢人じゃない。とにかく、チャイナは「すりかえ」が酷いね。言葉のあやで生きている。伊勢
2015/09/11 18:44 | 伊勢 [ 編集 ]

大きくはニクソン訪中は支那の対米戦略の一つだったが、真の狙いは日本との国交だった。中国というが、内実は中共にすぎない、国交樹立以前は中共と言っていた。それをいつの間にか中国というが、中共というとそれは1949年に成立しているからそれ以前の戦争については一切権利はない。そこで中共は考えた。
 わが国国内においては、中国というように強制した。特にマスコミ関係者に多かった。
 今回の対日戦勝利は中共といえばそれでおしまいです。しかしよく考えたなあ。
 それよりもニクソン訪中のときわが国は対米外交の変更をする一大チャンスだった。そのわけは支那事変以降の日支関係やその背後においてアメリカがしたことなどを直接アメリカに言って、日米安保の廃棄までちらつかせて対米外交を変更するチャンスだった。
<お前支那事変時フライングタイガー部隊を義勇軍として送ったが内実を知っているぞ。あの時と同じ事をするのか、あの時は蒋介石だったが、今度は毛沢東か>と。

あとちえだが。しかし普通の日本人磯のような気概がまったくないから、むりだった、そこが現在におけるすべての問題の元です。
 
2015/09/11 18:32 | kenji [ 編集 ]

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/15/238739/091000052/?P=1

中国に欺かれ続けてきた米国

米中国交回復の驚くべき真実を著書「China 2049」で明かした
M・ピルズベリー氏に聞く


「キッシンジャー氏も、中国への見方を変えつつある」と確信しました。

米中関係については知られていない事実があまりに多い。

「中国は1969年以降、同じ戦略を実行し、成果を上げている」

米国は中国から受けた国交回復の誘いを5回断った

そこには「ニクソン大統領が訪中することを歓迎します。
あるいは誰か代表を北京に派遣して下さっても結構です」と書かれている。
これはニクソン大統領による訪中が、中国からの働きかけで始まったことを
示す重要な証拠の一つです。

機密指定解除になった一連のキッシンジャー氏の資料の中に
「ソ連は、米国と中国の関係がある程度近づくことを既に予想している」
と書かれた国連本部発の情報があります。それには「最高機密」と
書かれていました。FBIもCIAも、何人もの協力者を抱えています。
そうした協力者が書いたレポートはすべてキッシンジャー補佐官の元に
届けられ、彼はそれをメモにまとめていたということです。

そこには、先ほどおっしゃった中国が1969年以降、追求してきた
もっと深い戦略的な狙いがあって実際に4つの米連邦政府機関による
査読を受けた結果、残念ながらそれぞれの組織から削除を命じられた部分が
あります。


また、私は本に書いた内容以上のことは話してはならないことにも
なっています。


2015/09/11 11:57 | [ 編集 ]

オリーブオイル 先生

FX?趣味なの?株よりも難しいと思うけど。ま、あらゆる手で資産は作らないといけない。頭がしっかりしていれば出来る。伊勢
2015/09/11 01:59 | 伊勢 [ 編集 ]

零時を過ぎて日本時間は9月11日の金曜日ですが、日本時間木曜日は
トレーダーの間では「買い場・売り場探しの木曜日」と言われています。
ドル円は121.300近辺、ボンド円は187.300近辺を高値で付けました。
実はボンド円は「変化点」でしたので、ここから相場が動くと見ています。
仕込みは済みましたが、どうなることやら。
2015/09/11 01:54 | オリーブオイル [ 編集 ]









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プロフィール

伊勢平次郎

Author:伊勢平次郎
 
伊勢平次郎はペンネーム。アメリカへ単身移住してから50年が経つ。最初の20年間は英語もろくに話せなかった。英語というのは、聴き取りにくく、発音しにくい厄介なものだ。負けん気だけで生きた。味方を作ることが生き残る道だと悟った。そのうち、コロンビア映画、スピールバーグ監督、トヨタ工場、スバル・いすゞ工場の北米進出、日本の新聞社に雇われた。2013・6 冒険小説You Die For Me アブドルの冒険(邦題)をアマゾンから出版した。昨年のクリスマスには、King of Pepper(英語版)胡椒の王様を出版した。日本、英国、デンマーク、ドイツの読者が読んでくれたわ。妻のクリステインと犬2匹で、ルイジアナの湖畔に住む。

写真は、ハヤブサ F. p. japonensis。カタカナで書かれる。瞬間飛翔速度は、時速300キロという猛禽。

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