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ついに脱皮する、、((放浪その38) |
みなさんは、ウエハスを知っていますか?ウエハスは煎餅に似たクラッカーで、子供が病気上がりで食欲がないときに与えるもの。コンピューターチップスの製造過程で、人工水晶(クリスタル)を薄く切って、ディスク(円盤)にする。そのディスクをウエハスと呼んでいた。コンピューター技術は急速度で進歩したために、部品にニックネームを付けた。若い世代はコンピューターのワードに抵抗がなかったが、50歳以上の者には異次元の世界だった。ソニーの盛田さんが、「課長まではいいが、50を過ぎた社員はコンピューターの英語が苦手だった。命令で社員全員にデスクトップを与えたが、セニアは馴染まず、埃を被ったままだった」と話した。
競売で知り合ったインテルのエンジニアにコンピューターの製造プロセスを見たいと言うと、コンピューターに関心がある人のために見学できると言った。ライフが変わる体験となった。コンピューターは新旧の世代をくっきりと分けた。コンピューターに知識がない世代は職場を失った。チップスが出来る工程は面白かった。人工水晶を作る「水晶生育器」は洗濯機ぐらいの大きさで、タケノコのような水晶が出来る。それを薄く切ってディスクにする。そのディスクに回路を焼き付ける。その回路に他の用途のカイロを積み上げて、集積回路が出来る。インテルが開発したコンピューターの頭脳の部分は、マイクロ・プロッセッサーと言われ、これがオペレイション・システム(OS)。コンピューターは、OSが司令塔で、ソフトことアプリケーション・ソフトが仕事をする。伊勢はエンジニアには向かないけど、この一般知識は後に読売シリコンバレー支局でインタビュー担当をした時に役に立っている。インテルの副社長さんをインタビューした。
伊勢は学歴も技術もなく、コミュニケーションに向く性格で、多くの有名人に会うことが出来た。それが自信となっている。盛田さんは、「ソニーへ来ないか?」と誘ってくれた。自分は会社勤めに向かないので感謝して断った。その頃から、自分は一匹狼なんだと思うようになった。
競売で面白いことがあった。インスペクションの日、机ぐらいの機械があった。それを3人のインド人が見ていた。シリアル番号を書き取って、ニールにファックスで送った。すると、、
「のぶ、それはね、腕時計のクオーツを作る機械なんだよ。後ろのカバーを取ると、右に5枚のディスクがある。左から3番目のディスクを抜いて、送ってくれ」
「それ泥棒じゃないの?」
「まあ、そうだけど、競売屋も、バイヤーも、みんなアリババなんだよ。俺が売っている中古の機械を買うのは、インド、パキスタン、イスラエル、中国、韓国なんだ。つまり、連中も闇製品を造る泥棒なんだ」
ねじ回しで蓋を取ると、ニールが言ったように五枚のディスクがあった。左から三番目を抜き取って、胸のポケットに入れた。
「グレイト!」とニールが電話で言った。
「あ~あ、俺も泥棒になってしまった」
「今回だけだよ」
競売の第一日目、インド人がクオーツ製造機を落札した。競争するバイヤーが二人しかいなかった。バイヤーのリストを見ると、そのバイヤーはパキスタンの会社で住所は香港だった。
ニールから電話がきた。ニールが香港の会社に電話を掛けたと言った。内容はこうだった。
「あいつらに電話したんだ。お前らカード(ディスク)が欲しいか?」
「お前か抜き取ったのは?」
「欲しいか?イエスかノーか?」
「こちらから返事する」
30分後、電話が鳴った。
「買う。いくらだ?」
「いくらなら買う?」
「5000ドルでどうか?」
「7000ドルなら売る」
パキスタンは黙っていた。
「買わないならゴミ箱に捨てる」
「買う、買う、買う。ゴミ箱に捨てるな」
ニールから3000ドル送ってきた。この話を、横浜の兄に話すと、「のぶちゃん、その仕事辞めろ!絶対にいいことはない」と言った。一年が経った。ニールがシリコンバレーにやってきた。倉庫を買って、事務員を雇った。伊勢は一年で50000ドルを作った。辞めることにした。
「さあ、どうしようか?」
テレビにワイキキの浜辺やホテル群が映った。ハワイに着いてから、14年が経っていた。伊勢は、入道雲とヨット、青い海を想いだしていた。翌朝、サンフランシスコの空港からホノルル行きに乗った。
~続く~
競売で知り合ったインテルのエンジニアにコンピューターの製造プロセスを見たいと言うと、コンピューターに関心がある人のために見学できると言った。ライフが変わる体験となった。コンピューターは新旧の世代をくっきりと分けた。コンピューターに知識がない世代は職場を失った。チップスが出来る工程は面白かった。人工水晶を作る「水晶生育器」は洗濯機ぐらいの大きさで、タケノコのような水晶が出来る。それを薄く切ってディスクにする。そのディスクに回路を焼き付ける。その回路に他の用途のカイロを積み上げて、集積回路が出来る。インテルが開発したコンピューターの頭脳の部分は、マイクロ・プロッセッサーと言われ、これがオペレイション・システム(OS)。コンピューターは、OSが司令塔で、ソフトことアプリケーション・ソフトが仕事をする。伊勢はエンジニアには向かないけど、この一般知識は後に読売シリコンバレー支局でインタビュー担当をした時に役に立っている。インテルの副社長さんをインタビューした。
伊勢は学歴も技術もなく、コミュニケーションに向く性格で、多くの有名人に会うことが出来た。それが自信となっている。盛田さんは、「ソニーへ来ないか?」と誘ってくれた。自分は会社勤めに向かないので感謝して断った。その頃から、自分は一匹狼なんだと思うようになった。
競売で面白いことがあった。インスペクションの日、机ぐらいの機械があった。それを3人のインド人が見ていた。シリアル番号を書き取って、ニールにファックスで送った。すると、、
「のぶ、それはね、腕時計のクオーツを作る機械なんだよ。後ろのカバーを取ると、右に5枚のディスクがある。左から3番目のディスクを抜いて、送ってくれ」
「それ泥棒じゃないの?」
「まあ、そうだけど、競売屋も、バイヤーも、みんなアリババなんだよ。俺が売っている中古の機械を買うのは、インド、パキスタン、イスラエル、中国、韓国なんだ。つまり、連中も闇製品を造る泥棒なんだ」
ねじ回しで蓋を取ると、ニールが言ったように五枚のディスクがあった。左から三番目を抜き取って、胸のポケットに入れた。
「グレイト!」とニールが電話で言った。
「あ~あ、俺も泥棒になってしまった」
「今回だけだよ」
競売の第一日目、インド人がクオーツ製造機を落札した。競争するバイヤーが二人しかいなかった。バイヤーのリストを見ると、そのバイヤーはパキスタンの会社で住所は香港だった。
ニールから電話がきた。ニールが香港の会社に電話を掛けたと言った。内容はこうだった。
「あいつらに電話したんだ。お前らカード(ディスク)が欲しいか?」
「お前か抜き取ったのは?」
「欲しいか?イエスかノーか?」
「こちらから返事する」
30分後、電話が鳴った。
「買う。いくらだ?」
「いくらなら買う?」
「5000ドルでどうか?」
「7000ドルなら売る」
パキスタンは黙っていた。
「買わないならゴミ箱に捨てる」
「買う、買う、買う。ゴミ箱に捨てるな」
ニールから3000ドル送ってきた。この話を、横浜の兄に話すと、「のぶちゃん、その仕事辞めろ!絶対にいいことはない」と言った。一年が経った。ニールがシリコンバレーにやってきた。倉庫を買って、事務員を雇った。伊勢は一年で50000ドルを作った。辞めることにした。
「さあ、どうしようか?」
テレビにワイキキの浜辺やホテル群が映った。ハワイに着いてから、14年が経っていた。伊勢は、入道雲とヨット、青い海を想いだしていた。翌朝、サンフランシスコの空港からホノルル行きに乗った。
~続く~
名無し先生
コンピューターは超速で発達したためにコンピューター言葉は現場の技術者らが付けた。スラングなので、高齢者には分かりにくい。英語は深く考えてはいけない。意図が分れば良い。アメリカンはジョークを混ぜて話すので、真面目な日本人は「え?」と戸惑う。伊勢
コンピューターは超速で発達したためにコンピューター言葉は現場の技術者らが付けた。スラングなので、高齢者には分かりにくい。英語は深く考えてはいけない。意図が分れば良い。アメリカンはジョークを混ぜて話すので、真面目な日本人は「え?」と戸惑う。伊勢
伊勢平次郎 [URL] 2022/09/08(木) 18:58 [EDIT]
小学生の高学年のころ、アイスクリームを呼ばれたとき、ドームのようなアイスの横に、せんべいのようなものがさしてあった。その時<これはウエハーと言って、アイスばかり食べていると、口が冷たくなるから、それを食べて、またたべる>と説明された。
名無し [URL] 2022/09/07(水) 19:11 [EDIT]