2009/12/03 (Thu) タリバン掃討戦・米国への不信は深い
afghan pakistan border 1
米海兵隊の監視兵がカンダハルを見下ろしている。この南西には、ヘルマンドがある。この地域にアフガン・タリバン28、000が潜んでいる。米軍の大軍が南下すれば、タリバンは単に、パキスタン国境を越えると信じられている。パキスタン情報部や陸軍内部にはアフガン・タリバンのシンパが多いのである。


アフガニスタンとパキスタンの国境線は、1600マイル(2574キロメートル)である。低地でも、海抜2000メートルだ。その上に峻険が聳(そび)える。オバマが、30000のアフガン増派を決定した。米軍の合計は、10万人になり、ブッシュ時代の丁度2倍の兵員なのだ。そのコストだが、兵一人に付き、年間$1ミリオン(9000万円)が要るとのことだ。すると、10万人 X 9000万円=9兆円(年間)となる。ついでに、日本政府(民主党)は、アフガンの復興資金として、4年間で5兆円を提供すると約束している。失業者を抱える日本にとっては、たいへんなコストである。だが、このタリバン(28000)・アルカイダ(100人足らず)の掃討戦の鍵は、パキスタンなのだ。そのパキスタンは、米国とその同盟国のアフガン政策に不信を抱いている。伊勢平次郎 ルイジアナ






(解説)WP記事(http://bomanchu.blog81.fc2.com/英字ブログ)によると、パキスタン軍部やパキスタン政府(ザルダリ)には、アメリカ(オバマであろうと、ブッシュ1,2であろうと)に対する不信が根深い。パキスタンの外務省は「オバマ大統領は、タリバンは共通の敵だというが賛成できない~米国(ブッシュ1)は、1989年に、ソ連軍が撤退すると、パキスタン、アフガン・タリバン(当時はムジャハデイン)の戦士たちを裏切ったのだ~アフガン増派には賛成するが、パキスタンに戦禍が及ばないことを望む」とオバマの演説の翌朝に声明を出している。

アフガニスタンはの人口は、2582万人である。その国土は日本の2倍なのだ。国民一人当たりの年収は、$200ドルとされる。タリバンに参加するアフガン人の多くは、パシュトン民族(人口の半分)だ。その極貧は世界で下から三番目とのことだ。タリバン兵の日給は$10ドル。「カネでこっちへ引っぱれ」という意見があるが、タリバンは、容易に寝返ることはない。まず、部族への忠誠心がある~米軍は、2011年7月に撤退開始とオバマが言っている~やがて、カルザイ政権(米国の傀儡)はタリバンに倒されると信じているからである。

一方のパキスタン軍は、現在、パキスタン・タリバンを、ワジリスタン渓谷へ追い詰めている。だが、国境線は、2574キロメートルだ。強靭な体格のパシュトン族は、動物のように移動する。その上、アフガンとパキスタンの山岳地帯を出たり入ったり。そこへ、米軍に追われたアフガン・タリバンが入ってくれば、掃討戦はもうお終いだ。なぜならば、米軍は、パキスタン領に入れないからだ。伊勢平次郎 ルイジアナ

                                   ~~~

(つけたし) 今日は、日本の雇用問題を調べていた。貧困率国際比較でアメリカについで、二位の日本。その意味するところを把握しなければ、貧困~雇用対策を根底から説くことにはならない。伊勢爺さんは、日本の貧困も、雇用も、それほど難しい問題だとは思わない。日本人は、同胞への理解深く生産能力が高いからだ。社会制度改善と雇用促進の二本の政策が必要。それは、丁度、医師が患者を治療するに似ていると思う。次回のテーマとしますね。伊勢

comment

Mephist先生

鳩山のやってることは、反抗です。「筋を通すことを始めから拒絶する」というチンピラの行為。この場合は、巨大な暴力で押し返される。ジョン・ルースは、「拒絶できない申し出」を考えている。“MAKE HATOYAMA AN OFFAR HE CAN’T REFUSE” というマフィアの掟を鳩山は知らない。つまり、「どっちが、RICHER、STRONGER AND SMARTER なのか?」という「力の勝負」です。答えは明らか。伊勢 
2009/12/05 15:33 | 伊勢 [ 編集 ]

多分ルースが怒ったのは、前提条件を何も検証しないで「とりあえず反対」といいに来た政府に激怒ですよ。

知識がないなら理解できるまで勉強すれば良い。
それもしないで勝手なことを言うから馬鹿にされる。
馬鹿にされているのに、相手に不利益を押し付けるから(しかも自分はもっと不利益)怒られる。

ウチの娘に判る話が、なんで政府与党の重鎮がわからんのか不思議でしょうがない。
2009/12/05 12:10 | Mephist [ 編集 ]

>>ルース米大使が日本側に激怒。岡田外相らの面前で大声張り上げる

弁護士としてなら赤くなったり怒声を発しないものです。ルースの出身を見れば、親日家であることが明らか。怒る理由は、「合意からの逸脱(DEVIATION)」という不誠実な鳩山の行為なのだ。伊勢
2009/12/05 08:49 | 伊勢 [ 編集 ]

ルース米大使が日本側に激怒 岡田外相らの面前で大声張り上げる 普天間移設の年内決着断念で 2009.12.5 01:38
http://sankei.jp.msn.com/topics/politics/1433/plt1433-t.htm
2009/12/05 07:25 | [ 編集 ]

日本では報道されないようだが、ジョン・ルース駐日大使が「普天間移設を緊急に解決せよ」と迫ったと。“EXPEDITIOULY”と二回言った。オバマの一回目と併せて三回目である。10月に訪日したゲーツ国防長官は、「合意を翻すならば、8000の海兵隊員のグアム移転をキャンセルし~土地の返還もない」と岡田に伝えている。来年に持ち越せば、そうなる。沖縄県民は鳩山に激怒している。伊勢
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/12/04/AR2009120401033.html?hpid=moreheadlines
2009/12/04 21:31 | 伊勢 [ 編集 ]

Mephist先生

>>社員を有給休業させた場合、政府が雇用保険分(約7千円)を補助金として企業に支給する内容で、休業+教育であれば、更に6千円加算されますので、大抵の社員の給料は出てしまいます。 この運用が止まる可能性が民主党政権下でありえますから。かなり重層的な中小企業対策が自民党政権下で取られていたことがよく判ります。

なるほど。麻生さんは、朝早くから官邸へ入って仕事をしていたわね。一日に面会する人も多かったと思う。こういうことを協議していたんだな。あのような国士を失うとは、声も出ない。麻生さんは、「人間は、希望があれば生きていく」ことを知っていたんだろう。伊勢
2009/12/04 20:25 | 伊勢 [ 編集 ]

チタンさま

パキスタンのペシャワルですか?何をなさっていた?聞かせてください。2002年、ぼくも、そこへ取材の予定があった。戦争が始まり、UAEがフライトをキャンセル。宮崎正弘先生は、インドから入ったはずです。1970年、CIA情報員がパキスタンを書いた古い本が書棚にある。カラチ港の廃船解体現場の描写は目も当てられない。労働基準法などがない奴隷の世界。最も危険な仕事をパキスタン人は引き受ける。労賃は、一日50セントだった。世界中の廃船がそこへ曳航されてくる。一日に何人もが死ぬ。大怪我しても医者はいないからやがて死ぬ。家族は遺体を引き取りに来ない。海中に投げ捨てられる。鮫が群れて死体を食う。

>>最後のメッセージは確か。「最後の最後にやるべきことをやらず、それが911につながった」というような話だったと思う、今度平定するなら後始末をしっかりするべき、そこでは日本も金を出すべきだろう。

日本の関わり方は難しいですね。パキスタンは、アメリカよりも日本を信頼している。だが、パキスタンの内戦や、アフガンの内戦に関わらないのが良いのです。だから、インド洋給油がベスト。鳩山は、日本の国内も国外事情も把握していない。ファンタジーの世界に生きている精神障害者です。伊勢
2009/12/04 20:14 | 伊勢 [ 編集 ]

前にトムハンクス主演の上院議員がアフガンで活躍している映画があったが、あれの冒頭でもハンクスがパキスタンを訪問して大統領と会見したときに横に軍人がついていて、にこやかに対応するパキスタン大統領と反対に「アメリカは信じられない」と空気をぶち壊す発言をしていたが、ラディンという確かその後情報部のトップになって横にいたハク大統領の飛行機をミサイルで打ち落として暗殺した張本人だったと思う。

パキスタンは米ソ冷戦の橋頭堡になって、アメリカに言いように使い捨てにされた。見捨てられた後、必死になって国土を守るためにありとあらゆる非常手段に訴えて活動してきた。パキスタンの情報部の闇は深い。麻薬販売からタリバン、アルカイダとの裏交渉からなんやら、ありとあらゆるツテをもっている。アメリカに相当恨みを持っているからこの作戦行動の足を引っ張るかもしれない。アフガンが平定されれば、米国と蜜月になりつつあるインドと対峙したときにパキスタンは見捨てられる。

色んな国に情報部があるが、その中でもパキスタン情報部は何をやるかわからない恐ろしさがある。本当に平気で重要人物暗殺とかやるんで、体制ががらりと変わってしまう。そういう国に後方支援を頼ってアフガン侵攻作戦は大きな賭けになる。あまり時間がかかると危ないかもね。

トムハンクスの映画の最後で、ソ連を圧倒して撤退させパーティーを開いているときに、尽力したCIA諜報員が「これで終わったと思えば最悪の事態になる」と警告し、議員達に「紛争が終わったアフガンに教育や復興支援を行わないと終わらない」と訴えるが、勝った勝ったと喜ぶ議員連中は興味を失っており却下された。映画の最後は放り出されたアフガンにタリバンが入り込む様子が示唆されていた。

最後のメッセージは確か。「最後の最後にやるべきことをやらず、それが911につながった」というような話だったと思う、今度平定するなら後始末をしっかりするべき、そこでは日本も金を出すべきだろう。

パキスタンとアフガンの国境には一ヶ月滞在したことが有るが、まさに使い捨てにされたと言う感じで軍事に特化させられて武器弾薬があふれかえり、それが日常になっていた。あれでは紛争がなくなるとやっていけなくなるのも頷ける。そういう状況を無くさないと問題の解決にはならないと思う。
2009/12/04 19:08 | チタン [ 編集 ]

kenjiさま

パキスタンとアメリカの関係は冷たいものです。アメリカは、インドを贔屓にしてきたし、これからも変らない。いずれ、パキスタンと中国が軍事経済同盟国になると考えられている。

このアフガン戦争のゆくえだが、バカみたいな結果になると思う。タリバンは、山岳地帯の村へ帰って行き、米軍やNATO軍が期限切れするのを待つだけですからね。日本政府の拠出するという5兆円には多くの条件を付けるべし。または、廃止すべし。そして、インド洋給油に戻れば良い。小沢民主党というのは、バカの集まり。小沢のようなのを、ゴッドファーザーとは言わないね。伊勢
2009/12/04 11:30 | 伊勢 [ 編集 ]

Mephist先生

大森実さんと同時代の、日高さんのキャリアを尊敬しているが、この論文の理論構成とその帰結に賛成することはできない。ドットとドットをつなぐ根拠が短絡的だから。この方には、インタビューを重んじすぎる傾向がある。アメリカ政府も、軍部も、それほど理詰めで戦略を立てているわけではないです。どうしてそんなことが言えるのかって?アメリカに43年近く住んでいるとね、この国の人たち(上も下も)のアタマの中が判るようになる。アメリカ人気質は、内向きな、ドイツ人~フランス人~日本人と違う。中国人~ロシア人に似ており、外向きで大雑把なんです。人間の心理や感情を含む議論には向かない。だから、高速コンピューター~ロケット・航空機~高度な核兵器など、感情の入らない科学にウエイトをかけるのです。

普天間に関して言えば、戦略のないオバマでも、鳩山の勝手をゆるさない。アフガン増派を決めたオバマはもうペンタゴンの言うままでしょう。保守の最たる論客であるジョージ・ウイルが、「このアフガン戦争の結末は良いものではない」とWPに書いて、そのコメントは1000を超える。どれも、「アメリカは中途で撤退する」というもの。オバマは一期だけの大統領と自覚している。すると、鳩山民主党は、経済~外交~安保でやられる。
 
>>この厳しい現実を踏まえて、日本は自らを守る手段を考えていかねばならない。

この点は全くその通りです。伊勢
2009/12/04 11:19 | 伊勢 [ 編集 ]

民主党独自でアメリカと敵対してくれ





  沖縄の米軍普天間飛行場移設問題で、鳩山首相が北沢防衛相に対し、「新しい場所を探して
 ほしい」と述べ、日米合意に基づく米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県名護市辺野古)以外の
 移設先を探すよう指示していたことが3日、明らかになった。

 首相の指示は、移設先の検討を事実上仕切り直すよう求めたものと受け止められている。
 新たな移設先を見つけるには時間がかかることから、首相は年内の決着を先送りすることに
 したとみられる。

 首相は3日夜、「年内に決めなきゃいけない、という議論をしているわけではない」と記者団に
 述べ、年内決着を見送る考えを公の場で表明した。
 これに先立ち、首相は3日夕、首相官邸で平野官房長官、岡田外相、北沢防衛相と会談し、
 4日に都内で開く日米外務・防衛当局の閣僚級作業部会に向けた協議を行った。
 首相は「連立は大事だ。米国とは誠実に協議してほしい」と述べ、移設問題の決着が遅れても、
 米側の理解を得られるよう指示した。首相はここ数日、平野氏らと連日協議を重ねており、
 新たな移設先の検討指示もこの中で出た。

 複数の関係者によると、首相の念頭にあるのは、米領グアムだという。首相は3日、普天間
 移設を2014年までに完了すると日米が06年に合意した米軍再編のロードマップ(行程表)に
 ついて、「柔軟性を持って臨むことは可能だ」と記者団に語り、移設の時期や場所などを
 軌道修正する可能性を示唆した。
 一方、北沢防衛相は3日、社民党の阿部知子政審会長らと防衛省で会談し、移設問題に
 ついて首相から「丁寧、慎重に時間をかけてやってほしい」と指示されたことを明らかにした。

 政府は、一連の方針を与党側と調整するため、近く、連立3党の各党首が参加する基本政策
 閣僚委員会や、党首や幹事長らによる政府・連立与党首脳会議を開く考えだ。また、米側に
 対しても、4日の日米作業部会で概要を伝える方針だ。
 首相が新たな移設先の模索を指示したことで、11月の日米首脳会談で首相がオバマ大統領に
 約束した「迅速に結論を得る」対米公約は果たせなくなり、日米関係は大きな打撃を受けることになった。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091204-00000058-yom-pol
2009/12/04 10:15 | [ 編集 ]

忙しくてろくにコメントできませんが、ちょっと古いのですが次の記事を読んでください。

【もはやカラッポの在日米軍/日高義樹(ハドソン研究所主席研究員)】
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090824-00000001-voice-pol

総選挙直前で、コレです。
今は?と聞かれると答えに窮します。
何しろどこまで悪化してるのか見当が付かないのですから。

ちなみに日本の雇用情勢はすこし悪いほうに割り引いて考えてください。
麻生政権下で成立した雇用調整助成金がかなり効いているはずですから。
これは社員を有給休業させた場合、政府が雇用保険分(約7千円)を補助金として企業に支給する内容で、休業+教育であれば、更に6千円加算されますので、大抵の社員の給料は出てしまいます。
この運用が止まる可能性が民主党政権下でありえますから。
かなり重層的な中小企業対策が自民党政権下で取られていたことがよく判ります。
2009/12/04 09:50 | Mephist [ 編集 ]

其の昔、親日家のハク大統領が飛行機事故で殺された(?)時、むごい事をするおもった。ソ連との戦争にパキスタンを利用して、それが終わると殺したナと私は勝ってに思った。 
 しかしそれが国際社会でしょう。
後進国は暗殺、民主主義国は失脚ですか?

 伝統的にパキスタン軍はアメリカと仲がよいと聞くが、それはデマでしょうか。

国内の情報ではパキスタンの軍事的状況がさっぱり分かりません。

この地は部族社会で、欧米とは全く異なり、タリバンを征伐しても、元の木阿弥で、その後の世界はまた同じでしょう。アヘンは生活の糧ですから、アヘンがなくなると彼等は生きていく術がなくなります。
 西欧的な世界は望むべくもないでしょう。
問題は伊勢爺さんが指摘のパキスタンの核でしょう。
 世界戦争の火種がそこにあります。

現在の円高はこの戦費の調達でしょうね。
あと一月もすればその調達も終わるのではないでしょうか。
2009/12/03 20:24 | kenji [ 編集 ]









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プロフィール

伊勢平次郎

Author:伊勢平次郎
 
伊勢平次郎はペンネーム。アメリカへ単身移住してから50年が経つ。最初の20年間は英語もろくに話せなかった。英語というのは、聴き取りにくく、発音しにくい厄介なものだ。負けん気だけで生きた。味方を作ることが生き残る道だと悟った。そのうち、コロンビア映画、スピールバーグ監督、トヨタ工場、スバル・いすゞ工場の北米進出、日本の新聞社に雇われた。2013・6 冒険小説You Die For Me アブドルの冒険(邦題)をアマゾンから出版した。昨年のクリスマスには、King of Pepper(英語版)胡椒の王様を出版した。日本、英国、デンマーク、ドイツの読者が読んでくれたわ。妻のクリステインと犬2匹で、ルイジアナの湖畔に住む。

写真は、ハヤブサ F. p. japonensis。カタカナで書かれる。瞬間飛翔速度は、時速300キロという猛禽。

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